FSBO(For Sale By Owner:物件オーナー自身による売却)コンサルティング案件が増加中です。
・バイヤーエージェントの報酬はバイヤーからお支払い頂きたい
・自宅も自分で売却することでリスティングエージェントへの報酬をゼロにしたい
という方はこちらからご連絡ください。
コンサルティング料金は発生しますが、リスティングエージェント雇用よりは大幅に節約が可能です。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
カリフォルニア州ロサンゼルス郡の住宅販売数に着目してお伝えしています。
ロサンゼルス郡の不動産市場について近年のデータが示すのは
「ロサンゼルス郡の住宅販売数は一年以上減少傾向にある」
という事実です。
すなわちそれはどう解釈しても
「ロサンゼルス郡の不動産市場は成長が鈍化し始めている」
としか捉えられず、健全な状態にはないと見受けられます。
この近年の販売数の継続的な減少は何が原因と考えられるのでしょうか。
ここで、住宅販売数と同時にロサンゼルス郡の住宅価格の推移を確認してみましょう。
いつものようにスタンダード&プアーズが出している統計を使用してロサンゼルス郡の住宅価格推移をチェックしてみます。
すると
いかがでしょうか。
物件価格そのものは10年前の不動産価格暴落の時期から2012年あたりまで下がり続けて底値をうち、そこから徐々に盛り返して近年は10年前当時の価格水準まで戻ってきていることが分かります。
ところがよく見てみると、ここ数年のロサンゼルス郡の不動産価格は上昇率が下がっていることが分かりますね。
厳密には、昨年2018年5月あたりから不動産価格の上昇率が明らかに鈍くなっています。
そしてこの時期は、昨日確認したロサンゼルス郡の住宅価格が過去一年以上に渡り前年比を下回り始めた時期と酷似しています。
そうすると、
「ロサンゼルス郡の物件価格上昇率が下がっているのは、購入者数が減少しているからである」
との仮説が立てられます。
そして購入者が減少している原因は
・人口が減少している
・物件価格の高さから買い控えている
このいずれか、もしくはその双方です。
同時に、昨日お伝えしたとおり不動産価格が上昇していく理由は
・物件に対する需要が高い
・物件の供給数が少ない
・物件を建てるコストが高い
ですから不動産価格の上昇率が下がり始めているのは購入者の減少が原因だとすれば、上記三つの中で一つ目の不動産需要そのものが横ばい、もしくは減少してきている可能性が考えられます。
この需要の因数が唯一、購入者という「人」に関わる要素だからです。
ここで不動産需要の三大要素を思い出してみましょう。
不動産需要を生み出す三つの要素は
人口
人口動態
賃金・雇用機会
です。
そこで、ロサンゼルス郡の人口変化を見てみましょう。
なんと、ロサンゼルス郡の人口は減少し始めていることが分かります。
ここはかなり重要な事実です。
日本でも東京の一部以外は不動産価値が下がる傾向にある理由は人口高齢化に伴う
・東京回帰による人口増加
・地方の過疎化
であることは周知の通りですし、一度人口が離れ始めるとなかなかそこに人口は戻ってこないもの。
すなわちロサンゼルス郡において人口減少が始まっていることは不動産需要が低くなり始めていることに他ならず、
「ロサンゼルス郡の物件価格上昇率が下がっているのは、(人口減少から)購入者数が減少しているからである」
この仮説は間違ってはいないことになります。
まとめると、
・ロサンゼルス郡の人口は減少し始めている
・それに伴い物件購入者数も減少している
・物件購入者が減少することで物件価格の上昇率も鈍化している
ということです。
結論、過去一年以上に渡り物件販売数が減少している直接的な原因は
「物件価格の高騰により買い控えが起こったのみならず、人口そのものが減少した為」
と考えるのが適切であるように思えます。
これが理由で私(佐藤)は
「ロサンゼルス郡の不動産市場が成長が鈍化する」
とみているのです。
とはいえ、ロサンゼルス郡の不動産市場がこのままマイナスパターンにハマると考えるのは早計です。
ここでもう一度、上のロサンゼルス郡の人口推移を眺めてみてください。
ロサンゼルス郡の人口減少はここ数年のみならず、よく見ると過去も多少の緩やかな減少が起こっていたことが分かりますね。
幾度かの緩やかな減少を経験しつつ、相対的には人口が増え続けていると言えます。
そしてもう一つ、不動産需要の因数であるロサンゼルス郡の雇用機会についても見ておきましょう。
この通りで、ロサンゼルス郡の失業率は近年低くなってきていることが分かります。
この失業率が高くなるようであればいよいよ先は明るくないことになりますが、過去と比較しても失業率が低水準にある上では人口がロサンゼルス郡に戻ってくる可能性は十分にあると思うのです。
そして人口がロサンゼルス郡から離れている要因は
・物件価格
・賃貸価格
この双方が高いことに他ならないと予想されます。
物件価格は上昇し続けていますのでこちらは明らかとして、賃貸価格を見てみましょう。
ロサンゼルス郡の賃貸価格推移についてはzillow.comの統計を使ってみます。
いかがでしょうか。
案の定、2018年5月から一気に最近まで賃貸価格が高騰してきていることが読み取れますね。
これでほぼ全ての裏付けは取れました。
カリフォルニア州ロサンゼルス郡の不動産市場はここから成長が鈍化する。
その真因になるのは人口減少が一番の原因。
その人口は物件価格と賃貸価格が2017年代の水準に下がらないと戻らない可能性が高い。
ロサンゼルス郡の不動産市場における過去と現在の事実、そして蓋然性から先を予想するとこのように解釈出来ると思います。
「今の時期にロサンゼルス郡で自分の住居用に物件を購入することは得策でしょうか?」
ここまで読まれたあなたは、この問いに簡単に答えることが出来ますね。
ちなみにここは強調しますが、ロサンゼルス郡一つの成長の鈍化が全米の不動産暴落を引き起こすという可能性は極めて低いです。
本当に全米規模で価格暴落が発生する時には、もっとインパクトある出来事が原因になるからです。
とはいえ、
・物件価格
・賃貸価格
この二点について、今後ロサンゼルス郡がどのように対応していくのかは注視する必要があると思います。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。