昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
「2020年末から、物件在庫数の増加により不動産価格は下がる可能性が高い」
佐藤はそんな主張を展開しています。
その根拠はここ最近ご紹介しています、
- モーゲージローン債務不履行の増加
- 家賃滞納の増加
です。
需要と供給のバランスが
「(需要<供給)= 価値は下がる」
こちらに振り子がふれる時、アメリカ不動産価格は下がり始めることになります。
そこで今のバブル度合いを
レベル1 ~ レベル10
でいうならば、たった今は「バブルレベル 3」あたりのように思います。
レベル3とはいえ、
「価格は下がるだろう」
と予想されるレベルです。
また後日お伝えしますが、そのレベルが8~9に向かう可能性もゼロではありません。
これに対し、あえて
「いや、価格は来年も再来年も、全く下がらずに上昇し続けるよ」
そんな主張側に立ってみる時に、
「確かに、価格はほとんど下がらないかも」
という可能性があるとすれば、
「Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)の期限切れた後でも、差し押さえ物件数の増加に影響しない時」
です。
すなわち、Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)そのものは「差し押さえ権利行使の差し控え」のことであり、
- モーゲージローン支払いを無条件に待ってもらえる
- 遅延・滞納に関するペナルティは課されない
- けれども過去の滞納累積額が免除されるわけではない
これがMortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)のルールです。
そして最新の情報では、9月27日の時点で340万人がMortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)プログラムに加入しており、モーゲージローンの支払いを停止している状態です。
より厳密にいえば、Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)の適用を受けている人々の数はモーゲージローン保有者数全体の割合でいえば9月末だけでも
6.87% ⇒ 6.81%
と減少傾向にはあります。
とはいえ、全体として今夏は物件保有者も一気に増加してモーゲージローンの総数も増えたわけですから、この程度の下げは「モーゲージローンの新規保有者が増えただけ」と言えなくもないように思います。
そこで、
「Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)の期限切れが在庫物件数の増加にはつながらない」
というシナリオが実現するとしたら、それは
「現在の債務不履行の数に相当数の『なんちゃってフォーベアランス』が紛れ込んでいる場合」
だと思います。
本日も続けます。
政府支援に乗じる人々がいる
モーゲージローンの支払いを無条件に停止できるMortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)の恩恵にあずかるには、自分自身でプログラムに申し込む必要があります。
そこでMortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)に申し込む際の条件をみてみましょう。
厳密には申し込みに必要な情報や条件は融資元の金融機関によって若干の違いがありますが、ここでは一般的な内容を記載します。
( )内は佐藤による意訳です。
モーゲージ・フォーベアランス申し込みに必要な書類
■ An estimate of your current monthly income
(現在の毎月の収入見積もり額)■ An estimate of your current monthly expenses
(現在の毎月の支出見積もり額)■ An explanation of your hardship (if possible, documents that substantiate your claim)
(経済的に困難な状況にある説明:可能であればその状況を実証する書類も提出)
いかがでしょうか。
ここで気づいておきたいのは、
- 実際の給与明細
- 実際の支出証明
- 経済的に困難な状況を実証する書類
といった、モーゲージ・フォーベアランスが必要であることを証明する証拠書類は何一つ必要ない、ということです。
言い換えると、コロナウイルスの拡大に伴い緊急に整えられたCARES ACT(ケアーズ法)に含められた
Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)
については、
「証拠は何一つ必要なく、手を上げれば誰でもその恩恵を受けられる」
という、半ばざる状態の受け入れ態勢となっているのです。
事実、先のアメリカ不動産市場の動向を占う上で大切な指数の一つとなるMortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)には、どうやら本来は必要としない人々も数多く紛れているようです。
ここでいう本来はモーゲージ・フォーベアランスを必要としない人々というのはもちろん、
「実際にはモーゲージローンの支払いを継続できるが、それでもわざとMortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)を使って支払いを滞らせている人々(あるいは法人)」
のことを言います。
例えばモーゲージローンの支払いが毎月$1,200であれば、その支払額は
$2,400
$3,600
$4,800
。。。
と積みあがっていきます。
後になればなるほど、支払いは大変なことになりそうです。
それなのに、なぜ「なんちゃって組み」は後から支払いが困るはずなのにわざと滞納させているのでしょうか。
明日は、このなんちゃってフォーベアランスの実体ついて詳細をみていきましょう。
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