こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日から不動産物件の価値上昇について、インターネット検索から引ける数字情報ではなく現場で確認できる目算の方法についてお伝えしています。
「この物件は将来価値が上がるのか?どれくらいの価値上昇がどの程度期待できるのか?」
投資として不動産物件を購入するのみならず、自分の住居用だったとしてもこのような視点で将来の価値上昇を占っておくことは大切です。
過去の売却額や固定資産税の記録から傾向を見て、それが上昇しつつあるのであればそれなりの確率で物件価値は上昇していくだろうことは期待してよいのですが、その数字を現実世界で確認しておくとなおよいわけです。
対象物件の地域を現場で見て将来の価値上昇を予測する方法について、今日も続けます。
4.学区が良い
これは現場でなくともインターネット上で情報が引き出せますが、物件が立地する地域の学区が良いことはその物件の将来の価値に大きく影響してきます。
実際にその学区に足を入れてみると分かりますが、現場ではなお雰囲気を感じるもの。
そもそもアメリカでは義務教育就学率は日本には及んでいない為、教育は現代でも大きなテーマなのです。
公立の学校では様々な環境にある子どもたちが混ざって通うことになりますが、どの学校に通うかは暮らしている地域により定められます。
そうなると、アメリカの場合は日本以上に教育レベルの高い公立学校とそうではない公立学校の差が出来てくるのです。
結果として
学校が教育に力を入れる
教育のレベルが上がる
良い教育を期待して、子供を持つ親がその学区に引っ越す
住宅需要が高まる
住宅需要増加でその地域の物件価値が高まる
このような上向きのスパイラルが働いてくるわけです。
このことは現場でその学区を確認すると雰囲気でもよく分かりますが、そのことは
物件価値が高まって市場価格も高くなる
所得が高くないとその地域では暮らせない
治安も良くなる
と、学区の結果が治安にまでつながってくるのです。
所得の高い地域は治安が良いと言い切ってしまえばお金が治安を解決するような印象になってしまいますが、その関係性は否定できないかもしれません。
5.地域が明るい
この場合の明るいとは夜でも所々にある電灯のおかげでそれなりに地域一体が明るい、という意味です。
もちろん球場のナイトゲームのような明るさではありませんが、夜に訪れてもほのかな光が通りのあちこちに灯って夜でも雰囲気が明るい。
人は本能的に暗きを好むことはありませんから、無意識にも夜に訪れてそれなりの明るさがあるとその地域一体に好印象を持つものなのです。
そのような夜でも地域一体が完全に真っ暗にはならない物件は売れやすい傾向があり、結果として地域一帯の物件価値が高まっていくのです。
6.フロアプランが家族向けに配慮されている
不動産物件を購入する時に将来の不動産価値を目算にいれるということは、将来の売却時を見越してのことに他なりません。
そうすると、未だ見えない将来の物件売却も視野に入れてどのような物件を選ぶべきかと考えた時に、最も有効な最大公約数は「家族での暮らしを想定すること」です。
あなた自身が家庭をもつ持たないに関わらず、家族による物件の使用を想定していた方が間違いがありません。
例えば、間取りでいえば最低でも3ベッドルームが理想です。
実際には2ベッドルームと3ベッドルームで賃貸率に大きな差はないものですし、物件を売却する際にも2ベッドルームだと売れないということは決してありません。
けれども普通は所帯持ちであれば3ベッドルーム以上を選びますから3ベッドルームの方が需要が高いのは自然なのです。
その為、フロアプランそのものも「家族が使いやすい間取りになっているか?」という視点で物件を見ることが有効です。
キッチンからリビングルームがよく見え、そのリビングルームは十分な広さと高さがある。
そんなちょっとした家族の過ごしやすさに配慮されたフロアプランは受けがよく、結果として需要が高まるものなのです。
またこのことは先の学区でも同じことがいえますが、あなた自身が仮に独身であったとしても物件を購入するのは学校に通う年齢の子供がいる家族かもしれません。
そうするとやはり、将来の物件価値を決める需要に対してはその最大公約数として家族を想定しておいた方が無難なのです。
7.所属するコミュニティのルールが厳しい
物件を購入する際によく「HOA Fee $○○○」という表示がついていることがあります。
つまり、その物件を購入するとHOA(Home Owner Association:ホームオーナー協会)なるものへの所属が義務付けられるのです。
そのアパート全体、コンドミニアム全体、あるいは地域一体を管轄しているHOAという組織があり、必然的にそこのメンバーとして毎月会費を支払うことになります。
そしてそれぞれのHOAにより違いがありますが、一般的にはHOA毎に定められているルールがあるものです。
例えば私(佐藤)の暮らす地域のHOAでは
「家の外で喫煙してはいけない」
「敷地内であっても洗濯物を干してはいけない」
等の細かいルールがあります。
私(佐藤)も物件修繕関係でルールに接触して事がうまく運ばずに、HOA事務所の担当者とちょっとした応酬になったことも。。
そのような口うるさく厳しいルールがあり得るHOAですが、その一方で実はHOAをしっかりと支払うコミュニティの物件は将来の価値上昇が結構手堅い、という特典がついてくることは事実です。
すなわち、それなりに厳しいルールで統制が取られている地域ではあるもののHOAとしては何もオーナーをイジメるつもりはなく「その地域とそこに立地する物件の価値を守る」という使命があるわけです。
暮らす住人としては価値を守る為のルールに従う上でちょっとした息苦しさを感じることがある一方で、実際にはそのおかげで自分の物件の価値が守られ、いざ売却する際には手堅く価値が上昇している、という結果になってくるのです。
。。。
昨日から2日間に渡り、購入する物件の将来の価値を現場で目算する方法についてお伝えさせて頂きました。
インターネットで確認できる数字による評価と共に、本日までにお伝えした項目の観点で物件現場を確認することで、その物件の将来の価値上昇の期待度を測ることが出来ます。
もっぱらこれらは米国内にお住いの方々が対象となる方法かもしれませんが、ある程度はグーグルストリートビューでも確認が出来るはずですので、可能な範囲であなたもぜひ心がけてください。
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