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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日から2019年第1四半期のアメリカ不動産賃貸市場の動向についてお伝えしています。
アメリカ合衆国労働局の発表では2019年3月度のアメリカ賃貸市場の家賃は昨年比で3.7%の上昇でした。
昨年の3月に
$1,000の家賃であれば$1,037
$1,200の家賃であれば$1,244.40
に家賃が上昇値したことになり、この上昇率は2018年を通した平均上昇率を上回るものです。
日本円で
「毎年4,000円~5,000円の範囲で毎年家賃負担が増加している」
と考えると、現在のアメリカの家賃上昇が家計を圧迫する最大の要因になっていることがよく分かると思います。
仮に同じ職業で、もしくは職業が変えたとしても給与が同じだった場合には生活の現状維持を保つには
賃金上昇率
家賃上昇率
この二つは同じ割合で伸びていく必要があります。
もう少し厳密には、インフレ上昇と共に物価も上昇しますので家賃以外の要因が家計を圧迫してくる意味では、賃金上昇率の方が上回らないと健全にはならない可能性が高いわけです。
ところが現実には今のアメリカでは賃金上昇率は3.2%程度に留まり、家賃上昇率の方が若干上回る形で推移し続けています。
結果として
「家賃が支払えない。安い賃貸に引っ越そう。」
という世帯が絶えないのです。
この傾向はこれは大都市の郊外で顕著に見られます。
ダウンタウンのど真ん中でバカ高い家賃を払うのではなく、郊外の発展しつつある小ぶりな街で賃貸生活の質を楽しむ。
けれども郊外とはいえ(郊外だからこそ)上昇する家賃についていけず、さらに安いアパートに引越すパターンが多く見受けられるのです。
このような今のアメリカ賃貸市場の背景を把握しておくことはアメリカに不動産投資をしている方々、またはこれから投資を検討している方々にとっては殊の外大切です。
そこで今日は家賃水準の背景をもう少し深掘りし、かつ昨今の家賃高騰をチャンスに変える手法について考えてみましょう。
アメリカ住宅市場の深刻な背景
世の中の取引が需要と供給で成り立つように、衣食住も全て需要と供給で成り立っています。
住となる賃貸物件も然り。
住を求める需要があるからこそ供給側が存在し、そこに取引(賃貸契約)が成り立つわけです。
そしてアメリカの賃貸市場が高騰し続けている要因は供給に対して需要が増え続けているということであり、この需要増加の最大の要因は人口増加にあります。
その実、過去一偏してアメリカの人口は増え続けており、この絶え間ない需要の増加が物件価格上昇(厳密には地価の上昇)と賃貸価格の上昇を誘導してきた経緯があります。
この家賃上昇の動きは2000年代後半から2010年代前半あたりまで続いたアメリカのグレート・リセッション(大規模な景気衰退)の時期には落ち着きがみられました。
ところが2010年にすっかり景気後退の時期を抜けるとそこから再び家賃は上昇を始め、2016年までには前年比3.8%という強い上昇率を見せるようになりました。
けれども同時に、この間にアメリカ不動産市場では好材料が起こっています。
それはMulti-family物件のブーム。
いわゆるアパート物件が同時期に続々と建設されたことで「手に届く家賃の住居」が増え、一戸建て物件の家賃を支払えない層を吸収していた背景があります。
ところがここにきて、このMulti-familyブームが収束しつつあります。
安いアパート物件で需要を吸収し続けることは難しくなりつつあり、現在は再びアメリカ全土の家賃が高騰し始めているわけです。
「家の所有を諦めるどころか、家賃の支払いも厳しい」
そんな風潮がたった今のアメリカ国民の多くに見受けられます。
このような中で政府も本腰を上げて現実的な救助策の構築に乗り出し、例えば今月上旬の4月9日に出された案は
「給与の30%以上を家賃に宛てている世帯は、税の優遇措置を与える」
というもの。
具体的な数字までは公表されていませんが、仮に施行されれば税金支出を抑える形で賃貸生活者を支える案です。
投資活動の好機にする
このような背景がある中、アメリカ不動産市場に投資するものとしては現状をどのように捉え、どのように向き合うべきなのでしょうか。
私(佐藤)がお薦めするのは「契約更新時の家賃交渉で、テナントの声に耳をしっかりと傾ける」ことです。
とはいえ、少なくとも不動産管理会社を通して物件を管理しているのであれば本当にテナントに会う必要はありません(むしろ、顔を合わせてはいけません)。
不動産管理会社の担当者を介してのやり取りになりますが、もしもテナントが現状維持を要求してくるようであれば頑なに値上げを断行するのではなく、積極的に考慮したほうがよいと思うのです。
例えばあなたの物件で$1,200を賃料としているところを、来年は$1,245.60とすることは理論値としては理にかないます。
けれどもそれを支払うテナントの収入が家賃の3~4倍程度しかない、かつ給与がほとんど上がらない状態であれば賃料の据え置きを検討してもよいと思うのです。
衣食住の中でも「住」は誰にでも必要です。
「あくまでも家賃は毎年上昇していく」
「今年は大家が家賃を据え置きにしてくれた」
テナントはどちらの物件に長く留まるかは明らかですね。
十分な収入があるのなら特別な配慮も必要ないと思いますが、
「苦しい時に、オーナーは賃料据え置きで助けてくれた」
このこと実際にはテナントのみならず、オーナーも助けるウィンウィンの関係になるのです。
もちろん盲目的にテナントの要求を受け入れる必要もなく、家賃据え置きを求めてくるのであれば給与明細等の証拠を提出してもらうことも一考です。
またターンオーバーが発生したとしても、今の時期にこそあなたの物件では「ご近所の同レベルの物件よりも、ちょっと安く賃貸市場に出す」ことがコツになります。
不動産賃貸業もまた
需要(テナント)
供給(オーナー)
この両者がいてこそ成り立つものです。
投資家としては昨今のアメリカ賃貸市場の背景もよく理解した上で、テナントの置かれた状況を冷静に判断しながら家賃高騰の気運をチャンスに変えていくとよいと思います。
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