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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ国内にお住いの方々の個別コンサルティング時に割合として多いご質問についてご紹介しています。
昨日は
「(不動産市場の)クラッシュはいつ起こるのか?」
という質問について、
- 金利が上昇し始める時
- Eviction Moratorium(エヴィクション・モラトリアム)が失効した時
- Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)が失効した時
のいずれか、もしくは複数が起こった時に可能性があるとお伝えしました。
もっぱら、
「クラッシュ」
という表現が適切かどうかは分かりませんし、またそのきっかけは株式市場であることもあり得ると思います。
ちなみに、ここはバイデン新政権誕生が確定となった段階で(厳密にはその前から)分かっていたことですが、案の定、新政権ではどこまでも量的緩和政策を支持する方向になる様子。
もちろんその政策の良し悪しをこの場で語るつもりも資格もありませんし、この難局を乗り切るべく対策は打たれるべきです。
米国政府の決断と行動の早さそのものは率直にすごいなと思いますし、実際に公的資金を注入し続けるだけの理由はあると思います。
けれども翻って政府がエヴィクション・モラトリアムやモーゲージ・フォーベアランスそのものを失効させる場合、そこからアメリカ国内の不動産供給増が始まるだろうことは繰り返しお伝えしているところです。
そして昨日お伝えした通り、現実には対応そのものが各州により違いがあります。
この対応の温度差は
民主党よりの州か
共和党よりの州か
により違いが出てくることは周知のとおりですが、バイデン政権の始動と共に民主党よりのカリフォルニア州では案の定、手厚い政策の準備が進められています。
この点は昨日お伝えした通り、連邦政府としてはエヴィクション・モラトリアム(強制退去禁止)を
2021年3月31日まで
としていたところ、カリフォルニア州では全州に先駆けて
2021年6月30日まで
と更に延長することが決定しました。
この場合、最も長期間家賃収入が滞っているオーナーの場合は昨年の3月から実に15ヵ月間も家賃収入が入らないことになります。
けれども今回はこの延長決定と同時に、
「小規模物件オーナーにもモーゲージ支払いの支援を行う」
という政策が決定しました。
カリフォルニア州は100年前から、全米の不動産業界の中でも先進的に不動産法を整えてきた州です。
今ではどの州でも当たり前となったエスクロー制度もカリフォルニア州から開始され全米に広まった経緯があり、買主保護を強化する売買取引の法律を全米に先駆けて整えてきたのもカリフォルニア州でした。
そして今回もエヴィクション・モラトリアムに絡んで、いち早く
- 物件オーナー
- テナント
の双方を支援する政策を実行するようです。
恐らくこの流れはさざ波のように全米各州に伝播していくことになるでしょうし、バイデン政権下ではこのように徹底的に人々を助ける政策を続けていくことになろうだろうと思います。
カリフォルニア州の場合を更に詳しく
そこで不動産価格が下落し始めるきっかけとなり得るエヴィクション・モラトリアムの失効については各州ごとにそのタイミングをよく見ておかなければなりませんが、少なくとも今回のカリフォルニア州知事の決定が一つの羅針盤になるのではないでしょうか。
カリフォルニア州のケースはこのまま全米に伝播する可能性がありますので、もう少し深くみていきましょう。
昨日と同じ、カリフォルニア州政府ホームページの
からポイントを見ていきます。
まずカリフォルニア州の場合は連邦政府から割り当てられた2.6ビリオン(100円換算で2,600億円)が原資となりますが、その行く先は
The program will target aid to income-qualified tenants most at-risk with unpaid back rent.
(佐藤意訳)このプログラムは所得条件に合う、過去の家賃を滞納するテナントの支援を目的とする。
とありますから、一定の収入以下のテナントが対象ということになります。
そして次が大事です。
Assistance will also be extended to property owners who agree to waive 20 percent of unpaid rent. By agreeing to this waiver, property owners will become eligible for 80 percent in rent reimbursements for amounts owed between April 1, 2020 and March 31, 2021.
(佐藤意訳)支援政策は過去の滞納家賃総額20%免除に同意する物件オーナーに対しても適用される。この免除に同意する場合、物件オーナーには2020年4月1日から2021年3月31日までの家賃滞納総額の80%が補償される。
なんと、物件オーナーは昨年4月から本年3月までの家賃滞納総額80%をカリフォルニア州政府から受け取れるとのこと。
満額ではないにせよ、20%や30%といった小さい額ではなく80%が補償されるとはかなり大きな金額です。
一言でいえば、カリフォルニア州政府がパンデミックの影響で家賃滞納が続くテナントに免罪符を与えて
「あなたは過去の家賃は支払わなくていいですよ。」
「政府が代わりにテナントに滞納の80%を支払うことで、オーナーと手打ちとしますから。」
と述べていることになります。
誓っていいますが、私(佐藤)はこのような寛大な政策を取るアメリカの姿を過去に見たことがありません。
結果としてカリフォルニア州では本年6月30日までエヴィクション・モラトリアムが継続され、温度差はあれども民主党よりの他州も似たような政策で追随してくるものと思います。
その意味では、不動産市場を発端とするクラッシュは今のところ随分軟化の方向に進んでいるのかもしれません。
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