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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今日は現在市場に出ている物件をもって一戸建てのキャッシュフローを数字でみるケーススタディを上げる予定でしたが、急きょ変更してカリフォルニア市場の最新情報をお届けします。
カリフォルニア州不動産協会よりカリフォルニア市場の6月度の実績結果が発表されました。
4月から毎月中旬のタイミングでこの実績結果を公開していますが、今月も数字をみて一緒にカリフォルニア市場の傾向を掴んでいきましょう。
全米を通して地域市場に違いはあるものの、大局としてはカリフォルニア市場は全米市場の動向を占う指標として使われています。
まずは全体像から、いつものように表と並べてみましょう。(クリックで拡大できます)
前月・昨年比の価格変化
価格の前月・昨年比ですが、カリフォルニア州のすべての地域で価格が大きく回復していることが分かります。
州全体としては昨月比で6.5%の伸びです。
すなわち、価格が確実に下がり始めた4月時点の価格を上回っていることが分かります。
昨月の時点でペンディング(契約に入った取引数)が一気にリバウンドしていましたので、需要に伴って価格もそれなりに戻ることは予想されていました。
けれどもここまで明確に回復が数字として現れると、改めてアメリカ不動産市場の底力を感じざるを得ません。
正直に告白すると、3月に本格的にロックダウンが始まった時点の私(佐藤)の個人的な予想としては
「今年の夏はカリフォルニアを始め全米不動産の価格はほとんど上がることなく、下げの傾向が続くだろう。」
というものでした。
このブログ上では
「夏までに傾向が分かると思います」
とお伝えし、実際に今の時点でここから先のコロナ時代の動きが見え始めています。
けれども過去のブログでは書いていない本音としては、
「夏もそのまま下がり続けるだろうな」
と、どれくらいの下げになるかは分からないものの、価格そのものはしばらく下がり続けるだろうとタカをくくっていたのです。
けれども6月の統計を見て、3月時点の読みは間違っていたことが数字にはっきりと現れています。
そして恐らく、ここまで大きく回復している一番の理由は歴史的な低金利だと思います。
この項を書いている本日の時点で30年固定金利がなんと3.112%と、アメリカの歴史では驚異的に低い数字です。
今の金利をもって
「コロナ騒ぎはいつか終わる。それよりも今の低金利を逃す手はない。」
そのように考えて果敢に攻めている人々が大勢いるわけです。
結果として、アメリカ不動産業界においては
「FRBの金利政策が功を奏していることが数字に現れている」
といえるのかもしれません。
昨年比で価格を見た時にも全ての地域市場で見事に昨年の価格を上回っています。
少なくとも6月の時点では価格の面だけでみれば
「コロナウイルス騒ぎにも関わらず昨年同等の勢いが戻っている」
「アメリカ不動産業界は予想以上に健闘している」
ということが言えそうです。
販売数の変化
そこで今度は販売数に着目してみると、これもまたカリフォルニア州内の全ての地域市場で昨月比で販売数が大きく増加しています。
需要が増える ⇒ 価格が上がる
の関係が出てきますから、販売数が上昇すれば価格が上昇するのは当然のことです。
そしてアメリカ不動産業界でいわれる通説どおり、
「住居物件の反応は経済の動きにほぼリアルタイムに反応する」
このことが改めて数字で証明されていると思います。
またあくまでも瞬間風速のスナップショット的な数字ですが、カリフォルニア州全体でみると1ヵ月の価格変化が
2020年5月 $588,070
2020年6月 $626,170
と、
$38,100($626,170 - $588,070)
の上昇です。
これに対して同期間の販売数変化は42.40%ですから、1%の販売数増加あたりは
$898.58($38,100 ÷ 42.40)
と10ドル以上を四捨五入して
「1%の販売数増ごとに約$900価格が上昇する」
といえます。
もっぱらこれは
- 季節条件
- 金利
- コロナウイルスによる活動規制のレベル
等の複雑な条件が重なっての結果ですので蓋然性としては使えない数字ですが、大雑把にでも一つの目安にはなりそうです。
また同様の考え方で、ロックダウンにより経済が停滞する時には
「1%の販売数減ごとに約$235価格が下落する」
ことが分かります。
整理すると、今のコロナ時代にはカリフォルニア州では
「1%の販売数増ごとに約$900価格が上昇する」
「1%の販売数減ごとに約$235価格が下落する」
というスナップショットの数字が現れました。
この比較で見ても、アメリカ不動産市場の底が手堅いことが分かります。
そしてこの数字が何の役に立つのかといえば、たとえばカリフォルニア州では先週から再びロックダウンに入りました。
厳密には3月中旬からのロックダウンよりはやや緩いのですが、
- レストラン
- バー
- ネイルサロン
- 床屋
等は屋内営業が再び禁止されているレベルです。
これに伴って7月のペンディング(契約中の数)がどれだけ変化するのか分かるのは来月ですが、ペンディング数はそのまま進めば販売数に繋がります。
すなわちペンディング数をもって少し先の契約数が読めることになり、その時のペンディング数が上昇するか下降するかに応じて上記1%増減の数字をもって
「おおよそこれくらい価格は上昇するだろう」
もしくは
「今度はこれくらい価格が下がるだろう」
という目安が測れることになります。
上記は州全体の平均値ですから、地域市場毎に同じ計算で数字を出すと地域に特化したより適切な予測ができると思います。
。。。
いずれにせよ、この6月までの統計をもってハッキリと分かったのは
- アメリカ不動産市場の需要は手堅い
- 住居物件市場は経済の動きに即座に反応する
- 現時点ではFRBの金利政策は思ったより功を奏している
- コロナウイルスが収束した後は市場が再び盛り上がる可能性は高い
ということです。
とはいえ世界経済の減速による影響はまだこれからです。
その影響が加速するのは、おそらく特定の大手金融機関が破綻することによる連鎖的な世界金融危機が始まってからではないでしょうか。
引き続き、世界経済の動きと同時にアメリカ不動産市場の今を観察し続けていきましょう。
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