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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
週に一度、ケラーウィリアムズのチームで集まるZoomミーティングがあります。
- その週の動き
- 方針の確認
- 市場に出ていない新しいリスティング情報の共有
等が40分程度で行われますが、
- ネクタイをつけてビシッとしている者
- 普通に私服の者
- サングラスに車を運転しながら参加する者
等が多人種に集まる中、その身なりはよそに画面の中では全員が意識を統一させる時間です。
そして先週行われたミーティングで、チーム内のモーゲージ・ローンの専門家が連邦政府機関の新しい方針を共有した場面がありました。
その内容に軽く驚きましたが、「さもありなん」と思われた次第。
翌日には案の定、カリフォルニア不動産協会からも発表されていましたのでそのままコピーします。
The Federal Housing Finance Agency’s (FHFA) announced to increase the 2021 conforming loan limits for mortgages acquired by Fannie Mae and Freddie Mac to $548,250 on one-unit properties and a cap of $822,375 in high-cost areas. The previous loan limits were $510,400 and $765,600, respectively.
FHFAは2021年度のフレディ・マックとファニー・メイによるモーゲージであるコンフォーミング・ローンの一戸物件への上限をこれまでの$510,400と高額地域での$765,60を、それぞれ$548,250と$822,375へと引き上げる。
出典:カリフォルニア州不動産協会
(佐藤意訳)
来年2021年のモーゲージ・ローンに関する新しい方針がこの年末に示された形です。
コロナウイルスに端を発した現状を鑑み、供給過剰により物件価格が下がることが予想されていたものの
▼ アメリカ不動産金融史上で最も低い金利
に加えて今度は
▼ 融資枠の増加
が追加されることとなりました。
これにより、来年の物件価格の下落率はさらに低くなる目算が高いと思います。
今回のFHFAが出した方針について、上記の抜粋を使ってポイントを押さえておきましょう。
金融機関はConforming Loan(コンフォーミング・ローン)を好む
まずは押さえておきたいのが、アメリカのConforming Loan(コンフォーミング・ローン)の定義についてです。
「Conform(コンフォーム)」という単語は「con(合う)」と「form(形)」に分けると捉えやすいと思います。
ニュアンス的に「適正・適合」という日本語が適切かと思いますが、
「Conforming Loan(コンフォーミング・ローン)」
という場合は
「適性のある・適合したローン」
という意味です。
何に対して適合しているのかといえば、冒頭の発表にある
Federal Housing Finance Agency(FHFA:連邦住宅金融機構)
が定める基準に対してです。
もう少し厳密にいえば、このFHFA(連邦住宅金融機構)は独立連邦政府機関であり、あの
Fannie Mae(ファニー・メイ)
Freddie Mac(フレディ・マック)
を統括する機関です。
一時は民間企業であったファニー・メイとフレディ・マックは例の2008年以降の不動産価格暴落後に米国政府管轄下におかれることになり、現在はFHFA(連邦住宅金融機構)が統括しています。
そこで
Conforming Loan(コンフォーミング・ローン)
というと、
「ファニー・メイとフレディ・マック(実質はFHFA)が定める基準に沿ったローン」
ということになります。
では誰がこの基準に沿わねばならないかというと、もちろんモーゲージを取り扱う金融機関です。
各モーゲージ会社では大きく分けて
1.ファニー・メイとフレディ・マック(実質はFHFA)の基準に沿うローン
2.「1」の政府基準に沿わないローン
の2種類がある中で、どちらの方向でも融資することは資格上は許されています。
けれども各金融機関が「2」の方針で個人・法人に対して融資を許可するのは勝手ですが、この基準に適合しない
Non-Conforming Loan(ノン・コンフォーミング・ローン)
の場合は当然ながら政府保証はありません。
別の角度から図でいえば、モーゲージを取り扱う各金融機関、ファニー・メイ、フレディ・マック(実質はFHFA)の関係は
このようになっています。
つまり、各金融機関は個人・法人に対して融資を行った後は債権は保有せず、ファニー・メイやフレディ・マックに債権を譲渡しているのです(さもなくば融資資金が枯渇する為)。
これを融資を受ける個人・法人から見ると、
「自分が債務者として紐づけられている債権が裏でファニー・メイやフレディ・マックに譲渡されている」
ということになります。
各金融機関は債権の譲渡と引き換えに受け取った現金で融資資金を補填して、その資金を別の融資枠に充てて融資業務を続けていくことになります。
かくして上の図が示すように、各金融機関にとっては融資事業を継続する上で必要な軍資金を確保する為にはファニー・メイやフレディ・マックの存在は必須であり、その債権を引き取ってもらえる条件として政府機関が定義する基準を守ることが条件となっているのです。
そこでFHFAが定める基準の一つは冒頭の記事にあるとおり
「
The previous loan limits were $510,400 and $765,600, respectively.
(シングルファミリー物件に対する上限融資枠は$510,400、高額地域の場合は$765,600)
」
だったものが、
「
$548,250 on one-unit properties and a cap of $822,375 in high-cost areas.
(シングルファミリー物件に対する上限融資枠は$548,250、高額地域の場合は$822,375)
」
と、上限が大きく引き上げられることになりました。
多くの地域では
$37,850($548,250 - $510,400)
の融資上限増額、高額地域では
$56,775($822,375 - $765,600)
の融資上限増額ということになります。
この数字が持つ意味について、もう少し理解を深めてみましょう。
明日に続けます。
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