こんにちは。
アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日から自分自身で物件を内覧する場合にチェックしておきたいポイントについてお伝えしています。
不動産エージェントは物件選びを現場で案内してくれますが、その仕事ぶりにはどうしても差があります。
気の利いたエージェントであれば「あれとこれは〇〇ですね」とどんどん教えてくれるものですが、物件の鍵を開けるだけであとはお好きに、というエージェントは結構いるものです。
これはこれで「横から煩いことを言われない方が気が楽」という方もいるかもしれません。
けれども洋服を選ぶ時に「何をお探しでしょうか?」と頼んでもいないのに店員さんに声をかけられることの煩わしさとは事情が違います。
洋服とは比べ物にならない金額を支払うことになりますから、専門家の視点で大いに気づく点は現場で教えてもらうべきなのです。
とはいえ、やはりこの自己責任の国で物事を進める上では人任せは極力避けるべき。
気の利いた仕事は期待しない方がよいですし、物件を見る時にも自己責任で自分の目でどんどんチェックするべきなのです。
現場で物件を視察する際に心がけておきたいポイントについて、今日も続けます。
ドアの開け閉めを繰り返す
玄関に始まり、家中にあるドアというドアは「何度も開け閉めを繰り返す」ことをお薦めします。
1.ドアの開閉は十分にスムースか
2.開閉時に引っかかる箇所はないか
3.開閉時に異常音はしないか
これらをつぶさにチェックするとよいです。
一度開閉しただけでは分からない場合もありますから、一つのドアに対して数回開け閉めを繰り返します。
そして最も注意したいのは「2」の開閉時に引っかかるパターンです。
引っかかるも何もよほど力を入れないことにはドアが開かない、あるいは全く開かない場合もあり得ます。
このような場合は高い確率でドアそのものではなく「物件の土台」に問題がある場合が多いのです。
土台がズレることでドアのフレームが歪み、結果としてドアがほとんど開かない状態になるわけです。
結果としてドアをスルーしてしまうと土台の問題を見落としてしまうことにもなりかねませんから、ドアの開閉は必ず何度か繰り返しましょう。
物件の外側を一周する
物件を見る時には物件内のみならず物件の外もチェックするように心がけましょう。
目視できる限りの屋根や外壁にダメージがないか、ダメージがあるようならどれくらいかを入念にチェックします。
そして物件の外側をチェックする際に最も気を付けたいのは「家の壁と土地の境目」です。
その土地周辺を見てその土全体がなだらかな坂になっていた場合、
⇒ 坂の角度が外向きにあり、雨水は家から離れる方向に流れるのか
⇒ 坂の角度が内向きにあり、雨水は家に向かう方向に流れてくるのか
この点をよくチェックするのです。
土地部分の角度が物件に対して平行なら問題はないのですが、「坂が内向きであり、雨水は物件に向かって注ぎ続ける」という状態なのであれば、長期的にはその物件の土台部分に影響してくる可能性が高くなります。
そして多くの場合は土地そのものが物件に対して内向きになっている場合、これを平行あるいは外向きの角度に変えるにはほぼ確実に一万ドル単位の資金を必要とするはずです。
その為、物件に隣接する土地部分が明らかに物件に向かって内向きの角度になっている場合は注意が必要です。とりわけ
家の壁
(もしあれば)周辺の壁
にコケ等で緑色に変色している部分があれば、その一帯は過去の雨天時に水が溜まった動かぬ証拠となります。
そのような物件は大抵何らかの形で大なり小なり浸水関連のダメージが発生してくる可能性が高いですので、避けておいた方が無難だろうと思います。
。。。
以上、簡単に自分で物件を視察する際に見落としたくないポイントをお伝えさせて頂きました。
厳密には細かく上げれば
「キッチンの蛇口やシャワーは全てひねって出してみた方がよい」
等のチェックポイントも数多くありますが、シリアスな問題で多額の修繕費用につながりえる問題の意味では昨日と本日でお伝えしたポイントは最低でも網羅した方がよいと思います。
また今回はアメリカにお住まいの自分自身で物件を確認できる方のための情報でしたが、そアメリカ国外、あるいはアメリカ国内でも州外の物件を遠隔から購入される方はどうするべきなのでしょうか。
この場合、フリップ業者が提供する物件ではなく通常の不動産売買取引をするのであれば「自分の代わりに物件を視察にいってくれるエージェントと契約する」ことは必須です。
実際のところ、地元のエージェントとしては遠隔から頻繁に現地確認の依頼が入ると労が多くなりますから、この「代理視察」を請け負ってくれないエージェントもいます。
それでも購入側としては代理視察もなしに盲目的に物件を購入するわけにはいきませんから、きちんと代理視察を請け負ってくれるエージェントを見つけるしかありません。
この点、日本人としては購入するかどうかも分からない物件に遠隔操作で「行ってきてくれ」と頻繁に依頼するのは心苦しいものです。
けれどもそれがエージェントの仕事ですから、冷やかしは厳禁にせよ、物件の代理視察は必ず依頼するようにしましょう。
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