FSBO(For Sale By Owner:物件オーナー自身による売却)コンサルティング案件が増加中です。
・バイヤーエージェントの報酬はバイヤーからお支払い頂きたい
・自宅も自分で売却することでリスティングエージェントへの報酬をゼロにしたい
という方はこちらからご連絡ください。
コンサルティング料金は発生しますが、リスティングエージェント雇用よりは大幅に節約が可能です。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
マルチファミリー物件のデュー・デリジェンスについてお伝えしています。
デュー・デリジェンスの順番として
1.数字の精査
2.物件内の精査
3.外観の精査
4.政府基準の精査
5.現行の契約事項の精査
の並びに進める中で、昨日までは
「2.物件内の精査」
を見ていきました。
物件内を視察しながらも同時によく把握しておきたいのは現在のテナントの様子です。
このあたりは慣れてくるとテナントの様子を見るだけでも
- これまでの管理会社のスクリーニング基準
- 滞納の割合
- テナントの将来性
がある程度つかめるようになります。
そこで、もしも
「テナントの様子がちょっと。。」
と、ある意味ドン引きしてしまう状態であれば
「この物件はやめておこう」
と諦めるべきかといえば、多くの場合答えは全く逆です。
不動産投資において最も重要なのは「土俵」である基本を思い出しましょう。
- 市場の成長具合
- 賃貸物件へのニーズ
- そこそこの学区
- 治安は良好
数字のみならず現場でも地元人の話や管理会社の話からこれらの裏が取れたのであれば、大多数のテナントを見て引いてしまうようならそれは
「これまでの管理会社の管理基準が甘かった」
という証拠ですし、このパターンではかなりの確率で家賃は市場賃貸価格よりも随分低いはずです。
するとここに
- 価格を大きく値引き出来る
- 時間をかけてテナントを入れ替える
の掛け算で、投資としてはかなり旨味のある案件となり得ます。
ついつい人の心理として
「学区は最高区で」
「ハイエンド物件で」
「テナントは全員優良で」
と最高基準から見ていきたくなるものですが、キャッシュフロー投資の真髄としてはアプローチは全く正反対なのです。
あくまでも
「市場そのものの土俵がしっかりしているのか」
を基準に将来性を判断していくとよいと思います。
本日も続けます。
外観精査のポイント
現場で物件を見るべきポイントとして外せないのが外観の視察です。
ここでの外観精査の目的は
「現状を査定し、修繕・リノベーションの必要性を判断すること」
になります。
主にどの物件にも共通する部分を通していきましょう。
屋根
屋根は物件の中で入れ替えが必要となった時には最もコストがかかる部分の一つです。
・新築当時から同じ屋根なのか。入れ替えたのであればいつに行われたのか。
・雨漏り箇所はないか
・一部剥がれている箇所はないか
を精査していきます。
HVAC
空調システムのことを
HVAC(Heating, ventilation, and air conditioning )
といいます。
マルチファミリー物件のHVACも通常は各戸毎に調整が出来るセントラル空調型です。
セントラル空調とは分かりやすくいえば「物件内部に埋め込まれたエアコン」のようなもので、壁の上部にある通気口から中央で温められた、あるいは冷やされた空気が出てきます。
このHVACもマルチファミリー物件のそれとなると相当なコストがかかるものです。
そこで各HVACについては
・設置されたのはいつか
・保証期間はまだ有効なのか
・メンテナンス契約はどうなっているのか
等を調べていきます。
電気の配線
電気配線はほとんどの場合は壁の中にあるために表からは見えません。
そして知っておきたいのは、
「使われるべき電気配線の種類には決まりがある」
「配線の方法は法律で決められている」
という点です。
このあたり、隠された目に見えない部分だからといってハイエンド物件でも違反していることが無きにしも非ずです。
そこで電気配線についても現在の規格に合っているのかをよく精査します。
配管
配管には上水と下水がありますが、
・配管は当時のままか、修繕した箇所があるか(いつ修繕したか)
・腐食している箇所はないか
・水漏れしている箇所はないか
等を調べる必要があります。
配管の素材としては
- 銅
- ポリ塩化ビニル
- 亜鉛メッキ
等がありますが、長年使い続けているとそれぞれ独自の痛み方をするものです。
壁のペンキ
外観のペイントも全体の塗り直しには相当なお金がかかることになります。
そこで
・最後にペイントされたのはいつか
・色が剥がれている箇所はないか
・壁そのものが傷んでいる箇所はないか
等をよく観察して記録しておきます。
歩道と駐車場
マルチファミリー物件の場合、シングルファミリーと大きく違うのは敷地内に歩道と駐車場があることです。
ダウンタウンのような街中では敷地も限定されるとはいえ、それでも歩道がない物件はほぼないと言えます。
そこで物件に所属する歩道と駐車場を見て、
・ヒビが入っている箇所はないか
・くぼみはないか
・それらの箇所に対してはどのレベルの修繕が必要か
を精査していきます。
ランドスケープ
ランドスケープは日本語で景観と訳されることが多いようですが、商業物件でいうところのランドスケープは
- 敷地内の樹木
- 灌漑設備
- スプリンクラー
等が含まれます。
景観を成す木々と同時に、それらを維持するためのシステムです。
そこで
・木が大きくなりすぎてトリミングが必要ではないか
・木の根っこが歩道を持ち上げてヒビをいれていないか
・木の根っこが建物の構造部分に圧力をかけていないか
・水撒きスプリンクラーは正常に作動しているか
等を確認していきます。
。。。
外観の精査について一通りポイントを上げてみました。
外観を精査する時には何でも目に入るものを手当たり次第に見るというよりも、
1.最低でも上記のポイントを全て押さえる
2.エキストラで目に入る部分をチェックする
という順番で押さえていくと良いと思います。
実際にはこの外観の精査も専門家の調査によりかなりのレベルであぶり出されてきますが、調査会社により
調査を行う部分
調査を行わない部分
と違いがあり得ますので、自分が雇う物件調査の専門家がどの範囲をカバーするのかを把握しておくことは大切です。
ここもまた自己責任の範囲ですから、
「依頼すれば全てを見てくれるのだろう」
と高をくくらず、調査会社に対しては
「どの箇所を精査してくれるのか?」
は必ず確認しましょう。
「うちは屋根は確認しません」
「うちは天井裏までは見ません」
等は事前にこちらに知らせずに自社のポリシーの範囲のみでしか精査しないのが普通ですから、雇う前には
「どの範囲の調査をカバーするのか?」
は確認した方が良いですし、願わくばマルチファミリー物件の場合は
1.自分自身で確認する
2.自分である程度状態を把握した後、専門業者にダブルチェックさせる(よく見てほしい箇所を指示する)
という手順を踏みたいものです。
明日に続けます。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。