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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
数年前のことですが、アメリカ人と結婚して渡米し、アメリカで暮らしていた知り合い女性がお亡くなりになりました。
それなりのご高齢で数名の子供たちと複数のお孫さんがいらっしゃり、幸せな大家族と築きあげていらっしゃったのです。
ご主人は先に他界された為に、その女性が亡くなられた後は遺産を子供たち(とはいっても50代)が引き継ぐことになりました。
お孫さんを含めて結構な数の為に、遺産の一つである自宅に関してはいかにするべきか話し合いがなされましたが、結局は子供の中のお一人がその家に暮らすことで話が決まり、今でも自宅と所有地を守っていらっしゃいます。
このように遺族間で話がスッキリと決まり、わだかまりなく遺産相続の全てがスムーズに処理できれば問題ないのですが、実際はそうスムーズにはいかないパターンが多いのが現実です。
いわゆる、相続権を持つ遺族にとっては今ままで自分にとって存在していなかった大金の関わる権利がある日突然目の前に現れるわけですから、
大なり小なりの我欲が芽を出して主張をし合うことになり、子供時代の兄弟げんかさながらの様相が再現され、特に複数兄弟の場合は子供の頃の兄弟間派閥が復活するのです。
このような、子供たちによる両親が所有していた自宅の相続に関してはどのように処理するのがベストなのでしょうか。
私(佐藤)自身は不動産弁護士ではありませんので専門家の見解を表すものではないのですが、子供による自宅の相続について最善の方法を、経験論からの参考までにお伝えさせて頂きます。
最善の方法は売却
子供時代とは違い、兄弟はそれぞれ大人になって自分の家庭を持つようになります。
独身のままで過ごす人もいれば、あるいは州外に出て兄弟ばらばら遠く離れた場所で暮らすこともよくあることです。
そんな中で両親が亡くなり、いざ両親共に他界した後で相続する家をどのように処分するのが適切なのでしょうか。
兄弟の中の一人が両親と一緒に暮らしていた、あるいはそうでなくとも兄弟の中の一人がこれから暮らしたいと申し出て全ての兄弟が同意するのであれば話は別ですが、そうでなければやはり「売却」するのが最善の方法だろうと思います。
兄弟が多ければ多いほど意見は異なってきますから、形あるものに対して複数が意見を出すよりも、現金化して平等に分配する方がよほどスッキリするのです。
出来れば避けたい、強制売却の手法
そうすると、理想としては兄弟間で満場一致で売却に賛同してくれることが理想ではありますが、兄弟が多い場合は大抵は一人は
「家はそのまま所有するべき」
と主張する方がいるものです。
「売らずに保有して、賃貸に出して利益を出し、更に物件価格が頃合いになった時に売った方がよい」と主張するのです。
これはこれで筋が通る話のように聞こえますが、実際には現金化せずに形あるものを残し続けているとトラブルの種を残すことになるものです。
まず具体的にあげられるのが「誰が管理するのか」という問題ですが、不動産管理自体は専門会社に委託すればよいものの、
「誰が管理会社と連絡を取る中心者になるのか」
あるいは
「管理会社から修繕関連の決断を迫られたら、誰が決断するのか」
等の、遺恨の原因になりかねない問題が物件の保有期間中には度々発生してくることになるのです。
そんな中で、「物件に大掛かりな修繕が必要になり、○千ドルかかる見込み」なんて話になれば最悪を極めます。
「だから俺は売却しろと言ったんだ!」
等の「たら~、れば~」論になり、兄弟間で争いとなり大きな遺恨を残すことにもなり兼ねません。
そうなる前に、物件を売りなくない兄弟は残りの兄弟分に対して市場価格と分配率から計算できる額を支払って自分の所有名義にすることも考えらえますが、これはあくまでその兄弟が他の兄弟に対して市場価格に見合う対価を支払える場合です。
もし意見だけが分かれて話が平行線になった場合はどうすればよいのでしょうか?
実は、法律的には兄弟の大多数が売却に反対していたとしても、兄弟の誰か一人が売りたい意思があれば、裁判所を通すことで強制的に物件を売却することが可能なのです。
この方法は「パーティション・バイ・セール(Partition by Sale)」と呼ばれるものですが、
Partition = 仕切り、分割
Sale = 売却
で、「売却して(利益を)分配する」という意味になります。
この売却は通常の形態とは違い、差し押さえ物件を売りに出す場合にも使われる「Sheriff’s Sale」と呼ばれる、その物件が所属する郡の管轄局で行われるオークション式の販売になります。
パーティション・バイ・セールの場合は最低売却額は「その物件市場価格の三分の二以上」と定められており、例えば物件価格が$250,000であれば、$166,666以上が売却額となるわけです。
強制的に売却することで、売りたくない兄弟とはそれこそ遺恨を残すことにもなりかねませんが、
「それでも物件を保有したままで発生するだろう将来のトラブルを未然に防いで、現金で今のうちに清算しておいた方がいい」
という信念があるのなら、パーティション・バイ・セールという方法を取ることも一つの手段なのです。
売却時のルール
そして売却が決まったら兄弟で物件を売る際のコツは2つあり
誰が不動産エージェントとやり取りをするか
「as isで売る」か「修繕して売る」か
を決めておくことです。
不動産エージェントにしてみれば、「あの兄弟からああ指示され、この兄弟からこう指示された」となっては取り付く島もありませんから、物事をスムースに進める為には兄弟の中で不動産エージェントとやり取りをする人物は一人に絞っておくことが大切です。
大概は、アメリカでも長男あるいは長女がその役割を担うことで他の兄弟たちも納得する向きがあります。(数少ない、年功序列が通じる場面です)
そして専門家を雇って物件調査を行い、売主の責任となる修繕ヵ所がほとんどない場合は多少のお金をかけてペンキ塗り等できれいにしてから市場価格で売りに出し(売却益で修繕費用を取り戻す)、
大きな必要修繕があればその分売却額を安くして売りに出す「as is」形式を取る方が、最も手元にお金が残ります。
このように、両親から相続する家の処分については
1.状況が許す限り、売却して利益を分けあう方が利点が大きい
*売却希望が自分一人だったとしても、「パーティション・バイ・セール」で強制的に売却することも可能
2.売却の際は、兄弟間で不動産エージェントと連絡を取る中心者を決める
3.「As is」で売るか、修繕して売るかを決める
という流れが、最も無難に事を治められるように思います。
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