こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
「不動産投資で利益を上げる為には、どの数字が大事なのでしょうか」
というご質問を初心者の方から頂くことがあります。
キャップレート
キャッシュ・オン・キャッシュ
リターン・オン・インベストメント
等の小難しい言葉が並ぶ中で、どこに焦点を置いたらいいかよく分からない、という初歩的なご質問です。
初歩的ではありますが、不動産投資全体を理解する上では極めて根本的な、核心をつくようなご質問だと思います。
この辺りの話はこちらでも書きましたが、キャップレート等の数字はあくまで判断基準の尺度です。
判断基準はあなたの目標ではなく、あくまで投資判断をする上での基準以上でも以下でもありません。
それ以前に、あなたが不動産投資する目的は
「富を殖やすこと」
という、当たり前の目的があることを忘れないでください。
「不動産投資で利益を上げたい」とは「富を殖やしたい」ということに他なりません。
そして不動産投資を通して自分が持つ富を殖やしていくということになると、不動産投資には大分けて4つの手法があります。
富を増殖させる4つの方法
自分の手持ちのお金を不動産投資を通して殖やしていきたいのであれば、その方法は下記の4つしかありません。
それは
Appreciation:物件の価値上昇
Cashflow:キャッシュフロー(現金流量)
Tax Saving:節税
Loan Paydown:ローン返済(レバレッジ)
です。
この4つが、いわゆる不動産投資を通して富を増殖させる四大源力と呼ばれるものです。(命名者、佐藤。。)
キャピタルゲインであれエクスチェンジであれ、付属的な富の想像はいずれも上記の四大源力のいずれか、あるいはその組み合わせから派生したものに過ぎません。
そこで冒頭の
「不動産投資で利益を上げる為には、どの数字が大事なのでしょうか」
とのご質問のお答えですが、不動産投資の本質を見極めると、上記の四大源力の中で最も大切なのは間違いなく「キャッシュフロー(現金流量)」です。
それ以外の3項目についてはまた日を改めてお伝えさせて頂きたいと思いますが、今日は不動産投資の利益の中でも最も着目するべき「キャッシュフロー(現金流量)」について深堀してみましょう。
キャッシュフロー(現金流量)とは
池を想像してみてください。
あなたが自身が所有する池がそこにあり、そこには水の入り口がついています。
水の入り口からは常に水がソヨソヨと流れ続け、池の中に水が溜まっていくのです。
そしてこの池には水の入り口のみならず、水の出口もついています。
水をどんどんためて池を無限大に大きくしていきたいところですが、そうは問屋が卸さず、池を健全に大きくするためには水の出口から然るべき水の量を外に出す必要があるのです。
水の出口を完全に塞いでしまった場合は?
まず間違いなく、あなたは法的に池そのものを所有することが許されなくなります。
。。。
これが現金(キャッシュ)の流れです。すなわち、この例えでは
池 ... 不動産物件
水 ... 現金
水の入り口 ... 収入
水の出口 ... 支出
となります。
水の入り口に相当する収入としては、通常の戸建て物件であれば家賃が主になりますね。
これが複数世帯になると駐車場代、コインランドリー、管理料ということもあります。
そして水の出口に相当する支出としては、住宅ローン、税金、保険、空室期間の損失、修繕費用、資本経費、光熱費等があります。
結果として、現金収入の総和から現金支出の総和を差し引いて手元に残った現金を「キャッシュフロー」と呼ぶのです。
そしてよく投資家が表現する
「The cashflow of this property is pretty good!(この物件のキャッシュフローはいいね!)」
とは、当然ながらキャッシュフローが黒であり、その成績が良好である意味になります。
そしてこのキャッシュフローの指標こそが、あなたが自分の不動産投資において最も着目しなくてはならない数字なのです。
買いか否かはキャッシュフローで判断する
投資物件を購入するか否かを決める基準は間違いなく「キャッシュフロー」でなくてはいけません。
キャップレートが何パーセントだの、キャピタルゲイン見込みがどうだの、そのような数字は対象とする不動産市場や物件の種類でいくらでも変わってきます。
何も不動産投資に限ったことではなく、他の投資種類は元より通常のビジネスでも同じ話だと思いますが、根本的に大切な考え方は「生き残ること」です。
派手に儲けるけれども派手に失う可能性もあるハイリスクハイリターンの投資など、手持ちのごく安全な資金範囲で行う分には結構なことですが、派手な結果を狙うよりも着実に収入を入れ続けることの方がよほど大事です。
いわゆる、キャッシュフローはあなたの不動産投資において生命線ですから最も大切な指針と心がけて下さい。
そこで、物件を選ぶ際にもこのキャッシュフローを最も大事な数字としてみますが、当然ながら将来のキャッシュフローを100%予想することは誰にも出来ません。
それでも
過去のキャッシュフローの記録
近所の類似賃貸物件の統計平均
から、先のキャッシュフローは十分に予想できるものなのです。
そして卓上で対象物件の将来の見込みキャッシュフローを見つめて、核心が持てるレベルの物件を購入して可であり、数字上で少しでも心に不安が残るようなキャッシュフロー成績であれば、購入を見送らねばなりません。
加えて、生き残る為にはこのキャッシュフローをいかに最大化することが鍵になるわけですが、支出の中には「避けられない固定費」がいくつかあります。
上記の中でいえば
固定資産税
保険
住宅ローン
の3つであり、この中でも毎月発生するものは「住宅ローン」です。
この住宅ローンは固定費かつ毎月発生する為に、どうしても毎月のキャッシュフローを食い潰してしまいます。
しかもローン返済期間の最初の段階では支払っているのは利息がほとんどであり、元金はほとんど減っていきません。
これが理由で、私(佐藤)は常々不動産投資初心者の皆さまには
「せめて最初の一軒目は、1000万円台で購入できる戸建てを現金で」
とお薦めしているのです。
繰り返しますが、不動産投資でも大切なのはあくまで「生き残ること」です。
最初の一軒目を現金購入するか否かで、その後の投資成功率は大きく変わってきます。
不動産投資ではキャッシュフローを最も大切にすると同時に、せめて最初の一軒目は現金で購入することを心がけてください。
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