こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
日々、初心者を含む投資家の皆様をアメリカ不動産市場にご案内していますが、本年に入ってから繰り返しお伝えしているとおり物件の動きが非常に早いです。
キャッシュフローが抜群のメンフィス市場でもかなりそのスピードが早いように感じていますが、この傾向は今のアメリカ不動産市場のあちこちで見受けられます。
もちろん市場の動きが早いからといって
・建物が古すぎる
・立地がイマイチ
・明らかにメンテナンスがなされていなさすぎ
このような物件は長く放置される傾向にありますが、立地と物件の条件がある程度整っていれば非常に動きが早いのです。
統計上ではまがりなりにも
「物件価格の上昇は落ち着きが見られる」
「在庫物件数は増えつつある」
と言われているものの、実際に現場で売買を行う立場からみればまだまだ市場の動きは大きくは変わらないように思います。
そしてその実、このような時にこそ
「市場に流されずに適正価格で購入する」
こんな心構えは大切になるものです。
とても気に入って「ぜひ購入したい!」と実際にオファーした物件が目の前で他者にもっていかれてしまう。
複数のオファーが入ってマルチオファーに巻き込まれ、精査に時間をかけたのに結局は物件が取れなかった。
こんなことが複数回続くと、誰だって心に焦りが出てきてしまいます。
そうすると、ついついちょっぴり高値でオファーしてしまいそうになるのです。
もちろん大抵の場合はそれだけ競争力のある物件であれば多少の高値は長期的にはカバーしていく可能性は高いと思います。
・家賃の積算
・キャピタルゲイン
これらの合計から然るべき運用経費と税金を差し引いた部分があなたの純利益になるわけですが、ロケーションを間違わなければ長期保有であるほど有利にあるものです。
とはいえ、水先案内人の私(佐藤)としては
「先を考えれば安心ですよ。高値でもいれましょう。」
などといい加減なご案内をするわけにはいきません。
あくまでも顧客利益の最大化がその役割ですから、熱い市場の中にあっても冷静に、高値づかみにならないようにご案内する必要があります。
その為、クライアント様にはオファー価格を抑えて頂くことがしばしば(そして大概はとれます)。
そんな熱い今のアメリカ不動産市場ですが、「熱い!」というものの実際に地域市場としてはどのような動きになっているのでしょうか?
今日は、2019年第1四半期のアメリカ不動産市場で最も動きの早い地域市場トップ20をみていきましょう。
2019年 市場の動きが早い市場トップ20
今のアメリカ不動産市場の中で
・View number(閲覧数)の多い順番
・物件が売れるまでの日数
この二つの因数で順番を並べると、そのトップ20は下記の順位になります。
厳密には下記は2019年3月の順位です。
この順番は刻一刻と変化していますので、都市名の右側に2019年2月時点の順位と3月時点ではどれだけランクアップ(ランクダウン)したかを併記します。
動きの早い不動産市場トップ20(2019年3月統計分)
3月順位 | 地域名 | 2月順位 | 変化 |
1位 | Columbus, OH(オハイオ州コロンバス市) | 9位 | +8アップ |
2位 | Boston, MA(マサチューセッツ州ボストン市) | 13位 | +11アップ |
3位 | Midland, TX(テキサス州ミッドランド市) | 1位 | -2ダウン |
4位 | Sacramento, CA(カリフォルニア州サクラメント市) | 6位 | +2アップ |
5位 | Stockton, CA(カリフォルニア州ストックトン市) | 10位 | +5アップ |
6位 | Colorado Springs, CO(コロラド州コロラドスプリングス市) | 3位 | -3ダウン |
7位 | Odessa, TX(テキサス州オデッサ市) | 15位 | +8アップ |
8位 | Lafayette, IN(インディアナ州ラファイエット市) | 24位 | +16アップ |
9位 | San Francisco, CA(カリフォルニア州サンフランシスコ市) | 5位 | -4ダウン |
10位 | Modesto, CA(カリフォルニア州モデスト市) | 12位 | +2アップ |
11位 | Rochester, NY(ニューヨーク州ロチェスター市) | 8位 | -3ダウン |
12位 | Santa Cruz, CA(カリフォルニア州サンタクルス市) | 19位 | +7アップ |
13位 | Chico, CA(カリフォルニア州チコ市) | 2位 | -11ダウン |
14位 | Spokane, WA(ワシントン州スポケーン市) | 4位 | -10ダウン |
15位 | Milwaukee, WI(ウィスコンシン州ミルウォーキー市) | 21位 | +6アップ |
16位 | Akron, OH(オハイオ州アクロン市) | 25位 | +9アップ |
17位 | Ann Arbor, MI(ミシガン州アナーバー市) | 54位 | +37アップ |
18位 | Manchester, NH(ニューハンプシャー州マンチェスター市) | 43位 | +25アップ |
19位 | Canton, OH(オハイオ州カントン市) | 18位 | -1ダウン |
20位 | Vallejo, CA(カリフォルニア州ヴァレーホ市) | 22位 | +2アップ |
いかがでしょうか。
2019年3月の1位に輝いたのは前月に8位だったオハイオ州コロンバス市(州都)です。
こうしてみると、意外にもオハイオ州が3地域ランクインしていますね。
またオハイオ州についてはこのトップ20には入らなかったものの、かなり順位を上げてきている都市がもう2つあります(本年中にトップ20に入る可能性)。
オハイオ州は間違いなく2019年において全米の中でも熱い不動産市場ということになります。
カリフォルニア州は言わずと知れた人気市場ですので6地域がランクインしていますね。
しかしながら、カリフォルニア州では同時に市場の動きが結構顕著に鈍くなりつつある地域が多いことでも知られています。
そして、このようにアップダウンの数字で比較するとどの地域の市場スピードが急加速しているかがよく分かりますね。
ミシガン州アナーバー市は37位のジャンプアップ。
ニューハンプシャー州マンチェスター市は25位のアップです。
ちなみに、この2019年第1四半期を締めくくる統計を見て私(佐藤)がビックリしたこと。。
キャッシュフロー市場で大人気のメンフィス市がトップ20にカスッてもいません(笑)
もっぱら投資に適した物件と純粋な住居目的で購入する物件を一絡げに比較することは出来ないかもしれませんが、
・View number(閲覧数)の多い順番
・物件が売れるまでの日数
の条件式であることを考えると、メンフィスはトップ20位以内には入っていると思ったのですが。。
かくして、アメリカ不動産市場は今年の夏も熱くなりそうです。
そんな中にあっても、私たちは冷静に分析しながら物件の選定を進めていきましょう。
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