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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
Homeowners Association(ホームオーナーズ・アソシエーション)に対するHOAフィーの支払いが発生する物件についてお伝えしています。
コロナウイルスの影響により景気後退が始まる中、
「HOAフィーを払えません」
そんな風に申し出るホームオーナーがにわか増えつつある様子。
一般的な認識としてHOAフィーの支払いは
「管轄地域を整美してくれる」
「共同プールの管理をしてくれる」
「共同ジムの管理をしてくれる」
等、ホームオーナーたちが共同に使う部分の共同維持管理に必要であり、
「お互いお金を出し合って地域整備を継続する」
という目的があります。
けれどもコロナウイルス騒ぎの中で
「共同施設は何も使えない。なのにHOAフィーは今も支払い続ける必要があるの?」
そんな疑問をもつオーナーも少なくありません。
かつ実際に
「今月のHOAフィーが払えません」
と訴えてくるオーナーも増えつつあり、全米のHOA統計上では50%が
「2020年はHOAの滞納が起こる」
と予想しているのです。
それでは実際にこのような有事にあってもHOAフィーは支払い続けなければならないのでしょうか?
今日も続けます。
なぜコロナウイルスの最中にも支払うのか
結論からいえば、
「HOAフィーを免除します」
というパターンはほとんど存在しないと思います。
前提としてHOAには然るべきルールが存在しており、
CC&Rs(covenants, conditions, and restrictions:規約、規定、規制)
と呼ばれるルールの総称はほぼ例外なく全てのHOAにあります。
CC&RsにはそれぞれのHOAが過去の管理史の中で修正・削除・加筆を繰り返してきた約束事が記載されているのです。
そしてHOAフィーを支払う義務のある物件を購入する場合、買主には所属することになるHOAのCC&Rsが事前に届けられることになります。
つまり、ホームオーナーたちは購入時に
- HOAが定めるCC&Rsを遵守すること
- HOAフィーを支払い続けること
の二点を約束しているはずなのです。
少なくとも私(佐藤)は
「有事にはHOAフィーを免除します」
という約束が最初から明記されているCC&Rsは目にしたことがありませんし、おそらく存在しないと思います。
結果として法的な観点からは現在のコロナウイルスの状況でも
「HOAフィーは支払い続けねばならない」
このことは間違いありません。
とはいえ、大切なことは
「HOAは暴利をむさぼる意図は全くない」
ということです。
日本の地方にもよくあるだろう町の町内会を思い浮かべてみましょう。
町内会の存在意義と目的もほぼ共通するのは
「地域環境の保全と活性化」
あたりではないでしょうか。
そして町内会にも会費はあるはずです。
もしも
「町内会長が会費を私費に充てていた」
となれば大問題。
今の時代なら秒速で町内会長は役目を降ろされて村八分になることでしょう。
そして通常の町内会運営で会計上必要なものは大まかに
- 町内会活動の維持に必要な資金
- 何かあった時の為の準備金
の二種類に落とし込まれ、それ以外には必要がないはずです。
そしてこの町内会とアメリカのHOAの運営は極めて酷似しています。
HOAとはそもそもがホームオーナーで構成される組合であり、その役員もホームオーナーから選出されます。
もしもあなたがHOAフィーを支払う物件に暮らしているのであれば
- HOA定例会への参加
- HOA役員選出への投票
- HOA運営の支出内容の確認
これらは全て可能です。
すなわちホームオーナー全員でお互いに管理しているわけですから、完全な透明性の中で運営されており、誰か特定の人物が暴利をむさぼるのは規定上も運営構造上も不可能に近いことになります。
そしてHOA運営の基本概念は
「Zero-based budget(差し引きゼロになる予算組み)」
となっています。
前述の町内会運営の例えと同じで、HOAは
- HOA管轄地域の維持管理に必要な資金
- 何かあった時の為の準備金
この二つを満たすに十分な資金しか集めていないものです。
HOAは値上がりする可能性も
そうすると
「じゃあ、プールは誰も使っていないのだからHOAフィーは安くなりますよね?」
という疑問が出てきますが、残念ながら答えはNoです。
プールだろうがジムだろうか、そこに施設がある以上は人が使う使わないに関わらず、メンテナンス作業は常に必要になります。
むしろHOAが存在するからこそきちんと維持管理がなされており、資金が集まらずにメンテナンスが出来ないと施設は近い将来に廃れてくるものです。
維持管理がなされないと施設へのダメージは加速し、地域の景観も悪くなり、長期的には管轄内の物件価値にも影響してくるものです。
しかも今のコロナウイルスの時期には地域周辺を維持管理する上で
マスク
消毒剤
等を始めとする今までにない備品に費用が出ることになりますし、全米のほとんどのHOAでは2019年に行われた2020年度予算の中でコロナウイルス対策費用などは組んでいなかったはずです。
最近は
「この公園はコロナウイルスの影響がなくなるまで使えません」
このような趣旨のきちんとした立て看板をよく見ますが、こんな看板ひとつにも数百ドルはかかっているだろうと思います。
そうするとむしろここからは全体としての維持管理費は下げられるどころか、年間予算をもとに集金されているHOAフィーだけでは維持管理資金が枯渇する可能性もあると思います。
結果として、ここから先にHOAフィーはむしろ値上がりすることも予想されるのです。
とはいえHOAはあくまでもホームオーナーの為の組合であり、営利目的で存在するわけではなりません。
支払いが厳しい場合は
- 一定期間の支払い義務停止(後に支払い)
- 分割支払い
等の措置で少しでも現状を乗り越えられやすいように支援してくれるものです。
そこでもしもあなたがHOAフィーの支払いがある物件に暮らしていてHOAフィーの支払いが厳しくなりそうな場合、早めに管理事務所に連絡して支払いに対する交渉を行うことをお薦めします。
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