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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日はアメリカの差別に対する意識とその不動産市場への影響についてお伝えさせて頂きました。
今の時代に差別はあるのかないのか、というと当然ながらあります。アメリカでなくとも日本でも地域差別はありますね。
ましてこのアメリカでは人種の坩堝という特異性からアメリカ合衆国建国の前から差別問題は厳然とそこにあり、国の歴史といつも隣り合わせにあったのです。
この差別行為については不動産エージェントにとってもライセンス資格を維持する上で犯してはいけない差別行為が明確に定めらています。
もし皆さんがお世話になるエージェントが実は差別主義者だったら。。最終的には不動産売買においてエージェントの(差別支持という)曲がった信念が皆さんのお財布に影響することはないとは思いますが、売買の対象となる相手方にあなたのエージェントの行為が訴られた場合はその手続きが面倒なことになり、果ては希望する物件が購入できなくなる可能性があることも事実です。
そこで今日はアメリカ不動産売買の予備知識として、不動産エージェントが契約前の行為で禁じられている3つの代表的な差別行為についてお伝えさせて頂きます。厳密には人種のみならず年齢に対する差別、エイズ感染者に対する差別、宗教に対する差別等、差別行為から守られるカテゴリーは数多くあるのですが、ここでは物件紹介において偏見が入り込む可能性のある代表的3つの行為をご紹介させて頂きます。
Steering(ステアリング:誘導案内)
Steeringという言葉は様々な場面で使われます。一般に日本でいう車のハンドルは英語ではステアリング。ある組織の方向性を定める運営委員会であれば、英語ではSteering Committee(ステアリング・コミッティー)という名称になります。
いわゆる、Steering(ステアリング)という言葉は誘導したり操作したり、ある特定の物・人・団体を一定の方向にいざなうようなニュアンスの言葉です。
ここでは不動産の現場に合うように「誘導案内」と訳しました。誰が何を誘導するのかというと、「差別意識のある不動産エージェントがある特定の家や地域の物件をわざと避けて誘導すること」です。
例えば購入希望者が自分の希望にかなう物件を見つけたのに、不動産エージェントが確認すると彼の(彼女の)嫌いな人種が暮らしていたことが分かり、何らかの難癖をつけてあなたに別の物件にするように薦めてくる。そんな誘導行為をSteering(ステアリング)と呼び不動産購入者にとっては人種差別主義者にあたった場合、発生する確率が今でもゼロではない行為です。もし不当に誘導されているな、よい物件なのに不利益を被りそうだなと感じたら、そのエージェントにその物件が駄目な理由をしっかりと聞きましょう。
その理由が腑に落ちない場合、よろしければ佐藤にご相談ください。
Blockbusting(ブロックバスティング:住民追い出し行為)
本当かウソか分からないことを吹聴して住民を追い出す行為をBlockbusting(ブロックバスティング:住民追い出し行為)と呼びます。
アメリカでは1960年代あたりまでは全米各地であからさまに差別行為が行われていました。公園の水飲み場には「White(白人)」「Color(色のついた人種)」と標識がついていて水を飲む場所が厳格に分かれていたり、街中でバスに乗る時はバスの前方のドアから乗車して運賃を払い白人はそのまま前方の席に座れますが、黒人は運賃を払ったら一旦降りて、バス後方のドアから乗車しなおして後方の座席に座る、そんなことが本当に公然と行われていたのです。
そんな時代に、「近所に黒人たちが引っ越してくるぞ!!」と本当かウソか分からないことを真しやかに吹聴して物件を売却させる行為が実際にありました。差別意識の強い時代でしたから「黒人がくると物件の価値も下がって自分の世間体も悪くなる、今のうちに売ろう!」そんな類のオーナーが当時はいたのです。ところが実際にはそれは不動産物件を売らせるためのエージェントの手口であり、その後で物件を高値で売り抜けるといった詐欺行為も頻繁にありました。
今ではこのようなことはほとんどないとは思いますが、もしあなたがアメリカに物件を所有していて不動産取り扱いの有資格者が特定の人種が近所に来ることを理由に売却をもちかけてくるようなことがあれば、、それは明らかに不動産エージェントにとって厳罰の対象となる行為です。
Redlining(レッドライニング:特定警戒地区指定)
地図の上である特定の地域をあたかも赤線で囲むように区域を指定することをRedlining(レッドライニング:特定警戒地区指定)といいますが、この区域指定は偏見の意図で行われます。
もっぱら金融業界で行われていた行為で、融資に際し審査官はその(暗黙の了解の)特別警戒地区に暮らすものには融資を行わないような行為が実際にあったのです。そのようなレッテルを張られた地域では必然的にお金の循環が悪くなり、地域の整備もままならず、結果としてますます荒廃したような地域になっていく悪循環が発生してきます。
現在ではこのRedlining(レッドライニング:特定警戒地区指定)は法律上禁止されており、どの地域にも等しく融資を行うように定められています。
まとめ
今日は3つの代表的な差別行為についてお伝えさせて頂きました。
佐藤自身は当然ながら差別意識は全くありません。ニューヨーク時代はとりわけ黒人の友人もおりハーレムに遊びに行っていましたし(ワイルドな街並みが大好きな時期がありました。。)、これまでにもアメリカ人を対象にセミナーを何度も開催してくる中であらゆる人種を生徒として迎え、どの人種に対しても偏見の想いを抱いたことなど一度もありません。
ただし不動産エージェントとして唯一意識しているのは、人種ではなくて「その地域の犯罪率」です。昨日も人種の代わりに犯罪率が語られるとお伝えしましたが、これは「人種差別を語るのはまずいから人種と犯罪を結び付けて語ろうよ」という意味ではなく、純粋に「今の時代に人種うんぬんが語られることはないが、犯罪率を語ることはある」という意味です(もちろん上記のレッドライニングにあたる行為は厳禁)。
犯罪率を意識することは法律違反ではありませんし、ことアメリカの不動産市場においてはその地域の犯罪率と不動産価値は必ず影響します。
佐藤にはお客様の利益を最大限に守る義務があるわけで、法律違反とならない限り犯罪率を指摘することはお客様に不動産購入の判断を促す際にその情報の一つとして必ず含めているのです。
不動産エージェントとしてはその時売れればいいという話ではなく、とりわけ不動産のような高額な一品物は高いお金を出した後に実際に住んでみないと分からないことが多いわけで、それ故に購入した後こそが大切なのです。
その意味でもお客様をご案内する際には佐藤の知る土地勘と統計上の情報をもって、お客様にとって不動産購入後の価値または出口戦略(売却)まで考えた情報提供をさせて頂くことを自分への至上命令としています。
今日は改めて自分への自戒を込めて。
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