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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。
昨日からReverse Mortgage(リバースモーゲージ)についてお伝えしています。
Security Instrument(セキュリティ・インスツルメント)としてのMortgage(モーゲージ)には様々な種類がありますが、
「所有する自宅の価値に応じて、金融機関から融資を受ける」
ことが出来るのがReverse Mortgage(リバースモーゲージ)です。
連邦政府が提供するReverse Mortgage(リバースモーゲージ)で代表的なものは
HECM(Home Equity Conversion Mortgage)
であり、
・62歳以上であること
・モーゲージ元金残高が少ないこと
・対象物件に自分自身が暮らしていること
・連邦政府に関する負債に未払い等がないこと
これらの条件を満たしていれば
1.毎月一定金額を受け取り
2.信用限度額(借り入れ限度額)以下で必要に応じて何回でも(上限に達するまで)
3.「1」と「2」の合わせ技
のいずれかで現金を使うことが出来るようになります。
とはいえ個人による「借入」には間違いありませんから、それまでに借りた総額はいつか返済しなくてはなりません。
その借入をどのタイミングで返済するかといえば、
「債務者(連帯債務者を含む)或いは配偶者が物件を売却した時、もしくは死亡した時」
です。
例えば
「62歳の時からリバースモーゲージを使って毎月現金を受け取り、80歳で亡くなった」
このパターンであれば18年間、金融機関から毎月借入を続けたことになります。
その毎月の金額が$1,000だとすると、
$216,000($1,000 × 18年 × 12ヶ月)
もの借入をしたことになり、この金額に対して利息をつけた返済が必要になるのです。
そうすると、普通に考えればその物件を売却しないことには借金返済は無理があります。
今日はこのReverse Mortgage(リバースモーゲージ)について
・実際にいくらぐらいの借入が期待できるのか
・リスク
等の側面から学んでいきましょう。
いくらの借入が可能なのか?
まずはReverse Mortgage(リバースモーゲージ)を利用した場合、どれくらいの借入が可能なのかを見ていきましょう。
Reverse Mortgage(リバースモーゲージ)に申し込んで審査を行う際、そこで借入の上限額は定められることになります。
この「借入可能額」のことをIPL(Initial Principal Limit:イニシャル プリンシパル リミット、初期元金上限)といいます。
このIPLは物件価値のみで定められるわけではなく、
・物件価値
・申込者(物件所有者)の年齢
・リバースの中でもそのローンタイプ
等の要素で変わってきますが、得てしてその借入上限が物件価値の60%を越えてくることはそうはありません。
また金額そのものも上限があり、通常はいかなる物件でも「$625,500が上限」と定められています。
利融資する側としても大きくリスクを犯すわけにはいかないわけです。
そして借入金額が定まった後はその受け取り方法は様々あり、代表的なものとしては
Lump sum(一括払い):多額を一度に受け取り(全額を一度に受け取ることは出来ません)
Term(期間ごと):定期的に受け取り
Tenure(終身):死亡するまで毎月受け取り
Line of credit(信用供与):クレジットカードのように必要な際に借入。借入合計は物件価値の増加に比例して計算される為注意。
Modified tenure/term(終身と期間の混合):上記の期間・終身、信用供与の混合
等があります。
そしてこれらを通した借入が返済されるべきタイミングは前述の通りに物件所有者(債務者)が死亡した時や引っ越した時ですが、
家屋保険の支払い不履行
固定資産税の支払い不履行
等が発生しても「融資はここで終了」となり、返済の必要が出てくるので注意です。
ちなみに、物件所有者(債務者)が死亡したとしても遺族が物件を相続して自分自身が物件に暮らすのであれば、物件は売りに出す必要はありません。
この時は新しい物件所有者となる遺族がそれまでの借入金に対して返済ローンを組み、通常のモーゲージのように返済していくことが可能なのです。
リスクを十分に考慮する
このようにReverse Mortgage(リバースモーゲージ)はその利便性だけを考えるとあたかも自宅が自動現金引き出し機のようになる感覚を覚えてしまいます。
「死亡するまで毎月お金を受け取れるのなら、死ぬまで安心だ」
こんな風に安易に考えてしまいがちです。
けれども実際には負の側面もよく考えて検討する必要があります。
まず、Reverse Mortgage(リバースモーゲージ)もやはりローンの類ですからローン組みには初期費用がかかります。
Origination Fee(オリジネーション フィー)と呼ばれるこの初期費用は
「物件価値の$200,000までは2%、それ以上は1%、上限$6,000」
です。
例えば$280,000の物件であれば
a ... $4,000($200,000 × 2%)
b ... $800($80,000 × 1%)
Origination Fee ... $4,800(a + b)
と結構な高額です。
またそれのみならず申し込み審査期間には
物件価値鑑定料
クロージングコスト
等も加味するとローンを組むのにもそれなりの費用がかかるに加え、融資額そのものには
利息
MIP(モーゲージ保険プレミアム)
等も含まれてきます。
またリスクとして上げねばならないのは、やはり返済のタイミングです。
実例で、夫婦の中で夫のみが名義を使ってReverse Mortgage(リバースモーゲージ)を組んでそれなりの借入の後、思いがけずその夫が急死したことがありました。
この場合、融資側は途端に「融資はここまで。返済をするように」と迫ることになります。
そして残された妻は自宅を失うわけにはいきませんでしたが、働いて返済できる状態でもなく、結局はそれまでの借入に対してローンを組むことが出来ずにこの物件はForeclosure(差し押さえ)となってしまったのです。
一見、将来に安心を与えてくれる感覚を抱いてしまうReverse Mortgage(リバースモーゲージ)ですが、申し込み前には自分のみならず家族を含めてよく検討し、本当に正しい選択かを吟味するべき融資システムだろうと思います。
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