こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカには不動産投資のプロ集団が数多く存在しています。
群雄割拠よろしく、ほぼ全米を網羅して非常に割安に購入できる物件を見つけ出し、誰よりも早く動いて物件を獲得するプロたちに求められるのは何よりも情報とスピード。
巷では「本当に良い話はクローズド案件として金持ちの間でしか共有されない」と信じられています。
これも一面真実であることも事実ですが、それは取引全体の割合からすればごく少数であり、そもそも金額的に個人が手を出せるレベルにはないものです(これは日本でも同じですね)。
個人投資家として狙うべき一戸建て物件のレベルであれば、クローズドも何もその不動産市場に精通すれば十分にチャンスはあります。
そして前述のプロ集団の情報源ですが、実際には彼ら自身も今の時代には「インターネット検索で得られる情報」を頼りにしているのです。
今のようにMLSなどまだまだ世に登場していない時代であればそれこそ現場に足を運んで自分の目で確かめる必要が多々あったかもしれません。
けれども今の時代は現場に足を運ばずとも、
インターネット上でリサーチする
よく分からない詳細は現場を知るエージェントや業者に電話する
この2つだけでおよそ9割の投信判断情報は得られるものなのです。
そしてそれらの前情報をよく精査した上で、最後に初めて現場に向かう形式をとっています。
その意味では、個人投資家であるあなたにとっても1にも2にも大切になるのはプロ集団と同様に、インターネット上から引ける情報を正しく集めることになります。
それでは、プロ集団はどのようなサイトを参考にしているのでしょうか。
今日から、アメリカで不動産投資物件を精査するにあたりプロも参考にしている情報源を公開していきます。
不動産投資家を目指す方々には必見!の情報です。
まずは森全体を見る:人口統計(demographics)
いつもお伝えする通り、不動産需要の三大要素は
人口
人口動態
賃金・労働
の3つです。
需要があるからこそ供給は成り立つわけで、需要のないところに供給の未来はありません。
ここアメリカでは人口は間違いなく増え続けており、建物よりも土地が重要視される日本とは真逆で土地よりも建物に価値が置かれていますから、不動産価値が上昇する条件としては抜群なのです。
そこで、
「まずは森全体を見る」
という言葉があります。
いきなり森の中に飛び込んで一本の木や枝を見ても、全体がどうなっているのかを把握しないことには森の中では判断のしようがありません。
そもそも、人の脳は
1.まず全体像を把握する
2.それから細部に入る
という順番でないと、物事をよく理解できないのだそう(確かにそうかも)。
そこで、あなた自身もアメリカ不動産投資を考える上ではまずは森全体(アメリカ不動産市場全体)を俯瞰する必要があります。
言い換えると、「需要そのものがどれくらいあるのか?」という点をざっくりとでも理解することが大切なのです。
そこでお薦めなのはアメリカ人口統計が公開されているCensusのサイト。
ここではとにかくざっくりと、アメリカ人口動態を把握することが出来ます。
そしてここから更に詳細の情報に飛び込もうと思えば、このページのような各年の詳細が
世代別
人種別
人口密度
通勤時間
等の項目で公開されているのです。
これらは民間企業によるバイアスのかかっていない、純粋にアメリカ政府が運営するホームページ上の統計資料ですからそれなりに頼りにしてよい数字だろうと思います。
暮らしやすさで考える:ウォーカビリティ
そして、とりわけミレニアル世代(一般的には1981〜1996年の間に生まれた世代)の間で使われている言葉にウォーカビリティ(walkability)という造語があります。
Walk(ウォーク:歩く)
Ability(アビリティ:能力)
の2つをかけた造語ですが、日本語的に言えば
○○駅に近い
コンビニに近い
○○のお店がある
等、フットワークの軽さのことを言います。
日本でも
東京ウォーカー
横浜ウォーカー
といった雑誌がありますね。
そこで、「その場所での暮らしはどれくらい便利なのか?」というのを図る時に使われる言葉ですが、よく使われているサイトがこちらです。
入力する住所から
カフェ
スーパー
公園
等の位置関係がよく分かります。
ちなみに歩きではなくバイク(自転車)であれば、こちらのページが便利です。
ここまでは流石に必要ないかもしれませんが。。
いずれにせよ、この場合は投資家目線で数字を見るというよりも「そこで暮らすことになるテナント目線になる」ということが大切です。
物件を購入したはよいものの、それ以上に大切なのは投資運用期間における収入になります。
そしてその収入は他の誰でもなくテナントからもたらされるわけですから、テナント目線で考えることも大切なのです。
もちろんグーグルストリートビューでもそれなりに近所の様子は分かるわけですが、実際に暮らすことになるテナント目線でウォーカビリティを推し量るとよりあなたの判断が洗練されてくることになります。
言い換えると、不動産は常に
「ロケーション、ロケーション、ロケーション」
と言われますが、一戸建てに暮らすテナントの立場になってみれば
「ウォーカビリティ、ウォーカビリティ、ウォーカビリティ」
と言えなくもないのです。
「でも、アメリカは車社会では?」
と言えばそうなのですが、ミレニアル世代にとっては必ずしもそうではありません。
日本でも近年見受けられる
「(維持にお金が派生する)余計な資産は持たない」
という認識はミレニアル世代を中心に広がっており、この世代がアメリカ経済の牽引力になり始めているのです。
明日に続けます。
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