こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカの失業率が4%以下まで落ちてきたそうですが、本当でしょうか?
真偽は別として不動産業界に携わる者としては一世帯でも多くがより安定した住居を確保できることを願うばかりですが。。
実際、アメリカで引越しする人々があげる引越す方々の実に60%が、
「家賃が高すぎるから」
「いい仕事がないから」
を理由に上げています。
当然ながらきちんと安定した賃金をもらえる仕事についてかつその賃金から家賃を支払っていかなければなりませんから、この
賃金
労働(安定した仕事)
は不動産需要に直結するわけです。
そしてこれは日本でも同じ事情だろうと思いますが、時給のよい地域に引っ越したとしても必然的にその地域の家賃は高くなってしまいますし、かといって家賃の安い地域で物件を探したとしても今度は高い時給は望めないものです。
日本の場合は東京一極集中の感がありますので、この時給と家賃のバランスが望めるのは千葉や神奈川あたりでしょうか(的外れならすみません。。)。
これがアメリカの場合、どの都市が賃金と労働の二つをバランスよく満足させてくれる地域になるのでしょうか。
自分のキャリア形成で考えても人口はそれなりに多くかつ仕事も豊富にあり、それでいて家賃はバカ高いわけではなく絶妙なバランスにある地域。
今回、今のアメリカで絶妙なライフスタイルが期待できる地域について全米250都市の中から
- 中間物件価格が$350,000以下の物件
- 1ベッドルームの中間価格
- 世帯収入中間値
- 失業率
- フォーチュン1000以内の企業の数
- 昨年の雇用増加率
- 世帯全員の収入合計が$75,000以上
- 2010年~2017年の人口増加率
という要素の統計を元に
「賃金も満足出来るレベルで仕事もあり」かつ「家賃が十分に支払える」都市が発表されましたので、上位から順に見ていきましょう。
1位 イリノイ州シカゴ市
中間物件価格:$299,600
失業率:4.4%
世帯収入中間値:$69,911
「仕事どころ」と「暮らしどころ」。
アメリカでこの2つを最もバランスよく期待できる都市のナンバーワンに輝いたのは、意外にもシカゴです!(失礼。。)
私(佐藤)もシカゴは今夏訪れてきましたが、非常に便利な街に生まれ変わっています。
アメリカで3番目に大きなメガシティであるここシカゴにはフォーチュン500社から約30社が本社を据え、その中にはウォルグリーン社やボーイング社も名も連ねています。
日本でもその名を知らない者はいないマクドナルドもここシカゴが発祥の地であり、本年6月には250ミリオン(約280億円)をかけた新社屋がオープンしました。
このような豊富な雇用機会はちょっとしたアルバイトレベルから専門職まで、また全ての年齢層に当てはまる仕事がシカゴには豊富にあります。
活動的な20代にとってはたっぷりと楽しめるナイトライフもシカゴにはあり、大きな湖の近くの快適な環境と便利な交通機関は車を不要にすらさせます。
それでいて物件価格はシカゴの上をいく二大都市のニューヨーク市(中間値:$535,100)やロサンゼルス市(中間値:$750,100)と比較すると、$299,600と遥かに安いのです。
そこでいよいよ賃貸物件から所有物件に引越したい30代にとっては非常に有利な選択肢があり、少し値段を上げれば湖を一望する一戸建ても決して届かない価格ではないのです。
そして物件上昇率も3%台と非常にバランスが取れており、アメリカ経済の賃金上昇率にうまく歩調を合わせています。
「仕事どころ」と「暮らしどころ」のバランスが取れた都市として、シカゴはこれからも成長を続けそうです。
2位 テキサス州ヒューストン市
中間物件価格:$325,000
失業率:4.6%
世帯収入中間値:$67,225
アメリカで発展している都市を語る上では度々その市名が登場するテキサス州ヒューストン市。
案の定というか、「仕事どころ」と「暮らしどころ」のバランスが取れた都市としても名前を出してきました!(私情はないつもり。。)
雇用でいえば、ヒューストンはアメリカでも有数な資源を豊富にもつ州であることがその安定をもたらしているといえます。
またダウンタウンには世界有数の医療施設を有し(一部はまるで街全体が医療機関のよう)、フィリップ66やハリバートンのような世界的コングロマリットも本社を構え、ヒューストン全体の経済を牽引しています。
そしてヒューストンの天然石油はそのままカナダ・メキシコ・ブラジル等に輸出されており、天然資源を源にする単独の経済圏がそこにあるのです。
また「仕事どころ」の意味で地元人にとって有利なのは、このような力強い底力を持つヒューストン経済圏の中では「仕事に就くのに高学歴を必要としない」という特徴があります。
もちろんエグゼクティブレベルになると話は別ですが、高学歴ではない者でもそれなりの仕事に就ける門戸が大きく開かれているのがヒューストン経済圏の特徴の一つなのです。
そして「暮らしどころ」のヒューストンとして有利なのは、「家と敷地のサイズがやたらと大きく広い」こと。
これだけ広いテキサスの土地ですから、3000スクエアーフィートの一戸建てはザラにあります。
もう少し大きめになると3600スクエアーフィートの4ベッドルームにグラニテカウンタートップのキッチンを持つ一戸建てが$350,000程度の価格ですから、非常にのびのびとした居住空間を期待できるのです。
固定資産税の高さが玉に瑕ではあるものの、その分生活費の安さが大きな利点となるヒューストンはデータで見ても「仕事どころ」と「暮らしどころ」のバランスが取れた都市として評価されています。
明日に続けます。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。