こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
テキサス投資機会に動いていますが、最初に取り掛かりをつけているのはテキサス州
ダラス市
フォートワース市
の2つです。
これらの地域は近年の発展も目覚ましく、不動産需要が伸びることはあっても縮小することは極めて考えにくい地域。
とはいえ、ダラス・フォートワース地区は本当に不動産投資に向いている地域なのでしょうか?
そこで定石通りに不動産需要三大要素の
人口
人口動態
賃金・労働
の切り口から見ていきましょう。
ダラス市とフォートワース市の2つはそれぞれの中心地を結ぶと車で渋滞無しで40分程度で行き来できる距離にあります。その為、2つで1つの経済圏と見てよいわけです。
言い換えると、これら2つの強力な経済圏がツートップで1突出している為にテキサス州の中でも注目を浴びると同時に発展に勢いがついていることになります。
そこで今日は、ダラス市とフォートワース市を比較しながら全体像を捉えていきましょう。
ダラス・フォートワースの人口
まずは人口から見てみましょう。
厳密にはダラス市とフォートワース市がそれぞれ属する
ダラス郡
タラント郡
の人口になりますが、統計としては信用たるセントルイス連邦政府銀行のデータからグラフを引っ張ってきます。
ダラス郡の人口変化
タラント郡の人口変化
分かりやすい。実に分かりやすいですね。
ダラス郡の方は2008年あたりの世界金融不安の時期に短期的にコケているようですが、ダラス市とフォートワース市の経済圏ではその違いが最も際立っているのが建設業界です。
双方を比較すると、ダラスの方が建設業界の隆盛は目覚ましいものがありました。
そこで10年前にダラス人口が一瞬コケている理由は、恐らく10年前のサブプライムローン問題に端を発した不動産業界の冷え込みがそのまま建設業界への打撃となり、仕事が激減して人口減少すら引き起こしたと考えらえます。
いずれにせよ、ダラス郡とタラント郡の双方における人口増加の様子を見ると
「暮らす場所がどんどん必要になる都市である」 ⇒ 「不動産価値は高くなる」
という構図がよく分かります。
そこでダラス郡とタラント郡の中でも特にダラス市とフォートワース市の人口そのものに焦点を当ててみると
ダラス市人口
132万人(成長率1.37%)
フォートワース市人口
85万5千人(成長率2.26%)
と、ダラス市の方が人口が多い一方でフォートワース市は現在85万5千人程度の人口ながら、その成長率はダラス市の2倍近いものがあります。
この成長率をそのまま使って違いを数字に落としてみると、
ダラス市の増加人数
18,084人
フォートワース市の増加人数
19,323人
と実際の人口増加数もフォートワース市が上になり、2018年現在はダラス市よりもフォートワース市の方に人口が流入していることが分かりますね。
ダラス・フォートワースの人口動態
それではこのまま、人口動態の動きをみていきましょう。
統計は「DATA USA」から引っ張ってきます。
下のグラフはダラス市とフォートワース市における年代別の割合です。
それぞれの年代の右側の緑のグラフはアメリカ国籍人口、その左側の紺のグラフは移民人口を表しています。
2013年~2016年
の統計がありますので、下側の2013年から2016年のボタンを押すとその変動がよく分かります。
ダラス市の年代別割合(アメリカ国籍と移民別)
フォートワース市の年代別割合(アメリカ国籍と移民別)
いかがでしょうか。
ダラス市とフォートワース市の人口動態は極めて酷似していることが分かりますね。
やはり、ダラス・フォートワース地区は1つの経済圏として見ることが正解であることもこの人口動態グラフを見てもよく分かります。
そしてそれぞれの中間年齢層は
ダラス市の中間年齢層
アメリカ国籍の中間年齢:29.4歳
移民の中間年齢:39歳
フォートワース市の中間年齢層
アメリカ国籍の中間年齢:29.8歳
移民の中間年齢:40.9歳
と、アメリカ国籍と移民の間には約10歳程度の差があることが分かります。
つまりダラス・フォートワース地区の地元住民はその中心が20代後半(ほぼ30歳)であり移民の中心は40歳前後となりますが、特筆するべきは上のグラフのとおりに「5歳~17歳」の若年層が最も多いという事実です。
このことはダラス・フォートワース経済圏の将来性を極めて明るくするものであり、絶え間ない人口増加と若い世代による将来の発展がますます期待ができる地域であることは確かなのです。
ちなみに、人種別の割合はどうなっているのかをついでに見てみましょう。
ダラス市の人種別割合
フォートワース市の人種別割合
こうしてみると、ダラス市ではヒスパニック系が4割以上を占めていることが分かりますね。
前述のとおりダラス経済圏では建設業界の伸びが目覚ましいものがありました。そして建設業界の就業人口を人種別に見ると、間違いなくヒスパニック系が多いものです。
そこでこれは私(佐藤)の仮説に過ぎませんが、恐らくヒスパニック系人口が多いのは建設業界の動きに連動しているのだろうと思います。
多分、冒頭の10年前にダラス人口が減少に転じた時期の蓋をあけてみると、このヒスパニック系人口が建設業界の動きに合わせて激減していたのではないでしょうか。
また余談ですが、この建設業界に従事するヒスパニック系の人々の中には不法滞在者の方々も多くいます(統計には出てきません)。
アメリカ合衆国が不法滞在者に対して寛容であらざるを得ないのは、実はこのような不法滞在者の方々によりアメリカ経済の底辺が支えらえている事実があるからです。
その為に良いか悪いかは別にして、トランプ大統領のいう通りに一斉に不法滞在者の方々がアメリカ国外に出ればたちまちアメリカの経済は回らなくなることは確かだろうと思います。
そこでダラス市に対するフォートワース市の方は人種別の割合は
白人系
ヒスパニック系
黒人系
の順番になっていますね。
ただし、上記のグラフでフォートワース市のグラフ下の2013年から2016年を順番にクリックしてみると、白人系の割合は年々減少していることが分かります。
すなわち、フォートワース市もまた将来的にはヒスパニック系人口の方が最も多くなる可能性が高い、ということです。
かくして、不動産需要三大要素
人口
人口動態
賃金・労働
の中でも
人口
人口動態
この2つについてはダラス・フォートワース地区は実に将来が明るいことが分かりました。
少なくともこの2つについては、不動産需要の条件を十分に満たしているのです。
明日からは3番目の賃金・労働の切り口からダラス・フォートワース地区を見てみましょう。
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