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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨今の経済格差の広がりの背景から、
Affordable housing(手に届く価格の住居)
に焦点を当てています。
アメリカで最もホームレスが多い都市はロサンゼルス市ですが、とりわけ昨年のパンデミック以降にロサンゼルス市を始めとして全米各地でホームレスの数が急激に増えています。
例えばアリゾナ州では
Tucson(ツーソン)市
Phoenix(フェニックス)市
という二つの都市が車で2時間ほどの距離で隣接していますが、Tucson(ツーソン)のダウンタウンにはホームレスの人々が大勢いる一方でPhoenix(フェニックス)のScottsdale(スコッツデール)と呼ばれる高級住宅街で目にする車はフェラーリばかりという有様。
昨年のパンデミック以降にさらに加速し始めた経済格差は埋めようがなく、今後も格差は拡がり続けるのではないでしょうか。
そしてここに深い根を下ろす米国の大きな課題の一つが
Affordable housing(手に届く価格の住居)問題の拡大
であり、
- 物件価格の高騰
- 家賃の高騰
に関する課題は末長く続くだろうことが予想されます。
Affordable housing(手に届く価格の住居)問題について、もう少し深く見ていきましょう。
全米各都市で浮き彫りになる課題
Affordable housing(手に届く価格の住居)問題を深く理解するために、rentcafe.comから統計を引用してみます。
上記に並ぶのはアメリカの中で過去10年に家賃が大きく上昇した代表的な都市です。
統計そのものは2019年のパンデミック前のものですが、過去の傾向と2020年以降の経済格差の拡がりを検証する上で大変参考になります。
例えば一番上のロサンゼルス市の場合は2019年の平均家賃が$2,527ですが、この数字は過去10年で65%上昇したとのこと。
10年前は平均$1,531.51だったものが、平均$2,527まで上昇してきた計算になります。
年間にすると6.5%の上昇ですから、この家賃上昇は住民にとってはかなりきついものがあります。
そして最も大きな変化が確認できるのはコロラド州デンバー市です。
2019年の平均家賃は$1,660ですが、10年前の平均と比較するとなんと85%も上昇しているとのこと。
平均$897.29と低い推移にあったものが、一気に平均$1,660まで伸びてきたわけです。
今度はこれら2都市の住宅価格の変化を見てみましょう。
それぞれの都市の住宅価格を
2019年の平均価格(10年前の平均価格)
という表示で並べてみると
ロサンゼルス市 … $774,000($394,897)
デンバー市 … $430,500($211,029)
という変化です。
両都市とも相当に値上がりしており、今の米国では
「半数以上の人々が$250,000以上の住宅を購入できない」
ということでしたから、大抵の人々はこれらの都市で物件を購入できないことになります。
反対に未だに購入できる物件があるのは上記の中では
- Jacksonville(ジャクソンビル)市
- Baltimore(バルチモア)市
- Tucson(ツーソン)市
の3都市だけです。
所得増が追いつかない
そして上記のグラフで最も注目しておきたいのは「所得の変化」です。
過去10年の
- 賃貸価格の変化
- 物件価格の変化
はよく分かりましたが、それでは所得の変化はどうなっているのかと言えば先のロサンゼルス市とデンバー市でいえば
- ロサンゼルス市 … 36%
- デンバー市 … 55%
となっており、年間所得の伸びがそれぞれ3.6%と5.5%です。
これらの数字は物価指数の変化には対応できる所得増と言えますが、実際には欠かすことの出来ない衣食住の中でも「住」に対しては全く対応できていないことが分かります。
賃貸物件のみに絞ったとしても
ロサンゼルス市 ⇒ 家賃65%の変化に対し所得の伸びは36%
デンバー市 ⇒ 家賃85%の変化に対し所得の伸びは55%
ですから、所得の伸びが家賃の上昇率に全く追いついていないのです。
そうすると普通に考えれば、賃貸物件に暮らす人々の中で住宅購入にも踏み切れない方々は
→ 大家に交渉して毎年の家賃上昇を抑える
→ 引越してダウンサイジングを図る
のいずれかを選ぶしかありません。
結果として、ここは想像に容易いと思いますがこれからは全米各地で
Affordable housing(手に届く価格の住居)への需要が増える
という現象が出てくるのです。
そして実際にはパンデミックをきっかけとして
- 家賃上昇
- 物件価格上昇
は益々進んでいくことになりますから、Affordable housing(手に届く価格の住居)に対する需要が増えるどころか、現実には
Affordable housing(手に届く価格の住居)の不足が深刻化
することが半ば約束されていることが分かります。
このことは本年から来年にかけて相当に深刻な問題としてより表面化してくるはずですが、見方を変えると
「Affordable housing(手に届く価格の住居)の分野は相当な需要が長期に渡り約束されている」
と言えるわけです。
明日に続けます。
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