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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
マルチファミリー物件のデュー・デリジェンスの仕上げとして
4.政府基準の精査
5.現行の契約事項の精査
についてお伝えしています。
物件そのものについては政府権限を基にする基準として
- 土地は適切な使われ方をしているか
- 消防規則に反している個所はないか
- 物件構造に人体に影響し得る成分(政府規定で現在は使用が禁止されている成分)が使用されていないか
- 許可申請中の案件はないか
- 許可を取得せずに勝手に設置された設備はないか
等を確認しておく必要があります。
上記のリストを見ても分かるとおり、これらは直接的には
グロスインカム
キャップレート
といった物件の運用成績に影響するものではありません。
にわか投資運用成績には関係がない項目に見えてしまいますのでデュー・デリジェンス時には
不具合に全く気付かない
もしくは
精査が中途半端になりがち
なものですが、例えば
「構内の真ん中に設置されたバーベキュー施設は市の許可を得ずに設置されていた」
となればどうでしょうか。
日本では考えにくいことかもしれませんが、米国ではなきにしも非ずです(類似ケースで失敗の経験者。。)。
そしてもしもそれが消防法に違反していて、役所の目に止まって
「直ちに撤去するように」
とでも支持されようものなら、その撤去にかかる費用は当然ながらすでに新オーナーになっている自分が負担することになります。
この手のトラブルを回避する作業こそが契約期間中のデュー・デリジェンスですから、こと細かい精査を心がけておきましょう。
そこで今日はマルチファミリー物件デュー・デリジェンスの最後、現行の契約事項についてみていきましょう。
現行のサービス契約は
シングルファミリー物件とは違い、マルチファミリー物件の運営には数多くの外部業者が関わることになります。
それら外部業者を統括するのが大元の管理会社の役割ですが、購入前のデュー・デリジェンス期間には
「現行のサービスは何が契約されているのか」
「それらはどれくらいの期間、いくらで契約されているのか」
を確認する必要があります。
またここで確認したいのは外部業者との契約はもとより、テナントとも契約が必要なものについてはテナント契約の現状についても一つひとつ拾い上げて精査する必要があります。
いくつかの項目を上げてみます。
広告契約
マルチファミリー物件で広告を契約しているとすれば、もちろんその目的は「賃貸マーケティング」です。
現代の賃貸マーケティングはもっぱら9割方が
・各種MLS
・地元ウェブサイト
等のインターネット広告に移行しています。
けれどもまれに
・地元新聞
・地元雑誌
等に掲載を継続している場合もあり得ますので、空室を埋める為の広告がどの媒体でどのように契約されているのかは確認しておきましょう。
ケーブル会社
ケーブル会社との契約目的は主に
・インターネット環境の整備
・無料テレビの提供
等に必要になります。
大抵はオーナーは個々の世帯契約には携わらず、各世帯で個別にケーブル会社に連絡して契約しているものです。
けれどもシステマチックなマルチファミリー物件の場合、全世帯への効率的なコミュニティー手段の一つとしてケーブル会社と契約している場合もあり得ますから
・建物全体としてケーブル会社と契約しているのか
・契約がある場合、どのような内容になっているのか
等は必ず確認しましょう。
セキュリティ会社
規模の大きいマルチファミリー物件の場合、大抵はセキュリティ会社と契約しているものです。
独自のセキュリティ体制が確立されている場合は
・構内にセキュリティカメラを設置する
・管理事務所でモニタリングしながら一定期間録画を残している
のみとしている場合もありますが、施設によっては現行でモニタリングそのものをセキュリティ会社に委託している場合もあります。
そこでセキュリティ契約がどのような内容になっているのかを確認し、
・現行のセキュリティシステムを引き継ぐ
・新しいセキュリティ体制に切り替える
等の判断が必要となります。
ランドスケープ
物件外観のデュー・デリジェンスの中でも触れましたが、きちんとした景観を保つことは極めて大切です。
ここはテナントに対しても大きくその心理面に影響を与えてきます。
どういうことかと言えば、マルチファミリー物件構内の景観が
構内の美化が徹底されておらず、ところどころ草も生え放題
常にきちんと手入れがなされており、整然とした空気が流れている
という二者があるとすれば、不思議なことに前者ではテナントの姿勢がだらしなくなり、後者ではテナントの美化意識が保たれるのです。
結果として後者では
・訪れる誰もが気持ちよく感じる
・テナントの層がよくなる
・契約更新の確率が高まる
等の善循環が出てきますから、ランドスケープの整美は怠ることは出来ません。
そこでマルチファミリー物件のデュー・デリジェンスにおいては、ランドスケープの維持に関する現行のサービスも確実に確認するようにしましょう。
空調システム
HVAC(Heating, ventilation, and air conditioning )
については外観の精査の部分でもお伝えしましたが、現代の生活に空調システムは欠かせないものです。
真夏
真冬
この双方において空調に不具合が出た場合には対応が必要になりますし、マルチファミリー物件ともなるとその世帯の数だけHVACが必要となります。
そしてこれらの空調設備は修繕・交換に非常にお金がかかりますから、「常日頃からのメンテナンス」が殊の外大切なのです。
そこで通常はHVACメンテナンスの契約がなされているはずですので、
・どれくらいの頻度でメンテナンスがなされているのか
・どのようなメンテナンス内容がカバーされているのか
・費用はいくらかかっているのか
は確実に確認するようにしましょう。
プール・ジャグジー施設
マルチファミリー物件によってはプールやジャグジー施設が添えつけられている場合があります。
賃貸力を上げる要素ではありますが、当然ながらその維持管理にはそれなりの費用がかかるものです。
また双方ともに専門家による定期メンテナンスは必須となります。
このあたりのメンテナンス契約が存在しないことはまずありませんから、
・どれくらいの頻度でメンテナンスがなされているのか
・どのようなメンテナンス内容がカバーされているのか
・必要はいくらかかっているのか
は確認しておきましょう。
。。。
数日に渡りマルチファミリー物件のデュー・デリジェンスについてお伝えしました。
本シリーズでお伝えした内容はおよそ全てのマルチファミリー物件に共通し得ることです。
同意に、実際にはその物件独自の施設・サービス並びにその契約に特化した内容は別途精査の必要があるだろうことを申し添えておきます。
いずれにせよ、ここから少し先の市場では
2ベッドルーム
1ベッドルーム
に対する需要は特需ともいえるレベルで増えてくることが予想されます。
私自身もここからのアメリカ不動産市場の動きと同時にマルチファミリー物件のディール案件についてはモニタリングを強化している次第。
今後のマルチファミリー市場の盛り上がりに期待したいと思います。
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