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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。
不動産物件の価格は一定のものではなく「常に動く」性質があります。
例えばインターネットであなたがモノを購入するとき、そこにある価格は割引セールの時以外には動くことはありません。
同じものが
正規価格の$100で売られている
20%引きの$80で売られている
或いは
クーポンを使うことで更に$5安くなった
総額が大きい為に送料が無料になった
このような様々な割引き方式で最終価格が変わることはよくありますが、日本の価格表示でいう
定価
希望小売価格
オープン価格
参考小売価格
このいずれの場合であっても商品として出された際の価格が基本価格になり、その基本価格が動くことはありません。
これに対し、不動産物件の場合はこの基本価格そのものが変動します。
例えば、あなたがzillow等のMLSサイトで目にする物件の価格はあくまでも「売主の売却希望額」であり、その価格で購入せねばならないということは決してありません。
そして価格が決まっていないからこそ、不動産売買の面白みがあるものです。
そこで、この不動産物件の価格に関わる専門用語として
Market Value(マーケットバリュー:市場価値)
Assessed Value(アセスドバリュー:評価価値)
という言葉を目にしますね。
どちらも不動産物件の価値に関する言葉ですが、これらの言葉の違いはなんでしょうか。
そして言葉が違うのみならず実際に同じ物件のこれらの数字には違いがあり、通常は
Assessed Value < Market Value
と、Market Valueの値の方が大きくなるものです。
今日から、これら二つの不動産価格用語の違いを見ていきましょう。
Market Value(マーケットバリュー:市場価格)とは
素人にも分かりやすい言葉で解説できる不動産弁護士の言葉を拝借すると、不動産の場合のMarket Valueは
「Most probable price that is given to a property in an open market」
あたりの定義で説明がなされています。
日本語で意訳すると
Most probable price = 最もあり得る価格
that is given to a property = 物件につけられた
in an open market = 一般市場で
で、「一般市場で物件につけられた最もあり得る価格」あたりでしょうか。
このMost probable priceという言葉がミソになりますが、この意訳をもっとかみ砕きながらお伝えすると、
「売主がこの値段でよしとするだろう価格、買主がこの値段でよしとするだろう価格、この双方の意志が合致するだろう価格」
と言えます。
そしてこの性質こそが、モノを購入する時の価格とは根本的な違いがある部分です。
例えばあなたがテレビをアマゾンで購入しようとするときに、買主であるあなたが
「まずはこの価格でオファー」
「いや、まだ高いからこれでどうだ」
このように交渉形式でテレビの価格を定めることはありません。
その一方で不動産の場合はまさに基本の購入価格が変動しますし、その値段交渉の大元になる価格がMost probable priceであり、Market Valueなのです。
そして物件の売却をリアルターに依頼する時、リアルターは物件を市場に出す際の価格を定める為に様々な要素からこのMarket Valueを売主に提案します(最終的に決めるのは売主です)。
その要素とは例えば
・外的要素:物件外観の状態、土地の面積、建物のデザイン、公共水道光熱サービスの利便性
・内的要素:部屋数とサイズ、建物構造部分の状態、電化製品の質と状態、冷暖房システム、エネルギー効率
・比較接近法:同じ地域にある類似かつ最近売買契約が完了した物件の売却価格
・需要と供給:同地域の購入見込み者と売却見込み者のバランス
・立地:同地区の人気度、学区、治安
これらの要素から総合的に判断して、リアルターは売主にMarket Valueたるべき基準となる数値範囲を伝えるわけです。
この時点でリアルターから出されるのは決して当てずっぽうな数値ではなく、上記のような様々な条件から総合的に判断したMost probable priceとなります。
そして誰が見ても公平であるはずのMarket Valueに売主が自身の希望を加味して、物件を市場に出すのです。
かくして、このような過程を経て定められた物件価格はまず最初にMLS上で数多くの購入希望者の目に止まることになります。
例えばこの時のMarket Valueが$270,000だったとしましょう。
そうするとこの$270,000というのはMost probable price、今の市場においてその物件市場価値として最もあり得る値のはずです。
けれども買主側にもまた、バイヤーエージェントがついています。
バイヤーエージェントも独自に該当物件の詳細を精査し、$270,000がMost probable priceの範囲に収まっているかを判断します。
「この状態でこの価格は高すぎるだろう。範囲内だが、値下げしてもらうべきだ」
「この状態でこの価格は安い。ぜひとも買いだ」
このように判断して、その旨を買主に伝えるのです。
そしてあり得るだろうこの$270,000というMarket Valueは売主と買主のお互いの主張で着地点を模索し、例えば最終的に定まった購入価格が
$265,000
ということであれば、今度はこの双方が合意した$265,000はその物件のMarket Price(市場価格)に変化するのです。
時間軸で見ると、
Market Value(最もあり得る価格)
↓
双方の交渉
↓
Market Price(市場で決められた価格)
となります。
とどのつまり、Market Valueから開始される不動産売買の価格交渉においては
売主の主張する価格
買主の主張する価格
この双方のどちらが正しいということはなく、究極はMarket Priceを定めるのは売主と買主の双方による同意であり、その同意したMarket Priceでエスクローがオープン(契約期間が開始)する流れとなります。
明日はAssessed Value(評価価値)について、今日のMarket Value(市場価値)との違いを見ていきましょう。
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