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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日までは米連邦準備理事会(FRB)が定める金利の意味合いとその金利変動の歴史をグラフで見ていきました。
金利の変動をアメリカ不動産価格の変動と比較してみた時に、アメリカの不動産価格は金利に大きく影響されることがはっきりと読み取れます。
アメリカの不動産価格は基本的に需要と供給で考えた時に需要としてはその3大要素、
- 人口
- 人口動態
- 雇用・賃金
に影響されてこれに伴う価格の変動を起こしますが、そこに金利の変動要素が加わって価格上下に更なる変化をもたらすのです。
かくして金利の変動は不動産価格に甚大な影響を及ぼすということは確実ですが、過去を知ることでその影響が良いものか、悪いものなのかがよりハッキリと見えてきます。
また過去の傾向を知ることでそこから未来の蓋然性を推し量ることも出来ますので、過去の出来事を知っておくことは大切です。
今日は昨日ご紹介した金利と不動産価格の変動グラフを再度比較し、さらに過去の金利の変化の中で不動産価格に影響を与えた主な4つの時期に焦点を当て、その意味合いを考えてみたいと思います。
不動産価格の変動をもたらした4つの時期
金利の動きと不動産価格の動きの比較が見やすいように、昨日のグラフを上下に重ねてみます。上のグラフは金利の動き、下のグラフは不動産価格の動きです。
今回は①〜④の4つの時期を深掘りしてみます。上のグラフの金利の動きに矢印と番号をつけた部分が原因、そして下のグラフの赤丸が上の金利の変動から不動産価格にもたらされた結果です。
4つの時期をそれぞれ
- 2桁インフレへの対策期
- インフレ傾向への対策期
- ITバブルへの対策期
- 景気回復への対策期
と名付けておきます。
①2桁インフレへの対策期
近代史のアメリカでは
1974年2月 〜 1975年4月
1979年3月 〜 1981年10月
この2つの時期に2桁のインフレ率を経験しました。その起因となったのは、日本にも甚大な影響を及ぼした石油危機です。
この2桁の物価上昇率を抑えるべく、間髪入れずに1974年と1979年に米連邦準備理事会(FRB)は金利を一気に上げています。何回かの金利乱高下をもって物価高騰を抑えようと試みた軌跡がグラフからはっきりと読み取れますね。
物価上昇が落ち着いたと見られる1982年1月からは金利をぐんと下げ始めて騒ぎを収束させています。しかしながらこの反動でアメリカは不況色を強める形となりました。
この時期には金利の急上昇を受けて不動産価格も
1979年末 〜 1982年末
の期間は下降気味となりました。
②インフレ傾向への対策期
1987年初頭からアメリカは再び物価の上昇が激しくなりだし、インフレ傾向が強まりました。これに呼応し、
1988年4月 〜 1989年3月
の期間において金利は上昇を続けています。日本ではちょうどバブル景気全盛期にあたります。
この金利の動きに反応し、1989年末からアメリカの不動産価格は下がり続けてその下り坂は1996年末まで続きました。
この時期にアメリカ東海岸や西海岸で不動産投資を行った場合が、後のアメリカの不動産バブルを考えた時に最もキャピタルゲインが大きい時期となります。
私(佐藤)が管理する物件の中にはこの時期に購入したものも多く含まれており、今日までに1軒あたり数千万単位のキャピタルゲインが出ています。キャピタルゲイン狙いであれば、近年のアメリカでもっとも資金を投入するべき時期でした。
ただし、キャピタルゲインの恩恵に預かっている私(佐藤)自身もキャピタルゲイン狙いは流動性の低い不動産には合わないと考えています。
あくまで不動産は新築に近い物件を長期に保有することが長い目でみると正しく、キャピタルゲイン狙いよりもキャッシュフロー狙いの長期投資の方が適しています。
このあたりは項を改めてその証拠を数字で検証してみたいと思いますが、価格の乱高下を利用するサヤ取り的な儲けはデイトレーディングといった純粋な短期取引にお鉢を譲るべきだと思うのです。
③ITバブルへの対策期
クリントン大統領の時代は経済が絶好調でした。
- 不動産価格上昇傾向
- ITバブル
この2の機運に恵まれ、クリントン大統領のリーダーシップはそれなりに信頼されました。おかげでモニカさんとの個人的な不祥事などその実績にほぼかき消されるくらいだったのです。
ところがITバブルが弾け、にわかアメリカ経済にも混乱が起きました。物価指数そのものは健全な推移にありましたが2000年末 から金利を一気に下げ、低水準を保っています。
この金利の動きを受け、不動産価格はぐんぐん上昇していきます。
ところがこの動き、少し考えれば不審な点がいくつかあります。
2001年にはブッシュ大統領が最初の大型減税を初めており、これはITバブルで疲弊感が残るアメリカ経済を元気にさせる狙いがありました。この大型減税が不動産にも効いて、不動産バブルに一気に進んでいきます。
まさに不動産業界を元気にしてアメリカ経済全体を刺激するブッシュ大統領の狙いどおりではあったのですが、普通に考えれば容易に予想されるバブル傾向を抑えるためにも金利を上げてもよいはずです。
ところが不動産バブルを助長するかのように金利は下がり続け、2003年12月には1%を割り込むところまで金利は下がりました。
このイケイケムードが祟り、「サブプライムローン問題を考えてみる」でも書いたように住宅ローンの中でもサブプライムローンの割合が破竹の勢いで伸びていき、3年後のサブプラム問題から発生したリーマン・ショック、そして世界金融危機へと突入していくことになるのです。
こうして見ると、返すがえすもアメリカの不動産バブルとその後の世界金融危機は人災だったことがよく分かります。
④景気回復への対策期
ITバブル崩壊に端を欲する不景気は収束し、経済が堅調に動き出したとして2004年6月から再び金利が上昇し始めました。
ここで注目するべきは、金利はどんどん上がっているにも関わらず不動産価格は加速して上がり続けている点です。
前述のとおりブッシュ大統領の大型減税から不動産バブルに一気に火がつき、その勢いを止めるに金利政策は出遅れすぎており(あるいは意図的に)、サブプライム問題による不動産価格下落の時期までその傾向は続くことになります。
まとめ
このように見てくると、不動産価格は通常は金利の動きに大きく影響されることが分かります。
金利が上がってくると一定のところで不動産価格は下がり、(①と②)
金利が下がると不動産価格は上がってくる傾向にあるのです。(③)
ところが心理的な欲望も手伝って不動産投資が加熱しすぎる時、金利上昇は関係なく不動産価格は高騰していくことがよく分かります。(④)
結果として、将来の不動産価格を読み取る上で過去から学べる教訓は
「金利が上がり続けるにも関わらず、不動産価格が上がり続ける時期が最も危ない」
ということが言えそうです。
明日からは本日までの検証結果から、現在の不動産価格傾向と未来の不動産価格傾向についてお伝えさせて頂きます。
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