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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。
Zillow等のMLSで物件の詳細に目を通していると
「Move-in ready !」
という言葉を目にすることがありますね。
いわゆる不動産売買における広告謳い文句の一つですが、直訳ではそのまま
move-in = 引っ越し、入居
ready = 準備
ですから、言葉を額面どおりに受け止めると「引っ越してすぐに暮らし始められる物件」という意味に解釈出来ます。
特に大きな修繕は必要なく
屋内は整理整頓されており
荷物を運び入れるだけで生活が開始できる
そんな期待を持たせる「Move-in ready」という言葉ですが、実際にはその定義の解釈はリアルターの間でも多少まちまちな点があります。
そうするとリアルターに案内される買主も説明される言葉を鵜呑みにして購入したところ、
「話が違うじゃないか」
そんなちょっとした揉め事に発展する場合もあるのです(物件価格を考えるとちょっとしたどころではありません)。
そこで今日から、一般論として解釈される「Move-in ready」という言葉の意味合いについてやや細かくお伝えさせて頂きます。
「Move-in ready」の物件を購入した時はどのくらいのレベルで整えられた物件を期待出来るのかを見ていきましょう。
1.電気系統と配管
まずは電気系統についてですが、
・屋内で使われている電気系統のシステムと配線は現代の規定に沿っている
・スイッチ等の人が触れる部分に使われる素材、デザインも現代の規定に沿っている
これらは最低条件です。
30年以上昔の電気系統、かつ当時のペンキが塗られたままのシステムであれば早晩に現代の規格に合わせないと間もなくして不具合が発生したり、最悪の場合は出火の原因にならないとも限りません。
すなわちMove -in readyであれば「現代の規定に沿ってきちんと稼働する電気系統システム」が整っていることが前提です。
また配管も同様で、全てがきちんと不具合なく機能する必要がありますから、物件の内覧の際にはキッチンシンクの扉を開いたり、各水道をひねって変な水漏れがないかを確認することが得策だろうと思います。
いずれかに不具合があるのなら、Move -in readyではないのです。
2.屋根
屋根もまた注意点の一つです。
Move -in readyと聞くと物件の屋内のみ意識がいってしまいがちですが、屋根もまたMove -in readyにふさわしい状態である必要があります。
そこで屋根においては
・剥がれている箇所はない
・雨漏りはしない
これは当然の最低条件。
けれども「屋根は建築当時から交換しておらず40年もの」という場合はどうでしょうか。
屋根の中には40年経っても深刻なダメージはなく、雨漏りもしない場合もそれなりに多いものです。
けれども40年も経っているとすれば、引っ越しから間もなくして雨漏りが発生しても決して不思議ではないのです。
引っ越して不具合がすぐに発生するようであればMove -in readyとは言えませんから、屋根の寿命についても注意する必要があります。
3.物件の外観
ここまでお伝えしただけでも分かるように、Move -in readyというからには単にいつでも引っ越しできる綺麗な状態というのみならず、その機能においても不具合が発生しないことが最低条件です。
そしてこのことは建物の外観にも同じことがいえます。
木造の外壁に歪みが確認出来る
壁に破損箇所がある
当然これらは物件瑕疵のレベルですから修繕の必要があります。
Move -in readyという言葉では建物の中に意識がいってしまいがちですが、外観に修繕されてしかるべき箇所があればMove -in readyではないのです。
4.窓
窓の場合もMove -in readyの物件であれば不具合は何もないはずです。
とりわけ古い物件の場合は窓も注意しておきましょう。
・窓枠は全てしっかりしているか(部分的に腐っている箇所はないか)
・窓枠から水が浸水してくることはないか
・外側の網戸は全てついているか、ぐらついてはいないか
等、細かくチェックしましょう。
窓は最新のものである必要はなく、古い建物なら建築当時の窓ということはあり得ることですが、少なくとも窓としての機能に対して不具合があるようであればやはりMove -in readyとは言えないのです。
5.空調システム
アメリカの大抵の住居物件では
「CENTRAL AIR-CONDITIONING(意訳:中央設置型空調器)」
というシステムが導入されています。
日本の場合は大抵、エアコンというと部屋壁の上部に設置されていますね。
エアコンを設置したい部屋が二つあるのなら、エアコンそのものをそれぞれの部屋壁の上部に設置することになります。
これに対してアメリカの場合は空調システムの大元一箇所にまとめられています(中心の意でCenterといいます)。
この一箇所で冷たい空気、あるいは温かい空気が生成されて、そこから屋内の各部屋にAir Duct(空気の導管)を通って各部屋に送り込まれていくのです。
使っていない部屋にまで温風・冷風を送ってしまいますからとてもエネルギー効率が良いとは言えませんが、この点は消費大国であるアメリカ人の発想がそのまま残されているのかもしれません。
そしてMove -in readyと呼ばれる物件の場合、エアコンシステムが稼働するのは当たり前のことです。
しかしながら稼働するのは当たり前として、屋根と同様にその年数に関してはよく注意するようにしましょう。
たった今は稼働していたとしても全体の空調システムそのものが30年以上経過しており、あと1〜2年でシステムを交換しなくてはならないことが予想されるのであれば、それはMove -in readyではないのです。
とりわけエアコンは物件維持においても非常にお金のかかる部分ですから、Move -in readyという言葉をそのまま鵜呑みにせずに空調システム全体の年数はよく注意するようにしましょう。
Move -in readyの定義について、明日に続けます。
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