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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
あなたが物件を購入しようと不動産エージェントに連れられていくつかの物件を見た中で、
「この間取りとデザインは最高だ!」
と気に入った物件があったとします。
けれども間取りとデザインがとても気にいった一方で、とても気になることが。。
家の中にしみついたタバコの匂いです。
もしあなたが非喫煙者でタバコの匂いが苦手だという場合、その家の中にしみついた匂いの為に泣く泣く物件を諦めてしまう場合があるかもしれません。
また売り主にしてみれば家の中でタバコを吸い続けていた為に、物件の売却額が下がることもあり得ます。
事実、アメリカのある統計によると物件の元住人がヘビースモーカーであった場合、その物件を売却する際に物件価値が最大29%も下がるという結果もあるのです。
その物件の市場価値が仮に$250,000だった場合、$177,500にまで価値が下がる可能性があるということです。
アメリカでは日本よりも随分早くに禁煙運動が進められてきました。
私(佐藤)が暮らすコミュニティは地域一体のどこでも喫煙はできませんし、近所のスターバックスやマクドナルド等のお店が入っている普通のショッピングモールでも喫煙場所はどこにもありません。
もっぱら近年は日本でも同様に喫煙場所がどんどん制限されていると聞いていますが、アメリカでは喫煙者の居場所はほぼ自宅内しかない、というのが実情です。
ちなみに、私(佐藤)は決してアンチスモークではありません。
過去に喫煙していた時期もありますし、それだけに日本に一時帰国した際にどこかでタバコの匂いがほのかにすると、若かりし頃を思い出すいい匂いに感じたりもします(笑)
。。。
話を不動産に戻しますが、こと物件所有者として気に留めなければいけないのは、上記のようにタバコの匂いを気にして購入を控える人々もいるということです。
喫煙場所が自宅しかないから自宅内で吸うしかないという理屈になるのですが、売却する際にはタバコの匂いがするだけでその物件を避ける人も決して少なくありませんし、かつようやく売れたとしても統計のように買い叩かれてしまう可能性もあるのです。
そこで今日は、長年のタバコで物件に匂いがしみついた場合の対処についてお伝えさせて頂きます。
もしあなたが売却したい物件の室内で喫煙を続けてきた場合、市場に売りに出す前に下記のような対処が考えられます。
もしくはあなたが購入したい物件でタバコの匂いがしみついている場合、下記のような処置を家主に交渉して依頼することも考えられるのです。
HVACシステム
HVACとはHeating, Ventilation, and Air Conditioning (暖房、換気、空調)の略です。
アメリカの物件の空調は物件そのものに換気口をはじめ冷暖房システムが建物と一体になっている、ビルトイン方式と呼ばれるシステムになっています。
日本でも大きな公共施設であればこのビルトイン方式になっていると思いますが、アメリカの場合はほぼ全ての住居物件において空調はビルトイン方式なのです。
ちなみに、これが為に冷暖房のスイッチを入れると不必要に物件全体に空気が行き渡り、使わない部屋も温めたり冷やされたりしますので電気代が無駄にかかってしまいます。
そこでHVACシステムは家中の空気を常時取り込んでいきますから、当然ながらタバコの煙もこのHVACシステムに完全に入りこむ結果となり、喫煙していないときでも屋内にタバコの匂いを撒き散らす根源の一つになってしまいます。
このHVACから来る匂いを消す方法は下記の通りです。
エアーダクトをクリーニングする
換気口のことをエアーダクトと呼びますが、いわゆる空気の通り道です。ここをタバコの匂いが頻繁に行き交う結果、エアーダクトそのものに匂いがしみついてしまいます。
するとエアコンのスイッチを入れた途端、エアーダクトにしみついた匂いが空気とともに流れてくるのです。
そこで、このエアーダクトを専門業者に依頼してクリーニングすると随分匂いは減ってきます。
エアフィルターを交換する
HVACシステムに空気が入る一番最初の部分にはフィルターがかけられています。
もともとこのフィルターはそれでなくとも2,3ヶ月に1度は交換するのが理想ですが、物件を売却する前には確実に交換する必要があります。
あるいはあなたが購入する側である場合、物件内でタバコの匂いがするのであればこのフィルター交換も確実に注文するべきです。
エバポレーター・コイルをクリーニングする
HVACシステム内の重要な機能の一つにエバポレーター・コイル(evaporator coil)があります。
HVACシステムのクーラー機能は蒸発による気化熱を利用して冷たい空気を送り出しているのですが、この役割を果たすのがエバポレーター・コイルです。
この重要機関もまた長期にタバコの匂いに晒されると匂いがしみついてしまいますから、冷房のスイッチを入れる度にタバコの匂いを吐き出してしまうのです。
そこでこのエバポレーター・コイルも専門業者に依頼して、しっかりとクリーニングしてもらうと匂いが随分と消えてきます。
。。。
これらの上記の交換やクリーニングをもってもHVACシステムからの匂いが消えない場合は、システムそのものを交換する必要があります。
壁や天井をクリーニングする
タバコの匂いは当然ながら、壁や天井にしみついてしまいます。
そこで匂いを落とすべくクリーニングする必要がありますが、有効な洗浄剤となるのは「酢」です。
酢と水を 3:1 くらいの割合で混ぜて洗浄液として使います。
タバコの煙はモクモクと上昇していきますから、天井は最もタバコの煙の影響を受ける箇所です。
天井なだけにクリーニングは大変ですが、これで匂いは随分落ちてきます。
もしくはより専門的な洗浄液として使えるのは「リン酸ナトリウム」ですが、通常は酢を使うので十分だろうと思います。
電球を交換する
意外にも、電球にもタバコの匂いはこびりついてしまいます。
そこでタバコの匂いを完全に消したいのであれば、物件内のありとあらゆる電球は綺麗にクリーニング、もしくは交換する必要があります。
また電球のみならず窓やブラインドも同様です。それらの箇所にも匂いはついてしまいますから、すべからく上記の酢もしくはリン酸ナトリウムを使ってクリーニングする必要があります。
フロアとカーペットをクリーニングする
フロアとカーペットもまた、タバコの匂いを吸収してしまいます。
結局のところ、家全体をクリーニングする必要があるわけですね。
フロアの場合は通常の洗浄液で十分ですが、カーペットの場合はベーキングパウダーを使うか、専門業者を呼んでスチームクリーニングまで必要になります。
ただ、私(佐藤)の経験ではカーペットにしみついた匂いはかなりしつこいですから、新品に取り替えた方が手っ取り早いとは思います。
カーテンを洗う
最後にカーテンです。
カーテンはその素材上かなりタバコの匂いを吸収してしまいますから、全体を外して徹底的に洗う必要があります。
とはいえ、こちらもカーペットと同様にしみついた匂いはかなりしつこいですから交換した方がよいかもしれません。
。。。
タバコの匂いがしみついている物件についての処置についてお伝えさせて頂きました。
ここまで書いたように、物件内にしみついたタバコの匂いを処理するには結構な労力を必要とします。物件価値が最大29%も下がってしまう所以です。
仮にあなたがヘビースモーカーである場合は上記のような処置をしてから物件を市場に出す見返りは大きいですから、喫煙を楽しんだ分、がんばって家をクリーニングしてから物件を市場に出すようにしましょう。
反対に、あなたが「魅力的な物件だけどタバコの匂いが気になる」という場合、上記の段取りで売り主にクリーニング・交換を依頼されるとよいです。
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