こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
不動産投資目的で物件を見る時は様々な事前調査が出来ますね。
インターネット上で引ける情報としては
物件の写真
オーナー情報
物件の希望売却額
過去の売買履歴
過去の固定資産税
築年
フロア面積
周辺物件の上記数字(との比較)
等、おそよアメリカの不動産は日本の不動産取引と比較するとかなり透明性が高くなっています。
これらのインターネット上で分かる情報を調べた上で、現場では
建物の外観
各部屋の状況
雰囲気建物内外の雰囲気
周辺地域の環境(雰囲気)
等、およそ現場でないと分かりようのない部分が見えてくるものです。
ところが、このようにパソコン上での事前調査と実際に現場を見た後で
「この物件は気に入った!」
と購入契約書にサインをするのは時期尚早です。
素人目にも、そして不動産エージェントにも見えていない物件の不具合が大概は出てきますから、取引の際には必ず物件調査の専門家を雇って物件全体を調査する必要があります。
グラニテカウンタートップの洒落たキッチン
大理石を上手に壁に施した高級感あるバスルーム
そんなデザイン性にばかり意識が向いてお化粧の内側を見ることなくサインをすることは目隠しして契約を進めるようなもの。
物件調査専門家を雇った上であぶり出される問題点を確認した上で、購入可否を検討することが大切なのです。
そこで今日は、あなたが物件購入契約の初期に物件調査の専門家を雇って初めた発見される問題点の中でも
「この問題が出てきたら、その物件は諦めた方がいい」
というポイントをお伝えさせて頂きます。
下水管の問題
建物の配管には大きく分けて2種類の水道管があります。
給水管(家の中に入る水)
下水管(家から外に出る水)
このどちらが壊れていても問題ですが、とりわけ下水管が壊れている場合、それを放っておくとどのようになるか想像に容易いのではないでしょうか。下水もれはひどい匂いを伴いますから、とんだ二次災害にもなるものです。
素人目でも見ても
庭先に溜まった水たまり
地下室に溜まった水
隆起した廊下
等を発見したら、家の中にある下水管から水が漏れている可能性が高いと見てよいものです。
そして下水管を修繕するとなると、通常は1フットの距離でも約$100はかかると考えておく必要があります。
私(佐藤)がこれまでに見た水道管工事見積もりの中でも最高額のものは数万ドルのレベルもありましたが、まず下水管が壊れている物件に手を出すのを避けておいた方がよいのです。
土台にヒビがある
物件はしっかりとした土台部分の上に建てられるべきことは明らかですね。
例えば飛行機であれば飛行中に一番負荷がかかっている場所は翼と胴体の付け根の部分です(飛行機の整備士さん曰く)。
物件になると最も負荷がかかっているのは通常は土台部分であり、この土台には
上(建物全体の重さ)
下(土壌そのものからの圧力)
の2方向から力が働きかけてきます。
とりわけ土地の土壌そのものの隆起や土層の変化によって建物の土台が受ける圧力は大きく、ここに建物全体の上からの圧力が加わることで土台に経年劣化が起こりやすくなる場合があるのです。
現代でもたまに後進国では「古いアパートが突然倒壊した」などという悲惨な事故をニュースで見ることもありますが、あれなどはまず間違いなく土台そのものがそもそも弱かったか経年劣化が酷かったかのいずれかで、その前には土台に大きなヒビが確認されていたはずなのです。
ヒビとは言っても髪の毛の線のようなヒビが多少長く伸びていたり、土台の角が崩れている程度ではほとんど気にする必要はありません。
ところが、幅が5センチもあるようなヒビが建物の土台部分に伸びていたとしたら。。このレベルでは素人はその物件に手を出すべきではありません。
ここまでの幅のヒビは結構深刻な原因がある可能性が高く、その修繕費は$1,500から$5,000と幅広いものですが、場合によっては$10,000を超えてくることもよくあります。
個人投資家としてはこのレベルのヒビが土台に確認できる物件に手を出すのは避け、デベロッパーやフリップ業者に譲るようにしましょう。
クタクタになった屋根
土台の軽視できない問題については前述のとおりですが、私(佐藤)がそれ以上にいつも警戒しているのは屋根の状態です。
屋根の老朽化により雨漏りがする場合、その雨は物件の天井部分に入り内部からあらゆる部分にダメージを広げていきます。
湿度の高いような地域ではとりわけ天井裏の見えない部分に水が入り込むとその箇所にカビが発生し、二次被害をもたらすものです。
このような雨漏りの傾向は素人目でもすぐに分かります。
もし物件を内覧した時に天井にシミがあれば、高い確率でどこからか水が入り込んでいる証拠です。
商業物件であればその原因が給水管である場合がほとんどですが、住居用物件であればまず天井のシミは雨漏りの証拠、すなわち屋根の老朽化により屋根から水が入り込める状態になっている可能性が高いのです。
悪質な場合は売り主が物件を売りに出す前に、天井のシミをスプレー等でお化粧して隠している場合もあります。
その為、部分的に新しいペイントが天井に確認できる場合は雨漏りを疑う必要があるのです。
いずれにせよ、この屋根部分も物件調査の専門家を雇う際に同時に調査してもらえますので問題はありませんが、たまに「屋根までは調べない」という業者もありますので屋根の調査を行うか否かは必ず確認するようにしましょう。
そして屋根全体を交換する場合の費用は$2,000〜$10,000と広い範囲がありますが、いずれにせよ安価な修繕費では済まないことは明らかです。
屋根に問題が発見される場合は必ず売り主と交渉し、契約終了前に修繕して頂くか交換を依頼しましょう。
状況にもよりますが、明らかに交換するべきレベルの屋根を売り主に対応してもらえないのであれば、その物件は諦めた方がよいと思います。
物件調査の結果で諦めた方がよいレベルについて3点だけ、お伝えさせて頂きました。
上記3つのどれかが当てはまる場合、その物件の他の部分には魅力を感じたとしても気持ちを切り替えて次の物件を探した方が吉と出ると思います。
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