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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日は
「基本、不動産物件では長期投資・長期保存がよい」
とお伝えさせて頂きました。
資産とは一つの「力」です。
そしてアメリカの不動産市場に良し悪しの波はあったとしても、不動産需要そのものは相対的に伸び続けていきます。
それならば、砲台や空母を着実に一つひとつ増やすかの如く、自身の資産に力をつけ続けた方が長期的には資産力がモノをいうようになってくるのは必然の理です。
ましてやそれらの砲台や空母は価値が上昇し続け、例え大きく下落したとしても長期スパンでは価値が回復する可能性が非常に高いですから、いよいよ長期保持しておかない手はないのです。
事実、昨日もお伝えした通り不動産で財をなしたアメリカ人を見てもそのほとんどの投資家は「長期保存」のスタイルを取っています。
結局のところ、不動産物件は長期保存した方が長期的には得が多く、ミリオネアに近づく一番の近道であることが証明されているわけです。
とはいえ、状況によっては
「どうしても物件を手放す必要がある」
という場合もあると思います。
- 取り壊すほどではないが、自分の手には負えないほど経年劣化がひどい
- 現金化して他に充てる必要がある
- 不動産投資そのものから手を引く必要がある
など、様々な理由で物件を手放すことを決断する場合があると思いますが、このような時はどのように物件を整理するべきなのでしょうか。
複数世帯物件を例に、物件販売のコツをお伝えさせて頂きます。
投資家は収益率を見る
当然ながら、不動産投資は「投資行為」である以上は投資家が重要視するのは収益率です。
あなた自身も物件を購入する時は
「ここの見晴らしは素晴らしい!」
「この物件のデザインは洒落てて気に入った!」
という感性よりも、
「投資として成り立つのか」
「収益率はどの程度なのか」
というような、あくまで数字に裏打ちされた論理的な判断で購入するはずです。
そこで、物件を売却する時にはあくまで投資家の目線に立って
「投資として成り立つか」
「収益率は十分にあるか」
という数値の面で際立たせて、プレゼンテーションを行う必要がああります。
そして最も目立たせるべき数字は、
将来見込み収入(future potential income)
です。
たった今その物件が毎月回収する家賃収入とその他の収入(駐車場やコインランドリー等)のことを現在収入(current income)といいますが、プロの投資家達が見ているのは
現在収入(current income)
ではなく、
将来見込み収入(future potential income)
なのです。
もう少し噛み砕いて書くと、投資家が見る数字は
「現在、いくらの収入が入っているのか」
という実情の数字には違いなく、
「たった今この収入が実現している、ということはこの家賃が続く可能性はある」
と見る、という意味です。
この「たった今の収入」を「将来見込み収入」と見られるところがポイントなのです。
分かりやすく例をあげてみます。
家賃を適正値に戻す
一戸建て物件であれ複数世帯物件であれ、その不動産物件を保有する期間において
「最初から最後まで、入居状態/満室が続く」
ということはあり得ません。
一戸建てあればターンオーバーの時期は必ずありますし、複数世帯物件であれば空室がでる時期は必ずあります。
そこで一戸建て物件であれ複数複数世帯物件であれ、家賃設定はオーナーの自由ですから
「入居状態/満室が続くように、家賃を市場よりも安くしよう」
という、安い家賃で魅力をつけるテクニックは大いにあり得る手法です。これにより物件の運営時には家賃を下げることで入居状態/満室を保つわけです。
けれども、いざ売価する前には多少収益が下がったとしても家賃は市場平均に戻した方がよいのです。
真実を言えば、
「物件の売却額を最高にする為には市場家賃に合わせて将来の収益性を高める」
ことが大切であり、複数世帯物件であればむしろ、いくつかの空室があった方がよいのです。
実際のところ、物件購入を検討する投資家達は
「満室の物件がほしい」
などとは最初から思っていないものです。
自分に置き換えてもそうですが、たとえば
「15室ある中の80%が入居中です。」
と言われた時に
「12室入居中なら適正だな。」
と思うものであり、仮に満室の場合は
「家賃が市場平均よりも安いな。」
と足元を見られることになります。
無理に満室でよく見せるよりも、家賃を平均市場に合わせて将来性を見せた方がよいのです。
数値シュミレーション
数字で例を上げてみます。
例えば20戸の複数世帯物件があったとします。
1戸の家賃が$800であるべきところを、市場家賃価格よりも$35安くして$765に設定したとしましょう。
この場合、満室の場合は月に$700($35 × 20戸)損しており、年間に$8400($700 × 12ヶ月)損している計算となります。
それでも$35安くして見事に満室となった場合と、市場家賃価格のままで80%の入居率だった場合とを比較すると
$35家賃を下げて満室になった場合の年間収入
$183,600($765 × 20戸 × 12ヶ月)
市場家賃価格のままで80%の入居率だった場合の年間収入
$153,600($800 × 16戸 × 12ヶ月)
となり、確かに家賃を下げた方が収益性は高まりますので、運営期間中はこの値下げ判断は正解となります。
ところが、物件を売却する際にはこのことが裏目に出ることになります。
なぜなら、物件価値の計算は
物件価値 = 総収益 ÷ キャップレート
の計算式で行うのが一般的だからです。
この「総収益」の部分がポイントですが、ここの数値には「現在収入(current income)」が使われることになります。
例えば現在家賃が$35値下げしている場合は
物件価値 = ($35値下げされた家賃から算出される年間収益) ÷ キャップレート
となりますから、どうあっても家賃を値下げしている以上は、物件価値が下がってしまうのです。
結果として、売買交渉は事実に基づく数値で交渉がなされますので、必ず買い主に買い叩かれることになってしまいます。
そこで、物件を売却する際には2つの方法
- 更新時に家賃を市場平均家賃まで値上げする
- 空室を市場平均家賃で入居させる
をもって、家賃を調整する必要があります。
当然、この方法を取ることでそれまで満室だった物件の空室率が高まることが予想されますが、それはここでは問題ではないのです。
前述のように
現在収入(current income)
が
将来見込み収入(future potential income)
に繋がって見えますから、この将来見込み収入をよくすることの方が大切なのです。
何よりも、現在収入そのものが物件価値の算出に使われてしまいますから、物件を売却する時は自分のキャッシュフローを考えるのではなく、投資家目線で将来見込み収入(future potential income)をきちんと整えることを心がけましょう。
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