FSBO(For Sale By Owner:物件オーナー自身による売却)コンサルティング案件が増加中です。
・バイヤーエージェントの報酬はバイヤーからお支払い頂きたい
・自宅も自分で売却することでリスティングエージェントへの報酬をゼロにしたい
という方はこちらからご連絡ください。
コンサルティング料金は発生しますが、リスティングエージェント雇用よりは大幅に節約が可能です。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
不動産会社が物件を安く買い取り、修繕し、投資家に売りに出す手法をフリップ(flip)と言います。
通常は差し押さえられてオークションに売りに出されている物件を安く買い取るのが常套手段で、そこからリノベーションして売りに出すわけです。
また差し押さえ物件ではなくとも、それなりに築年数の古い物件であれば購入時に結構な修繕が必要となる場合もあり、この際は
売主が修繕を完了させる
売却価格から修繕見積もり額を差し引く
のいずれかで購入契約を整えるのが通常の流れとなります。
いずれにせよ、このような大掛かりな修繕を必要とする物件を「フィクサーアッパー(fixer-upper)物件」と呼びます。
日本語に意訳すれば、
「修繕してグレードを上げることが必要な物件」
という意味合いで大過ありません。
そして上記のように投資家への販売を目的とするフリップ業者の場合はその目的は「利益を出すこと」につきますが、あなた個人が自分で暮らす家を購入する場合にもこのフィクサーアッパー物件を狙う理由は十分にあります。
今日は、個人としてフィクサーアッパー物件を購入することでどんな利点があるのかを見ていきましょう。
1.費用が安く収まる
これが何よりも一番の理由ですが、フィクサーアッパー物件を購入することは「引越しがいつでもできる、手入れの行き届いた家」を購入するのと比較すると遥かに安く収まる傾向があります。
通常の引っ越しがいつでもできる物件はほぼ市場価格での購入となりますが、フィクサーアッパー物件の場合は購入後に修繕に結構な金額を支払ったとしても、市場価格で購入するよりも20%から25%は安くなる傾向があるのです。
そしてそのフィクサーアッパー物件がかなりの修繕が必要となる場合はそれだけ購入価格も安くなって然るべきですので、「オークション物件かつかなりの修繕が必要」となると、かなり安値で購入できる可能性もあります。
例えば市場価格のままであれば$250,000の物件であったとしても、それがフィクサーアッパーであれば手直しをしたとしても$187,500から$200,000程度に収まる計算になります。
この例では$50,000節約することもかなり現実的ですから、
市場価格で購入する ⇒ マイホームを購入するのみ
フィクサーアッパーを購入する ⇒ マイホームに加え、車2,3台も購入できる
と考えることも出来るわけです。(笑)
ただし、それだけの益を受諾する為には当然ながら相応の労力を必要とします。
リノベーションに対して時間とお金は確実にかかりますし、「物件を購入したらすぐに引越し」というわけにはいきませんから、物件が自分名義になった後でも引っ越しまでの期間は十分に猶予を持たせる必要があります。
ちなみに、「リノベーション費用は常に頭が出るもの」と理解しておいてください。
通常は施工を行う中で「ここも修繕が必要だ」と後出しで修繕必要個所が発見されるのは当然であり、その為修繕予算は余分に見ておく必要があります。
業界平均では「見積もり価格の5%増しは予備費にする」と言われていますが、私(佐藤)は保守的ですのでいつも「見積もり価格の20%増し」で見ておくようにしています。
修繕見積もりが$20,000であれば、$24,000は準備しておいた方が無難です(体験上)。
2.家を好きなようにデザインできる
フィクサーアッパー物件の良いところは経済性のみならず、細部に渡り自分でもデザインにこだわることが出来ることです。
主には家の内装を自分の好きなようにデザインしつつも、土地の上にゼロから建築するよりも安く収まるわけです。
ちなみに土地を購入してその上にゼロから起こして家を新築する場合、新築にかかる費用の中間値は2017年の時点で$289,415でした。
実際にはここにはそれ以外の細かい必要経費は勘定されていませんので、本当の中間値はほぼ$300,000と見てよいと思います。
これに対しフィクサーアッパー物件の場合は土台はすでにあり、その上に改装するだけの話ですから新築を建てるよりもスピードとコスト面で有利なのです。
また、新築の場合は設計の段階から時間がかかるものです。
専門家を雇って設計から起こすと通常は役所とのやり取りに半年前後かかり、建築許可を受けるだけでも時間がかかるものなのです。
この役所とのやりとりには私(佐藤)も辟易した経験がありますので、出来れば役所とのやり取りは避ける方法を選ぶようにしています。
3.自分自身で施工できる
いわゆるDIY(Do It Yourself)、日曜大工と訳されるものです。
男性の中にはとても手先が器用、かつ大工仕事が大好きな部類の方がいますね。
アメリカ人の場合はとりわけ日本人よりもDIYで手直しする傾向があるように思いますが、ホームディポのようなホームセンターに足繁く通い、休みの度に大工仕事を趣味もかねて楽しむ方は多いものです。
むしろ自分自身での作業を楽しみたくてフィクサーアッパー物件を購入する人もいますが、確かに最も価格を抑えられるのはDIYです。
人件費がゼロである以上は、材料を自分で購入して自分で施工することに敵う安さはありませんから、時間と労力をかける用意があるのであれば経済面では間違いなく有利になります。
ただし、自分自身で施工するとはいっても現実には
自分で施工する箇所
専門家に依頼するべき個所
これは明確に分ける必要があります。
例えば電気工事なども自分で工事する猛者もいますが、少なくとも自分が有資格者でないのであればちょっとしたミスが大変な事故につながりますから、ここは専門業者に譲るべきです。
4.副収入になり得る
最後の利点として、フィクサーアッパー物件を購入してそれを売却する場合は、フリップ業者と同じく利益を出せる可能性があります。まさに不動産投資ですね。
RealtyTracの調査によると、物件を安く購入して修繕し、それを売却するというフリップ手法による2016年の平均グロス収益(費用が差し引かれる前の粗利益)は$62,624でした。
ここから諸経費を引いても1万ドル単位で儲けは出ますから、投資の意味でもそれなりの利益が出せるのです。
とはいえ、フリップ業者の場合はこれを専門的に繰り返して
買い取り ⇒ 修繕 ⇒ 販売(業者によってはその後の管理まで)
の全行程が洗練し、提携する施工業者とのパートナー価格も手伝って、
高い粗利益
回転率
から利益を出していきますが、素人がこれを行う場合はまずプロのようにはいきません。
よほどの不動産好きであればこのレベルを目指してもよいかもしれませんが、少なくとも最初の試みではさほど利益は出せないことも覚悟する必要があると思います。
実際、2017年のフリップ販売統計を見ても全体の12%は収支がトントン、もしくは損失の結果となっているのです。
その為、自分に余分なお金があってフリップ販売を試みたい場合でもよくよく信頼できるパートナーを見つけ、かつ全ての工程にかかる見積もりと計画を練りに練ってから慎重に行う必要があります。
そのような不動産投資のレベルまでは考えなくてよいのであれば、フィクサーアッパー物件の購入は
「市場価格と変わらない値段で家を買いつつ、ついでに新車も買える」
程度の概念で留めておきましょう。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。