こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
20世紀内に世に登場したインターネット技術は急速に世の中に普及し、私達の生活をありとあらゆる面から変えていきました。
息子たちは2歳にもならない時からスマートフォンを指でシュシュと扱い、その他アプリをすっ飛ばしてユーチューブを立ち上げで自分で幼児番組を見ていますからね。。
ああいう光景を見ると、
「お前たち、人類を滅ぼすAIの作成に携わるんじゃないよ。。」
と思ってしまいます。
このような通信技術の向上は不動産業界にも漏れなく影響を与えました。
日本でも知られているレッドフィンはこのインターネット技術革命があったからこそ、サービス性の向上と認知度を飛躍的に高められています。
レッドフィンはインターネット革命なしには世に登場しなかった、といっても過言ではありません。
そしてレッドフィンのような不動産売買業者にもたらした恩恵もそうですが、それ以上に不動産業界としては「不動産管理」面において、かなりの恩恵を受けています。
例えば「不動産管理ソフト」なるものはインターネットが世に登場してから開発と改良が進められてきましたが、ここ近年、私(佐藤)の感覚では2010年を過ぎたあたりから、とりわけクラウド技術が一般的になり始めてから加速してきているように思います。
不動産管理ソフトの市場規模はどれくらいかというと、
2010年 〜 2015年
の間の売上が
58 Billions ($1 = 100円の単純計算で5兆8千億円)
なのです。。
ここから2018年をとおり、向こう2020年まで更に市場が成長していくことが見込まれ、その規模はどんどん膨らんでいます。
つまり、
「各不動産管理会社は不動産管理ソフトの導入をほぼ完了し、市場は更に成長し続けている」
段階と見て間違いありません。
このようにインターネット技術の恩恵を受けている不動産業界について、その断片をお伝えさせて頂きます。
スピード感のなかったアナログ時代
過去と現在を比較する上で実例をあげますが、昔の不動産仲介はそれは不便なものでした。
不便とはいっても今から見れば不便と感じるだけで、その当時はそれが当たり前だったのですが。。
例えばそもそも問い合わせをする側にしても、売買であれ管理であれ、不動産関連会社を探すのには
電話帳
紙媒体広告
しかありせんでした。
かつ、問い合わせする手段は
電話
のみです。
そして、物件に対しての問い合わせ内容は
- どのような建物か
- 正確にはどこに位置しているのか
- 周辺の環境はどうか
- 物件のサイズは
- 物件の部屋数は
- 築何年なのか
- キッチンに使われている素材は
- 洗濯機と乾燥機はついているのか
等など、これら1つひとつに電話で答える必要がありました。
そして
「物件を実際に確認したい」
ということであれば時間を待ち合わせて現場で落ち合い、そこで最低でも30分〜1時間かけて物件内を紹介する必要があったのです。
しかも大概は最初の物件で決めるということはなく、時間の許す限り数件まわり、それでも決まらないことはザラにあったのです。
今考えてみると実に無駄の多い時間と動きでしたが、当時はそれが不動産業としては当たり前でした。
不動産業界のあり方を大きく変えたネット技術
現在の物件に対する問い合わせはどうなっているかというと、
「電話での問い合わせが激減」
しています。
過去には最初から最後まで電話で応答していたものが、電話での問い合わせがほとんどなくなったことは驚くべきことです。
実際のところ、物件希望者は大概はネット上で必要な情報を全て取得しています。
それどころか、その物件を取り扱う業者が出している基本情報以上に
- 過去の取引価格
- 過去に支払われた固定資産税
等、あらゆる情報を自分で引っ張ってこれるのです。
ここまでの情報開示は日本ではまだ整備されていないかもしれませんが、情報開示はかなりのレベルまで進んでおり、すなわち透明度が高くなっているおかげで、取引の安全性が高まっているのです。
そして物件探しについて、顧客と業者のお互いにとって時間と労力を省く結果となるキモは
- 物件に関する情報開示
- 高品質の写真
- ビデオツアー
の3つです。
物件に関する情報開示
前述ともかぶりますが、その物件に関する情報は徹底的にネット上で開示されている必要があります。
このあたりは zillow.com等で検索して頂ければ、たった今でもその物件情報の詳細さを確認していただけるかとおもますが、住所や物件の特徴といった基本情報は当たり前のこと、
物件の適正価格
過去の取引履歴
賃貸に出す場合の家賃相場
今後の価格上昇の予想
ローンを組む場合の返済シュミレーション
等、ありとあらゆる情報が開示されています。’
このように、検索する人々が完全に満足するまで(電話する必要がないくらい)情報を徹底的に開示する必要があるのです。
このあたりはAIの得意とするところでしょうから、ここからまだまだ加速して利便性は向上すると思います。
高品質の写真
物件写真が掲載されていることは当たり前ですが、
「高品質の写真」
が掲載されていることは大切です。人の目には
写真品質 = 物件状態
と写りますから、物件内外の写真は極力高品質のものをアップしておく必要があります。
高品質すぎて物件の実際の状態以上に綺麗に写り、顧客が実際の物件をみて
「なーんだ、大したことないな」
と感じることはありますが、それでも伝えられるべき物件の良さが伝わらないよりは、はるかにマシなのです。
ビデオツアー
このビデオツアーはもはや必須に近くなりつつあります。
昔であればエージェントとアポイントメントをとって現場で会い、自分の目で物件を確かめて頂いたものでした。
ところが今はビデオそのものもかなり高品質になっていますから、撮影のプロではない不動産エージェントでも機材さえもてば、高品質のビデオツアーを用意することが出来ます。
映像として物件の内外をくまなく撮影し、どんな雰囲気なのかを伝えることが出来れば十分です。
これによりエージェントと顧客の双方が現場で会って確認するという時間と労力を省くことが出来、無制限に何回でも、誰でも、どこからでもビデオツアーを通して物件を確認することが出来るのです。
このビデオツアーはかなりの効果があり、例えば遠隔から引っ越してくる人は引越し先の物件を確認することはコスト的にも時間的にも難しいですから、このビデオツアーで物件を確認するだけで賃貸を決める場合がよくあります。
まさにインターネット上で情報確認・閲覧・申し込みの全てが完了してしまうのです。
その為、この点に気づいている不動産管理会社等はビデオツアーを必須としており、成約度を飛躍的に高めています。
その意味ではレッドフィンの3D内覧サービスも同様の趣旨で導入されていると思います。
ビデオツアーのシステムを導入することが成約率を上げることをレッドフィンはよく理解しているのでしょうし、実際に物件購入を検討する人々はこのビデオツアーをよーく見ているものです。
まとめ
このように、インターネット革命は不動産業界にも大きな変化をもたらしてきました。
その影響は実に甚大で、これからもますます世の通信技術向上と同時に利便性が高まっていくと思います。
実際、この項でお伝えしきれていない不動産管理技術においては不動産売買契約以上にインターネットが利便性をもたらしています。
後の世においては恐らく、AIやブロックチェーン技術が不動産物件権利の保護や管理に大きく活躍してくるのではないでしょうか。
そうするとエージェントとしては、AIにはなかなか到達できないだろう感性面を磨き続ける必要がり、不動産業の中でもコンサルティング業で生き残っている必要があるように思うのです。
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