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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
市場は売り手市場。
物件は必要箇所を修繕を施し、壁もペンキを塗り直して屋根も数年もの。
温水器も新しく交換して、エアコンシステムも昨年交換したばかり。
グラニテカウンタートップのキッチンに、全室の床はカーペットなし。
このような物件に然るべきステージング(家具をレンタルしてプロが内装をデザインすること)を行い市場に出せば、適正市場価値の範囲でも高値に売れること間違いありません。
そして実際に複数のオファーが入り、平均市場価値よりも遥かに高値で取引が開始された。。
。。。
このような状況下でFinancial Contingency(買主が融資を受けられるか不確かな状態)の結果、契約が取りやめとなるケースがしばしばあります。
その理由は主に下記の二つのうち一つのどちらか、あるいはその両方です。
1.金融期間が融資枠を狭める時期にあり、融資基準が厳しくなっていた
2.物件が(買主の収入に対し)高額で、債務不履行の可能性が高いと判断された
売主が融資を受けられるか未だ分からない状態を「Financial Contingency(ファイナンシャル・コンティンジェンシー)」と言いますが、せっかく売主としては取引をしたいとオファーを受け入れたとしても、ローン審査であえなく落ちて契約が向うとなる場合があるわけです。
物件が高額かつ市場価値の平均よりもはるかに高い場合は、ローン審査を通過しない可能性もそれだけ高くなります。
決して悪くないクレジットヒストリーを持つ買主であったとしても、審査を通らないこともあるのです。
こんな時、そのまま高値で売りたい売主にとっては買主に提示できる一つの救済策があります。’
それは「セラーファイナンシング」と呼ばれる融資の方法です。
今日は、売主と買主の双方が満足し得るセラーファイナンシングの全容について見ていきましょう。
セラーファイナンシングとは
セラーファイナンシングを一言でいえば、
「売主が金融機関の代わりにモーゲージの融資額を用立てすること」
です。
買主は商業銀行等の金融期間に融資を申し込むのが通常ですが、上記のような惜しむらくもギリギリのところで審査を通らない場合、買主は売主と直接モーゲージの契約を交わして、売主から融資を受けることが出来ます。
このことをセラーファイナンシングといい、売主が段取りするモーゲージの為に
オーナー・ファイナンシング
もしくは
パーチェイス・マネー・モーゲージ
とも呼ばれています。
売主が融資額を用立てするとは言っても、実際に売主が多額の現金を用意して買主の口座に振り込むわけではありません。
そもそも(元)自分の物件に関する融資ですから動くのは紙面上の数字のみであり、現実の世界では成約を交わした翌月から
「買主が売主に毎月返済する」
という形で整えられることになります。
簡単に言い換えると、
「売主はすぐに売却額を手に入れることが出来ず、毎月少しずつ利息と共に購入価格を支払ってもらう」
ということになります。
このようなセラーファイナンシングの形態はアメリカでは決して珍しくはありません。
前述のように金融機関が融資枠を狭くするような時期にはセラーファイナンシングを伴う売買契約が増える傾向が出てきます。
その反対に金融業界全体として融資枠が緩い時期には審査が通り易いわけですから、セラーファイナンシングを伴う取引の割合もぐんと少なくなってきます。
ここから、セラーファイナンシングの利点と欠点をみていきましょう。
セラーファイナンシングの利点
買主にとっての利点
買主にとってのセラーファイナンシングの利点は、何と言っても「銀行の融資枠よりも審査が緩いこと」です。
セラーファイナンシングの場合の融資元は売主、つまりは金融機関関係者ではないごく一般人である可能性が高いわけですし、売主の意向で融資の可否は判断されますので金融機関と比較するとかなり緩い審査が期待できます。
また金融機関から融資を受ける場合は各種手数料や融資にあたるクロージングコストがかかってしまいますが、売主から融資を引くセラーファイナンシングの場合は
・クロージングコストが安い(無料もあり得る)
・不動産鑑定士を雇う必要がない(物件所有者が融資元の為)
・頭金の最低金額に対する制約がない
・プロセスが早い(通常は一週間以内)
といった利点が考えられます。
売主にとっての利点
その一報でセラーファイナンシングを使うことの売主にとっての利点は
・希望する金額で売れる可能性が高くなる
・(実際にお金は動かないが)融資を用立てすることにより、利息による利益も期待できる
といった点が挙げられます。
売主が売却額から諸費用を差し引いた現金を急いで必要としない場合は、長期的にはより多く金融資産が増える結果となり得るわけです。
セラーファイナンシングの欠点
その一方で、セラーファイナンシングを行う場合にはその欠点もあります。
買主と売主にとっての欠点を見てみましょう。
買主にとっての欠点
買主にとっての一番の欠点は「通常の融資よりも金利が高くなること」です。
通常の融資が受けられなかったということは、少なくともその時期の政府誘導に伴う金利で融資を受ける基準には満たなかったわけですから、大なり小なり「貸し倒れのリスクがある」と見なされて金利は高くなってしまいます。
そうすると、前述のように融資を引く際のクロージングコストが無料になることがあったとしても、長期的に見ると高い金利によりその節約できたはずのコストは結局は意味のないものにすらなるわけです。
またセラーファイナンシングを受ける以上は、物件売買の契約上ではどうしても売主のほうが立場が強くなります。
その結果として、
・不動産権の調査費用は自己負担
・(融資ではなく売買契約そのものの)クロージング書類作成手数料負担
・固定資産税負担
等、通常の取引よりも買主側が多めに負担しなくてはならない可能性が高くなってしまうのです。
売主にとっての欠点
そして売主側から見た場合にもセラーファイナンシングは不利な側面があります。
まず何よりも、
「債務不履行の可能性はゼロではない」
という点があげられますね。
専門の融資機関ではなくとも、売主でも専門家に依頼して審査を行うことは可能です。
可能ですというよりも審査は必ず行わねばならず、それなりの基準をもって買主のクレジットヒストリーから調べていきます。
また経済状況を証明する個人の財務諸表や給与明細等を提出して頂き、可能な範囲で精査する必要があります。
それでも金融機関が常にそのリスクを背負うように、セラーファイナンシングを通じた買主による債務不履行の可能性は拭えないものです。
そして仮に債務不履行の憂き目に合う場合、
・回収業者を雇う費用
・弁護士を雇う費用
・裁判所関係の費用
等の思わぬ出費が出てしまうことになりますし、それらを段取りする労は自分自身で取っていく必要があります。
。。。
このようにセラーファイナンシングもまた潤滑な売買を実現する上で立派なアメリカ不動産金融の手法ではありますが、そこには利点と欠点の双方があります。
そしてそこには専門性が問われる部分も大いにありますので、セラーファイナンシングを行う場合は必ず不動産弁護士を雇って慎重に進めることが寛容です。
その上でお互いが納得の行く着地点に落ち着ければ
買主 ⇛ 満足の行く物件を購入
売主 ⇛ 利息を含めて高値で売却
というウィンウィンの関係になり得るものなのです。
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