こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日からあなたが不動産物件を購入する際に不動産エージェントに訊ねるべき質問についてお伝えしています。
どんな分野であれ、自分が未知の世界に足を踏み入れるのなら「水先案内人」を持つことほど心強いものはありません。
その先に何があるのかをよく熟知しているプロに指導してもらうことで、無駄な時間と労力を省けるわけです。
ましてや大金を叩くことになる不動産購入に至っては、もしあなたが初心者であれば盲目的に資金を投じることは避けるべき。
必ずその市場を知り尽くした地元のプロと組んで事を進めるようにしましょう。
不動産購入に際しあなたが不動産エージェントに投げかけるべき質問について、本日も続けます。
2.この物件の過去の売買履歴は?またそれが購入額にどのように影響しますか?
不動産物件を購入する場合、検討する上で極めて大切な数字情報は
不動産市場価格
です。
「過去にその物件はいくらで売買がなされていたのか?」
このことは極めて大きな意味を持ちます。
すなわち、見方を変えれば過去の取引価格の変動はその物件に対する投票のようなものです。
$1ドルを1票と考えて、例えばある物件が
1990年 $150,000で売却 ⇛ 15万票
1998年 $185,000で売却 ⇛ 18万5千票
2006年 $210,000で売却 ⇛ 21万票
2010年 $195,000で売却 ⇛ 19万5千票
2016年 $202,000で売却 ⇛ 20万2千票
このような動きをしていたとすると、それを投票数として見ると人気度の変化がよく分かりますね。
この場合は上の投票数変化を見ると
「この物件の価値は順調に上がっていたがサブプライム問題で影響を受けて市場価格が下がった。けれども近年は市場価値が元に戻りつつある。」
そのように読み取れるのです。
そして不動産物件の市場価格はご近所、周縁地域の同レベル物件の市場価格に大きく影響されてきます。
この過去の取引履歴と周辺地域の物件市場価格を並べてそこに地元で経験ある不動産エージェントの動物的な勘を掛け合わせると、あなたがオファーするべき適切な金額が出てくることになります。
3.HOAへの支払い額は?
あなたがコンドミニアムやHOAへの加入義務がある物件を購入する場合、通常は「 HOA's documents(HOA関連書類)」を受け取ることになります。
HOAとはホームオーナーアソシエーションの略で、要は物件のオーナー達で共同運営する管理協会のようなものです。
その書類は通常であれば相当なページになりますので初めての方はびっくりしてしまうと思いますが、そこにはあなたが所属することになるHOAの
財務諸表
契約内容
協会規定
等の詳細が網羅されています。
この中でも購入前に確認しておきたいのは、
「HOAからのアセスメント課税はいくらになるのか?」
という質問です。
通常はHOAには毎月会費(と同義)を支払う必要が出てきます。
これは通常1年を通して毎月定額となりますが、この毎月の支払いとは別に年に1度は「 アセスメント課税」もあるはずなのです。
HOAは1年を通してそのコミュニティを管理する中で増減の激しい支出項目に「修繕費」があります。ここでいう修繕費とは共同使用箇所の修繕に使われる費用になりますが、
共同駐車場の修繕
共同プールの修繕
共同ジムの修繕
共同イベントルームの修繕
等、とりわけ不定期な多額の必要修繕が発生してその為に前年の運営がマイナスに転じる場合もあります。
このマイナス部分をオーナー達で按分し、財務諸表に基づいて適切な追加額がアセスメント課税として徴収されることになるのです。
そこで、対象となる物件の目先のアセスメント課税がいくらになる見込みなのか?これを先に聞いておくと後から驚かずに済みます。
ちなみに、日頃からやや高めのHOAを支払っているコミュニティではこのアセスメント課税が発生しないこともあります。
そのようなHOAはそれなりに潤沢な資金で運営されている為、追加税が発生しないのです。
私(佐藤)の経験から言えば、多少多めの費用をHOAに支払って管理されている物件の価値はしっかり守られており、将来も売れやすい傾向にあります。
やや多めに支払う部分がある種の保険になっているわけですね。
ここは物事の捉えようですが、個人的にはこのようなちょっと高めのHOAを支払う方が安心感があります。
少ないHOAでは本当に最低限のサービスしか行われず、周辺の治安にも影響し、結果として自分の物件価値を落としてしまう可能性もあるからです。
4.この地域は発展していきますか?
「この地域の発展性はどうですか?今現在この地域はどんな状況にあるのでしょうか?」
およそ地元の不動産エージェントに訊ねる上でこれほど大切な質問はありません。
あなたが物件を購入する目的が自分の居住用であれ投資用であれ、大抵の場合は自分がよく知らない土地の物件を購入することになるはず。
そして不動産価値はその建物そのものの内外の状態もさることながら、実際にはそれ以上に地域の発展性という外部要因により大きく影響されてくるものです。
そうすると住居用もしくは投資用に関わらず、物件を購入するのであれば手堅く価値が上昇していく物件を選びたいもの。
そこで対象とする物件の地域周辺がどのような地域なのかは地元の不動産エージェントに聞くようにしましょう。
実際、仕事の出来る不動産エージェントであれば地元について平均を遥かに超える知識を持っています。
同じ市内の中でも「ここの区画はとりわけ価値が上昇し続け易い。なぜなら。。」という、普通の人は知らない情報を持っているものなのです。
私(佐藤)自身も高いキャッシュフローが期待できる不動産市場としてテネシー州メンフィス市での不動産投資を支援していますが、メンフィス市の中でも更に地域ごとの特徴を把握しています。
自分自身がメンフィスを訪れて現場を確認しているのみならず、地元で経験の長い不動産エージェントから定期的に情報を頂いているからです。
そこには
「この区画は物件がやや高めで家賃も高めだが、学区も最高レベルかつ賃貸物件が極端に少ない為に賃貸需要は大きい」
という特別地区の情報もあるわけです。
このような区画ではメンフィスでも大きなキャピタルゲインとキャッシュフローを同時に狙うことが可能ということになります。
このような情報は地元に密着した不動産エージェントにしか分かりませんから、あなたが物件を購入する際には躊躇なく質問してみましょう。
。。。
昨日からあなたが不動産物件を購入する際に不動産エージェントに訊ねるべき質問についていくつか上げさせて頂きました。
より詳細の質問については対象とする不動産市場と区画により状況が違いってきますが、分母としては本日までに網羅した点を質問に含めると概ね間違いがないと思います。
間違っても自己流のみで判断せずに、優れた水先案内人となり得る地元をよく知る不動産エージェントに質問を繰り返して物件を選ぶようにしましょう。
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