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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
先月8月度のカリフォルニア市場の結果が発表されています。
カリフォルニア市場は全米の先行指標としても使われている為、コロナウイルス期に入ってからは当ブログでもその傾向を毎月お伝えしているところです。
4月と5月に販売数と価格は共に大きく落ち込みましたが、6月には大きくジャンプアップして回復基調が始まりました。
そのまま2020年のピークタイムに突入して7月は引き続き回復。
この力強い回復の背景にはFRB(米連邦準備理事会)による実質ゼロ金利政策があります。
ゼロ金利の結果アメリカ不動産金融のモーゲージ金利はその歴史上最も低い利率にあり、本項を書いている時点で大手金融機関でも2.9%以下という驚異的に低い金利に収まっています。
「コロナウイルスはいつか収束する」
「それならば金利が低いうちに物件を購入したい」
誰でも経済的利益に対しては積極的に動きますし、それでなくとも持ち家のような長年にわたり支払いが続くものに対しては少しでも安くしたいと思うのはごく自然のことです。
今回の低金利はそのように考える人々を後押しし、この夏の米国不動産は順調に回復してきました。
そしてこのタイミングでFRBのパウエル議長は9月16日の記者会見で
「より長い期間、ゼロ金利を続ける」
と明言しています。
この言葉がそのまま実現すればモーゲージの低金利もしばらくは続くことになりそうです。
実際のところこのパウエル議長の言葉の意味は相当に重く、様々な不安要素が米国経済に影を落としていることを如実に反映しています。
そんな背景を踏まえて、8月度の結果を見ていきましょう。
価格は上昇、けれども販売数は下がる
まずはここ数ヵ月お見せしている表を並べます。
画像の大きさの関係で、ここでは4ヵ月単位の表にしておきます。
今回は5月度~8月度の表です。
(クリックで拡大出来ます)
上記の通り、6月から8月にかけて見事に全ての地域で価格は上昇しています。
価格は昨年比ではほぼ全ての地域で10%以上の伸びとなっており、上昇しすぎな感があります。
販売数こそ先月比を下回っていますが、このことは新年度に合わせた例年の動きを踏まえると不思議ではありません。
ほとんどの学校は8月に始まり、最も引越しが活発なのは7月ですからこの傾向は全米の多くで見られるものです。
そこで物件価格だけを見ると
「この夏にカリフォルニア市場は完全に回復した」
と言えますね。
ただし、私(佐藤)自身は「この回復ぶりは正常ではない」と考えています。
ついでになりますが、
物件購入を依頼しているリアルターから『アメリカ不動産はこの夏から上昇し続けるから大丈夫』と言われていますが、本当に大丈夫でしょうか?
そんなセカンドオピニオンを求めるご質問がありました。
。。。
佐藤自身がリアルターなのでこのように言うのもなんですが、購入者が不安に思う情報を伝えるリアルターはほとんど見たことがありません。
このことは別にリアルターに限ったことではないでしょうし、セールスする立場の者が
「買わない方がいいですよ」
「価格は下がりますよ」
とはまず言わないでしょう。
もしも今のタイミングで本気で
「これからも間違いなくアメリカ不動産は上昇し続けますよ」
と言うリアルターがいたとすれば、そのリアルターは常日頃から「今の市場しか見えていない」ということです。
そこでリアルターとして同じ立場ながら、私(佐藤)自身は
「確かに価格は上昇している。けれどもかなり警戒した方がいい。」
と見ています。
もう少し正確にいえば、コロナウイルスの影響により
「アメリカ不動産市場はオセロがひっくり返ったかのようにバブル化した」
と思いますし、その証拠はすでに見え始めてもいます。
客観的に判断して頂けるように、先週一週間の間に日本でもYahooニュースで紹介されていた事例を上げます。
カリフォルニア市場とフロリダ市場という、どちらもキャピタルゲイン市場の事例です。
【カリフォルニア市場】
全米最高額から62%オフ(それでも100億円)…ロサンゼルスの大豪邸を見てみよう【フロリダ市場】
Yahoo! JAPAN ニュースより
タイガー・ウッズの前妻が“4割引き”の30億円で大豪邸を売却
私(佐藤)は家が大好きなので、このようなハイエンドを見ると心からワクワクします。
けれども今のアメリカ不動産市場を観察し続ける私たちとしてはこれらの記事を読んで
「へー、ほー。すごいなー。」
で終わってはいけません。
上の2つの記事から読み取っておきたいのは、
「市場の年間ピークタイムであっても、今のキャピタルゲイン市場ではハイエンド物件はかなり値下げしないと売れなくなっている」
という事実です。
ハイエンド物件でも62%引きの売却など聞いたことがありませんし、よほど売主は売りを急いでいたことが分かります。
タイガーウッズの前妻も40%引きとは、これは2008年からの大暴落時のShort Sale(ショートセール)レベルです。
なぜそんなに売りを急ぐ必要があったのでしょうか?
様々な個人的理由があろうかとは思いますが、不動産物件を所有する人々が売却を急ぐ時の一番の理由は主に
- キャッシュポジションを取る為(安く売っても損はせず、キャッシュを確保して先の投資機会に備える)
- 目先にまずい状況があり、キャッシュで補填する必要
のいずれかその両方です。
そのような事情がなければ、ここまで値引きして売却する必要はありません。
いずれにせよ、これら2つの事例は
「ハイエンド物件の市場価値が実体経済に全く見合っていなかった」
ことをはっきりと証明しています。
冒頭にご紹介した8月度のカリフォルニア市場を見ると住居物件は元気に回復しているように見えますが、その実体はハイエンド物件方がより正確に反映していると思います。
すなわち、8月度のピークタイムとはいえどもコロナ期に不動産市場がここまで回復するのは明らかに不自然なのです。
このあたりをもう少し深堀してみましょう。
明日に続けます。
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