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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
物件の土台は構造上、建物全体で非常に重要な箇所になることは言うまでもありません。
物件の土台部分に問題が発生すると、遅かれ早かれその影響は他の基礎部分にも及び、果ては室内の目視できる部分(床のヒビ割れ等)にまで影響が及び、物件価値を大きく下げる原因にもなってしまいます。
そして室内からも確認できるレベルになっていると、それを修繕しようと思えば結構な費用がかかるものなのです。
「土台に問題があるかどうかは、どうやって判断するのか?」
「修繕にはどれだけのコストがかかるのだろうか?」
建物全体の根幹にあたる土台なだけに心配にもなるものです。
とはいえ、土台に問題があったとしてもほとんどの場合は専門家に依頼することで対応が可能になります。
アメリカの建築工法で使用されている土台の素材は
石材
コンクリート
木材
等が一般的ですが、どれが主な素材として使用されているかに関わらず、修繕が必要となるときは似たような現象が現れてきます。
今日は物件の土台に発生し得る問題とその対応について、深く見てきましょう。
土台に問題を引き起こす3つの原因
物件の土台に問題が発生する場合、その主な原因は大きく分けて3つに別れます。
大概は下記の3つのうちどれかが原因となっているものです。
Stem Wallの劣化
英単語そのままで書きましたが日本語では直訳で「軒壁」と出てきます。この訳はちょっと違うような。。
やや分かりにくいですがStem Wallとは下地となるコンクリート土台の上にあり、その上に木材の壁が置かれる、コンクリート土台と壁の間に敷かれている部分です。
人で例えれば履いている靴、馬で例えればヒヅメのようなものでしょうか。。
このStem Wallがある為に、コンクリート土台と壁の2つが安定して接着されることになります。
どころが、この部分が劣化してしまう場合もあるのです。
このStem Wallは建物全体としては土台の一部を成していますから、このStem Wallが劣化することで建物の構造全体に影響を及ぼし得ることになるのです。
Foundation settlement
こちらも英語そのままで書きましたが、ニュアンスでいえば「土台下の土の動きによる変化」というのが適切だと思います。
Settlementという言葉そのものは「○○に落ち着く」等に訳されますが、この場合は物件下の地中の変化に応じて(悪い意味で)土台が変化してしまうことを言います。
一般的にFoundation settlementというとその物件の真下、地中の土が縮むように変化してその影響で土台そのものが変化してしまうことを指すのです。
Foundation heave
前述の土地が縮む場合とは反対に、土地が隆起して土台に影響してくることをFoundation heaveといいます。
時間が経つにつれて、土地が盛り上がるようになってくるわけです。
ちなみにFoundation heaveはFoundation settlementの結果で起こることがしばしばあります。
すなわち、土地そのものがギュッと収縮してしまう結果、土地が隆起してしまうわけです。
以上のように、主に3つの理由で土台の問題は発生してきます。
ここで大切なのは、上記のような土台の問題は
「新しい物件だから発生することはない」
「古い物件だから発生し易い」
というような築年数には関係がない、ということです。
例えばその地域一帯が開発されたばかりの土地で埋立地のような場合、地中が新しいからこそ完全に固まっておらずに早晩に崩れ始めることも起こりえます。
反対に時間が経つと問題が起こるどころか、時間の経過で土がしっかり固まって問題が発生しにくくなるとも言えるわけです。
土台に問題がある兆候は
そこで主に前述の3つが原因で建物の土台に問題は発生しますが、何かしら異常があることはどのようにして分かるのでしょうか?
素人にも分かる、土台箇所の異常を示す兆候は下記のようなものです。
壁、フロア、柱、窓枠、ドア枠に大きなひび割れが確認できる
ドアや窓を開閉する時に、ギシギシと圧がかかってうまく動かない
地下室の壁が内側に傾いているように見える(壁の向こうの土が建物側に向かってかなりの圧力をかけている)
フロアがたわんで波打っているように見える
煙突が傾いている
ポーチの先端が沈み、ポーチ全体が猫背のように曲がっている
このような兆候が普通ではないレベルで確認できたら、迷わずに物件調査の専門家を呼んで調査してもらいましょう。
物件調査の専門家は通常、$250 〜 $400の範囲で雇うことが出来ます。
ただし、この時に物件調査の専門がで分かるのは
「その兆候が本当に土台に問題と繋がっているのか」
という基本的な部分を判断するのみです。
物件購入契約期間中に雇うべき物件調査の専門家は家全体を包括して異常を確認してくれるだけで、異常が確認できた際の更に深い調査が必要な部分はその分野のエンジニアを雇う必要があります。
そこで
「これは土台とは関係がなく、この箇所が老朽化しているから修繕の必要があるだけだよ」
「確かにこれは、土台に原因があるね」
等は言えるものの、そこから先のより専門的な調査はそれこそ専門のエンジニアを呼ぶことになります。
地元のエンジニアは通常$200 〜 $800で雇うことが出来ますが、このエキスパートの調査により
構造そのものの調査
地盤調査
といった、極めて専門分野の詳細が分かることになります。
土台の修繕費用は
そしてエンジニアの調査により「土台の○○に問題がある」と分かった場合、その修繕費用はどれくらいかかるものなのでしょうか。
統計によると物件の土台に問題が発生した場合の修繕費用はおよそ$3,500となっているようですが、厳密には修繕対象毎に違いがあります。
ヒビ割れの修繕
ヒビ割れついては状態によって修繕費用も異なり、
小規模:$400 〜 $800
大規模:$2,000 〜 $3,000
となります。ただ、大規模のレベルになるとその箇所だけでは済まずに他の箇所の修繕も必要である場合がほとんどです。
沈んだ土台を持ち上げて支柱を入れる
3つの主な原因で述べたように、地中に原因があって土地そのものが沈んでしまっている場合は土台を持ち上げる必要があります。
この土台を持ち上げるには支柱が必要となりますが、一つの支柱に対してかかるコストが一本毎に$1,000 〜 $3,000となり、複数使用するのであればそれなりのコストがかかってしまいます。
狭い範囲であれば、一本の支柱で十分な場合がほとんどです。
大規模修繕
問題がかなりの範囲に広がっており、上記に述べたヒビ割れや支柱を入れる作業を大規模に行う場合は$3,500 〜 $10,000の範囲、もしくはそれ以上の$20,000 〜 $30,000の範囲にもなり得ます。
もはやこのレベルになると、大抵は「ちまちま修繕するようりは、土台全体を新しくやり直した方が良いのでは?」と提案されるものです。
土台全体をやり直す場合、コストは最大$40,000程度になってきます。
。。。
このように建物の土台に問題が発生した場合は修繕に結構なコストがかかる場合があります。
それでも一つ言えるのは、
「土台に問題が発生したからといって、慌てて物件の売却を検討する必要はない」
ということです。
例えば近年、地域付近でシェールガスの採掘が始まっておりその影響で地中が安定しなくなった、あるいは元々地中に空間ができやすい土地だ、という理由であれば話は別ですが、
そうではなく普通の住宅街で発生した土台の問題であれば、大概は専門家に依頼することで解決するのです。
もっぱら、物件に十分なキャピタルゲインが出ており売却して次の家を買った方が理に適うというのであればそれでもよいのですが、少なくとも土台に問題が発見されても慌てて売却を検討する必要はないと思います。
まずは専門家を呼んで、よく調査するところから開始しましょう。
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