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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ経済の中でも最も中心的な役割を果たしているのが連邦準備制度(FRS)です。
そして連邦準備制度の中でその意思決定において最も重要な役割を果たすのが、連邦準備制度理事会(FRB)と呼ばれる審議機関です。
つい数日前、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル新議長が
「さらなる利上げが最善」
と発表していましたね。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180228-00000001-jij-n_ame
昨日、資本主義社会において経済を善循環させるキモは
マネーサプライ(政府と金融機関以外の、国内を周り巡っているお金の総量)
と
マネーコスト(利子や手数料等の、お金を使うことで発生する費用)
の2つを如何にコントロールするかにかかっている、とお伝えさせて頂きました。
そして各政府機関を統括して、これら2つをコントロールするにあたり最も重要な機関が働きをするのが連邦準備制度(FRS)であり、その中心となる意思決定機関が連邦準備制度理事会(FRB)なのです。
(注:連邦準備制度は民間企業です。株主は開示されていませんが、各主要金融機関の代表により構成されています)
それだけに連邦準備制度理事会(FRB)の決定(主には金利政策)はアメリカ合衆国のみならず世界中の経済に影響を及ぼしますから、上記のニュースのように金利変動のニュースだけでも、世界中で騒ぎとなるのです。
この連邦準備制度と連邦準備制度理事会について、本日は深堀していきます。
連邦準備制度(FRS)とは
連邦準備制度(FRS)はアメリカ合衆国の「財務マネージャー」ともいえる存在です。
各国の貨幣は該当国のとりわけ経済面の安定度により「信用」が付加され、その信用によりその国の貨幣価値が定められてきます。
財務マネージャーとしての連邦準備制度(FRS)は国内のインフレやデフレに対応すると同時に、国外に対する米ドルの価値の信用を保つ役割を担っているのです。
アメリカ国内に向けては、国内経済の改善を目的として
- 国内雇用率の向上
- 国内経済成長
- 国内消費レベルの向上
等を担う役割もあります。
これらの動きについては、連邦準備制度(FRS)は常にその成果と方向性をホームページ(www.federalreserve.gov)を通じて公に常時公開しており、これらの開示情報には
- 消費者金融調査
- 世帯収入を含む、各種調査の発表
- 連邦諮問委員会のミーティングレポート
- 理事会のミーティングレポート
等も含まれています。
連邦準備制度(FRS)の目的
連邦政府そのものは1913年、当時の第28代大統領ウッドロー・ウィルソンにより連邦準備法が署名され設立されました。
この法案の従来の主な目的は、
- コマーシャル・ペーパー(commercial paper)の販売とディスカウント
- 国内金融機関の活動の監督
でした。
(*コマーシャル・ペーパーとは企業が短期で資金調達するための無担保借入証書です)
そして連邦準備制度(FRS)の活動が軌道に乗るについれて、その役割はマネーサプライとマネーコストの調整にも及ぶようになり、米国民の生活に非常に大きな影響力を持つようになっていったのです。
かくして、アメリカ合衆国の中央銀行機能として連邦政府は長期的にアメリカ合衆国民の生活基準を引き上げていく為に、十分なお金と信用創造を試みる役割を担ってきました。
短期的には、連邦政府はデフレあるいはインフレの影響を最小限に抑えるべく、その政策の調整を常に行ってきたのです。
また、アメリカ合衆国内の融資資金はこの連邦準備制度(FRS)からその大元が供給されており、それだけに全ての融資機関の大元締めともいえます。
その為融資機関の最奥機関として、連邦準備制度(FRS)は国内流動性の危機と金融混乱を抑える試みにおいて有効な施策に対する責任を負っているのです。
近年の金融危機の場合
例えば2007年夏頃から始まったサブプライム問題を発端とする一連の金融危機への対策として、この時に連邦政府は
- 主要金融市場の危険株の指定
- 問題を抱える重要な機関への信用付与
- 長期金利を低く抑える
等を目的とした特別プログラムの導入に踏みきっています。
金融危機への対策
最初の重要なステップは、連邦政府による金利レートを当時の5.25%から実施の0%に引き下げることでした。
2012年9月13日、連邦政府はゼロ金利を2015年まで継続し、そこから2016年に向けて2%以下に抑えることを発表しています。
(2018年2月下旬時点でも1.42%の低金利が続いています)
その他のプログラムもまた金融機関の流動性のサポート、そして金融市場状態を改善する為に開始されました。
量的金融緩和政策(Quantitative Easing)
それらのプログラムの中には日本でもよく聞く量的金融緩和政策(Quantitative Easing)もあり、
連邦政府は
- 政府保証
- 住宅ローン担保証券
- 米国財務省長期証券
というような長期保証商品を買い取り、市場操作の伝統的な手法を拡充しています。
この時の量的緩和政策は
「失業率が6.5%を下回るか、インフレ率が2.5%以上になるか」
まで継続される予定で開始されました。
結果として2008年から2011年にかけて、連邦政府は銀行と政府による借金の購入に実に2兆円以上を費やしています。
この結果、2014年半ばまでには当初の量的緩和政策の目的達成に近いところまできました。
そして2014年10月29日、連邦政府はついに「これ以上の債権購入の必要はなく、各特別プログラムの実施を終了させる」ことを宣言したのです。
まとめ
このように、アメリカの連邦準備制度はアメリカ合衆国内の(ひいては世界の)経済を善循環させ続けるべく、あらゆる働きを担っています。
とりわけ前述のような有事の際には緊急に対策を制定し、事を収めるべく必要な対策を長期に渡り取り続けるのです。
この2007年以降に始まった金融危機の際は連邦準備制度(連邦準備制度理事会)の施策により混乱を収束させることが出来ましたが、その後2010年7月21日にはドッド=フランク法(ウォール街改革および消費者保護法)が制定され、結果としては連邦準備制度理事会がそれ以前よりも増して、より大きな規制を敷く権限を有することとなりました。
現在では3000以上の連邦政府会員金融機関に加え、17000以上の非会員商業銀行、貯蓄銀行、貯蓄と融資協会、信用組合に対しても責任を負う存在となっています。
これらの非会員金融機関は直接的には連邦準備制度の一部ではありませんでしたが、この法案により実質的には全ての金融機関が連邦政府の監視下に置かれることになったのです。
明日は連邦準備制度の組織構造について、深くみていきます。
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