こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アーカンソー州の州都、リトルロック市の不動産市場検証シリーズの最後になります。
昨日までに「不動産投資としてのリトルロックの物件は買いか?」について、不動産需要の三大要素
人口
人口動態
雇用・賃金
を調べたところ、リトルロックはメンフィス以上に堅調かつ将来の安定度が高いことが分かりました。
かつ賃貸市場としては家賃の上昇も非常に揺るやかで、持ち家率は最新データの2015年で57.1%とほぼ半数は賃貸物件で暮らしていますから、不動産投資物件を所有した場合の賃貸需要には困らないことが予想されます。
これらの要素を鑑みると、まずもってリトルロックはキャッシュフロー狙いの不動産市場としてはメンフィスと同様に優等生の部類に入ると見て間違いありません。
そこで、リトルロック検証シリーズの最後となる本日は
「リトルロックのどのエリアの不動産物件を購入するべきか?」
についてお伝えさせて頂きます。
リトルロックで投資に適したエリア
不動産の世界ではよく
「ロケーション、ロケーション、ロケーション(場所、場所、場所)」
と言われます。一にも二にも三にも場所が大切、というわけです。
いくらメンフィスやリトルロックのように不動産需要の三大要素を満たしている街だからといって、中心から甚だ離れた場所では流石に賃貸需要は低くなるでしょうし、日常の生活品を手に入れるにも苦労するような場所では、同様に需要(ひいては物件価値)が低くなるものです。
日本の例で言えば、東京山手線内では古いホテルでもそれなりの宿泊料が取れるように、立地さえよければある程度お粗末な状態でも賃貸需要は出てくるものなのです。
けれども、この場所が大切という概念に私(佐藤)の場合は物理的な立地条件のみならず「治安」も加味しています。
私(佐藤)自身は人種に対する差別意識は全くの皆無ですが、それとは別に不動産物件選定においては「治安の良さ」は常に条件に入れています。
はっきり言ってしまえば、治安の悪い地域は最初から対象に入れません。
なぜならアメリカでは地域と治安の相対関係は日本のそれ以上にハッキリしており、
「治安 ≒ 不動産価値の変動」
の式が成り立つからです。
また治安の悪い地域の物件では当然家賃も安く、入居者の質も相応の家賃が支払える人々ということになります。
私(佐藤)は全人種に等しく友人がいますし、誰に対しても差別意識はないのですが、
「家賃が安い物件の入居者は素行が悪い傾向がある」
という事実は否定できないのです。
素行が悪いということは物件を荒く使われる可能性も高まり、本項の趣旨から外れますので詳細は割愛しますが、住居を信じられないような使い方をされることが多々あるのです。
不動産投資は採算がとれないボランティア行為とは違いビジネスですから、あくまでそのあたりはシビアな見方をしなくてはなりません。
そうすると、どうしても一定額以上の家賃を期待できる治安のよい場所を選ぶ必要があるのです。
不動産投資の条件としてはリトルロックは非常に安定して手堅い市場であることは間違いありませんが、実はリトルロック自体はそもそも治安がそれほどよくない都市です。(このことはメンフィスも同じ)
そのため、リトルロックに投資する際は街の中でも治安のよい場所をよく見極めなければなりません。
ここでリトルロックの犯罪率を見てみましょう。下記の地図をクリックしてください。
リトルロックの犯罪率
薄い紫が犯罪率の高い地域、濃い紫が犯罪率の低い地域です。どのあたりの物件を狙うべきか、一目瞭然に分かりますね。
リトルロックに限らず全ての都市に言えますが、ダウンタウンは比較的治安が悪いのものです。
その意味では案の定、リトルロック空港近辺とダウンタウンは犯罪率が高いようです。この辺りの地域への不動産投資は避けなくてはなりません。
それでは、比較的治安のよい地域でもどこがリトルロックに不動産投資を行う上で最適な場所か?というと、私(佐藤)はここを一押しします。
Zillow.comで検索したリトルロックの賃貸物件の数々です。
二つの赤丸をつけていますが、投資の意味では外丸の内側が安全圏、そして内丸の内側は更に安全圏です。
地域としてはこの赤丸の周辺は上記の犯罪率マップから分かるように、リトルロックの中でも安心なエリアになりますが、その中でも投資の意味で安全とは「賃貸に人気の場所で、ターンオーバー(住居人入れ替え)が発生したとしても、空室期間が短い可能性が高い」ということです。
「なぜこの場所なのか?」というと、この内側の赤丸内にはフリーウェイ430とフリーウェイ630の分岐点があることに注目してください。
縦にフリーウェイ430が走り、そこから東に向かってフリーウェイ630が伸びています。このフリーウェイ630は一気にダウンタウンにまで伸びていますから、この地域からダウンタウンへ行くには便利この上ない一本道です。
フリーウェイ430を使って北上すれば北リトルロックに一直線ですし、東に走ればそれこそダウンタウンに通勤する方には一直線となります。
アメリカは車社会ですが、とりわけリトルロックのような田舎の州では車は必須ですし、フリーウェイに近いか否かはとても重要視されるのです。
そして極めつけはこれ。
衣食住に必要な衣と食が地域周辺にゴロゴロあります。
健康食品嗜好者用の本年アマゾンに買収されたホールフーズ、庶民の味方ウォルマートとサムズクラブ(笑)、日本食、中華料理、アメリカンチェーンレストランと、食生活には全く困らない地域であることがよく分かります。
とりわけウォルマートやホールフーズといった大手はご近所のニーズをよーく研究して出店していますので、これらの大手が出店していることからも、この近辺は居住区としては外さない可能性が高いのです。
このように治安に加えて
- フリーウェイに近い(車での移動が便利)
- 衣と食の用事が近所で完結する
これらは大切なポイントとなります。
まとめ
何もリトルロックに限ったことではありませんが、ご自身が不動産投資を行う際はこのように
- 地域の治安
- 交通が便利か
- 衣と食に便利か
も検討事項に入れておきましょう。
全ての投資活動がそうであるように、不動産投資を行う上でも過去の統計をよく検証して蓋然性を推し量り、その投資が成功する確率を上げていくことがキモになります。
これらの検討事項は教科書に出てくるものではありませんが、少なくともあなたの不動産投資の成功率に大きく影響を与えてくる素因数であることには間違いないのです。
ちなみに、本日までにお見せしたリトルロック不動産市場検証シリーズのデータは全て、インターネット上であなたのパソコンからでも確認ができるものばかりです。
投資先を検討する上では、不動産投資の専門家でも実際の物件を見るまでに9割の調査はインターネット調査と電話で済ませています。(本当です)
あなたもプロの不動産投資家になったつもりで、Google ストリートビューも併用してインターネット上で不動産投資の仮想視察をされてはいかがでしょうか。
仮想視察を繰り返せば繰り返すほど、ご自身の不動産市場を見極める精度は高まり、どの都市を見てもすぐにイチオシの投資エリアが判断できるようになってくるはずです。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。