こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
現在のアメリカ不動産市場の中で
「かつては廃れて治安も悪かったけれども、
今では見事に復活して発展しつつある、投資を検討したい地域市場」
をご紹介しています。
もともとアメリカの国土は広すぎるくらいですが、その開拓使で街が発展するきっかけは牧場や農場を中心として人が集まったことでした。
今の全米の州都はほぼ例外なく、そのようなきっかけで人の集落の中心地となった場所が現在まで続いています。
けれどもその都市の地域全体が足並みをそろえて一斉に発展し続けるということはなく、地域を細分化すると中には発展に取り残された地区といえる一帯は出てくるものです。
大概は治安が悪い地域として知られ、長年開発が進められずに放置されたような状態が続いているもの。
けれども今回のシリーズでご紹介しているのは、そんな見放されたような地域でも生まれ変わることが出来るという実例の数々です。
この辺りは一過性の変化ではなく、その変化にはその地域特有の事情から共通する理由があります。
すなわち、ここにご紹介している地域の変化が「なぜ起こっているのか?」を読み解くと、その周辺のどのあたりに同様の変化が起こってくる可能性が高いのかが見えてくるわけです。
そしてひとたび同様の変化が確認できると、流動性の低い性質をもつ不動産はゆっくりとあなたが予想する通りに変化し始めていきます。
華麗なる復活劇を見せている地域市場について、今日も続きをいきましょう。
6.アップタウン(カリフォルニア州オークランド市)

郵便番号(zip cord):94612
物件中間価格:$695,100
過去5年間の物価価格変動率:+128.2%
過去5年間の世帯収入変動率:+63%
過去5年間の大卒かそれ以上の学位修了者変動率:+26.3%
サンフランシスコはすぐ下のシリコンバレーと共に世界有数の優秀な人材が集まる街です。
IT産業を中心にカリフォルニア州全体の経済をリードする力は世界中に伝播してサービスを提供しているのはご存知のとおり。
そしてそれだけの力を集積する街だからこそ、この地域一帯の不動産価値は異常なほど高騰しています。
その実、なんと$100,000~$999,000の6桁の収入でも「貧困の部類に入る」と言われるほど。
そんな完全に異次元のレベルに入っている不動産市場にはとてもついていけず、普通に考えればミドルハイの層に入る人々が住居をここから東側へと移しています。
その普通なら富裕層の部類に入る人々が流入することで変化が起きているのが、オークランド市の「アップタウン」です。
もともとオークランドといえば「暮らすのはやばい地域」として知られていました。
世界でも常にトップ5に入る公立大学ナンバーワンのカリフォルニア州立大学バークレー校が位置するなど秀でた一面もある一方で、通りを歩くと昼間でも強盗に合うことも十分にあり得ます。
ところがそんなオークランドがアップタウン地区を中心に富裕層が入り始めることで街に変化が起こっているわけです。
その特徴は
完全リフォームの最高級劇場
芸術的なデコレーションの施されたオークランドシンフォニー
オークランドバレット(劇場)
等を中心に毎年数多くのライブパフォーマンスが開催される、アートを中心とする街に生まれ変わりつつあります。
そしてこの近辺の不動産平均価格は2012年には$315,000程度だったはずが、今では600平方フィート(約56平方メートル)のワンベッドルールのコンドミニアムで$499,000からという高さ。
この流れで少し昔前までは見放されていたような古い物件が買われ、リノベーションでグレードを上げて売りに出され、地域全体の市場が一気にハイクラスに変化してきたのです。
このアップタウンそのものはかなり高値になりつつありますが、サンフランシスコ側から流入が続く今の傾向では周辺地域もこれから開発が進んでいく可能性が高そうです。
7.エンカント・ビレッジ(アリゾナ州フェニックス市)

郵便番号(zip cord):85006
物件中間価格:$315,100
過去5年間の物価価格変動率:+98.3%
過去5年間の世帯収入変動率:+53.1%
過去5年間の大卒かそれ以上の学位修了者変動率:+61.5%
上昇し続ける不動産価格と生活コストの影響で少しでも安い地域に引越そうとする動きは今の全米各地で見受けられます。
先にご紹介したオークランドのアップタウンの場合はサンフランシスコ地域からの流入ですが、同様の動きはアリゾナ州フェニックス市でも見受けられます。
というよりも実は、アリゾナ州フェニックス市はアメリカ全土で最も人口増加が激しい都市なのです。
その人口増加の大きな要因は主に二つ、
左隣のカリフォルニア州の生活コストが高いこと
温暖な気候の地域でのリタイヤ生活を求めてシニア世代が引っ越してくること(夏は灼熱ですが。。)
です。
この人口増加の流れは確実にフェニックスの不動産市場に変化をもたらしています。
そしてこの流れの中でもここ数年の変化が最も顕著といえるのが同市内の「エンカント・ビレッジ」と呼ばれる地区の東側です。
ここはかつて収入がかなり低い層の方々が暮らす地域でしたが、今では地域の物件価格がかなりの割合で上昇してきています。
意外にもこのあたりで人気があるのがコロナド史跡地区にある1920年代に建てられたバンガロースタイルの家で、築100年ながら$300,000前後の価格で売りに出されています。
そして近隣にはいくつかのちょっとしたハイキングコース、新しいカフェの数々、また充実したナイトライフと、人口増加が激しいフェニックス市の中でも穴場的不動産市場として変化しつつあるのです。
明日に続けます。
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