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スターターホームはスキップするべきか? 〜 前編
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日も触れましたが、アメリカでは投資目的で物件を購入することは半ば常識です。
自分が暮らす前提で物件を購入する場合でも、将来にその物件の価値がどうなるかを踏まえた上で物件を購入するわけです。
例えばごく平均的な$250,000程度の一戸建てを購入したとします。
支払う家賃が$1,500だとすると、年間で$18,000を家賃として支払うことになります。
地域によりますが、このレベルの物件では住宅ローンは然るべき頭金を納めれば毎月の返済額は高い確率で$1,500以下に抑えることが可能です。
ここではあり得る返済額として$1,300とします。
そして30年間保有してこの物件価値が$500,000を超えるとします。(佐藤が管理する物件の一つはまさにこのパターン)
すると
家賃を支払い続けた場合:$540,000($1,500 × 12ヶ月 × 30年) *実際には家賃は値上がりしていきます
住宅ローンを支払い続けた場合:$468,000($1,300 × 12ヶ月 × 30年)
と、家賃を支払い続ける場合と住宅を所有するのとでは明らかな違いが生じてきます。
しかも後者の住宅ローンは利息を含めてかなりの総額にはなるものの、30年後の物件価値が完全に住宅ローンをカバーするのです。
この場合は「差し引きゼロで実質無料で物件に暮らし続けた」というパターンですが、現実にはカリフォルニア州やフロリダ州のようなキャピタル市場では差し引きゼロどころかプラスになる事例はいくらでもあるのです。
。。。
そんな投資面を加味して物件を購入する風潮の中、アメリカでは「スターターホーム」をスキップするミレニアル世代が増えつつあります。
今日から、近年のアメリカ不動産市場でミレニアル世代に見られるちょっとした変化にスポットを当ててみましょう。
スターターホームから開始するのが定石だった
スターターホーム(Starter Home)とはそのまま「スタート(最初)の物件」であり、何がスタートかといえば
「生涯を通じて物件売買を繰り返す中で、一番最初に購入する物件」
のことです。
すなわち、この言葉には
「生涯を通じて所有する物件はコロコロで変わるもの」
という前提があります。
日本の場合は今でも「先祖由来の土地」にこだわる場合もあるでしょうし、また住宅を購入するにしても「余生をずっとこの家で」という考えが強いかもしれません。
これに対しアメリカ人の場合は土地に対する執着はほとんどなく、一部の地方で多少見受けられる程度です。
基本的にアメリカ人は引っ越し前提で人生を進めていきますから、暮らす物件が転機ごとにコロコロ変わるのは当たり前なのです。
そのため、物件を所有するにしても少なくとも一番最初の物件は「スターターホーム」であり、そこから自分の収入が増えるにつれてグレードの高い物件に買い換えるのが定石でした。
スターターホームは最初の物件なだけに、
・キャリアが未熟で
・お給料も少なく
・子供もいない(あるいはかなり幼い)時期
に購入する小ぶりな物件であることが通常です。
ところが、この傾向に近年変化が見え始めています。
一番最初の物件をスターターレベルではなく、ラストレベルでいきなりハイグレードな物件を購入する層が増えているのです。
その具体的な兆候として
・33歳〜37歳の世代
・物件初買い
・4ベッドルーム以上の大きめの物件を購入
というパターンは1980年代〜2000年までは24%程度だったものが、2012年〜2016年の統計では34%を超えてきています。
スターターホームのレベルは1ベッドルームや2ベッドルームが当たり前であり、4ベッドルームとは明らかにラストホームのレベル。
いきなり「ここを生涯の家にしよう」と考える若い世代が増えていることは間違いありません。
二極分化と晩婚化の影響を見る
以前はスターターホームから始めるのが当たり前だったはずが、現在は徐々にその概念がはずれて日本のように「自宅を構えたら原則この家で生涯を」と考える若い世代が増えている事実は興味深いことです。
この傾向を反映するアンケート調査等は目にしたことはないのですが、私(佐藤)はこれも格差社会と晩婚化がもたらす影響の一つだろうと思います。
事実、私(佐藤)の知人をみても30代半ばで$800,000 〜 $900,000の物件を購入している人たちは結構いるものです。
彼らの職業は大手不動産管理会社、人材派遣会社、大手金融機関のマネージャークラスで若くして結構な稼ぎを得ています。
資金的にはそれなりに余裕があるわけですね。
アメリカでは所得は大きく二極分化しており、マネージャークラスでも一般社員の頃とは給与が大きく違ってくる傾向があります。
とりわけ30代まで同じ分野で専門キャリアを積み上げてきた場合、このレベルに達する傾向があるのです。
またウーマンリブに見えられる女性の社会での地位向上に尽力する運動も影響し、その結果としてアメリカでも晩婚化は先んじて進んでいました。
20代で結婚はもっての他、20代でキャリアを積み上げた後に30代でようやく結婚するパターンは明らかに増えています。
・ある程度経済的余裕ができた
・家庭をもち、落ち着く必要がある
そのようなミレニアル世代がスターターホームを飛ばして最初からラストホームを購入する傾向が出てきているように思うのです。
とはいえ、スターターホームを飛ばしていきなりラストホームに手をつける選択は本当に正しいのでしょうか。
これについては投資の観点からも、私(佐藤)はスターターホームの概念は捨てない方がよいと考えています。
明日に続けます。
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