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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
先日もちらりと触れましたが、今の時期に新規の方々から頂くご質問に結構な割合で共通する内容があります。
それは
「テナントが家賃を支払えない状況が続いています」
「Eviction Moratorium(強制退去禁止)の為に何もできません」
「どのように対処するべきでしょうか」
という家賃を滞納するテナントに対する質問です。
従来、アメリカの賃貸事情としては
「家賃未納のテナントに対しては即強制退去の手続きが取れる」
というものでした。
厳密には滞納した翌日というわけにはいきませんが、管理会社に指示して
「30日前通知」
を
「残念ながら、〇月分までの家賃の支払いが確認できておりません」
「ご署名頂いた賃貸契約に基づき〇日までに〇月分の家賃をお支払い頂く必要があります」
「〇日を過ぎてもお支払いが確認できない場合、裁判所を通した退去手続きに入らせて頂きます」
このような趣旨を書面で届けることで退去手続きを開始できたのです。
この手のやり取りでは自分からテナントに直接連絡することは避けておく必要があります。
特に自分自身が物件の近くに暮らしており、少しでもテナントと交流があったのであれば確実にそこには互いに(良くも悪くも)私情が入ってしまいます。
そうすると自分の判断にブレが出てしまいますし、仮にテナントとは親しい中であったとしてもあくまでも管理会社を通して強制手続きを開始する必要があるのです。
ところが、過去には当たり前であったこのような強制退去の手続きが昨年のパンデミック以降はケアーズ法により「Eviction Moratorium(強制退去禁止)」が施行された結果、コロナウイルスの影響で収入が少なくなった人々は家賃支払いをしないまま居座れる状態が続いていました。
退去を促すべきか
けれども当ブログでも何度かお伝えしている通り、明後日の
6月30日
にはいよいよこのEviction Moratorium(強制退去禁止)が失効となります。
そうすると必然7月1日以降は全米で強制退去手続きに入る件数が一気に増えてくるはずです。
そこで冒頭のように自分の所有する物件でEviction Moratorium(強制退去禁止)の影響で家賃収入が留まっていた場合、強制退去の手続きは実行するべきでしょうか。
またもしも実行するのならば、どのタイミングがベストでしょうか。
この点は新規にご質問くださる方々には平等にお伝えしていますが、
「7月1日になったらすぐに強制退去手続きを行う」
のが最善だろうと思います。
ここは経験上ほぼ断言できますが、
「強制的に退去させてしまうとテナントはいく場所を失うのでは」
この理屈はほぼ当てはまりません。
特に今所有されている物件の家賃が$1,000以上であれば、そこに入居するテナントの方々は
- 暮らす物件のグレード
- 暮らす地域
をワンランクもしくはツーランク下げることで、ほぼ間違いなく賃料の安い物件は見つかります。
「引っ越しは不可能だ」と思わせてしまうのはあくまでも感情面です。
人は誰でもたった今暮らす物件のレベルに心地よさを感じる心理がありますし、部屋数が
5ベッドルーム
4ベッドルーム
3ベッドルーム
2ベッドルーム
このいずれであれそれなりの期間入居している人々は習い性で
「この部屋数とこの広さが自分が暮らすべき空間だ」
そんな風に意識が固まってしまうものです。
けれども
4ベッドルーム
で暮らすテナントが家賃が払えないからと
3ベッドルーム
に引っ越すとき、そこには感情的な抵抗が起こります。
1ベッドルームや2ベッドルームで暮らす人々から見えれば
「え、3ベッドルームなら十分じゃない?」
と思うところですが、長年4ベッドルームで暮らしてきたテナントからすれば
「4ベッドルームが自分のライフスタイル」
という観念が定着していますから、3ベッドルームにランクを落とすことは精神的に非常に苦痛なのです。
また女性の場合はとりわけ荷物をしまうストレージの数と広さを重要視する方々も多く、物件のランクを落とすことでストレージ容量は減ることがストレスにもなるのです。
互いの為に強制退去をいち早く
そんな感情面を配慮すると気の毒に思う部分はあるものの、冷静に考えれば物件オーナーとテナントの双方にとって最善の解決方法は
「早期に強制退去の手続きを開始すること」
である場合がほとんどです。
情がない対応だと思われる向きもあるかもしれませんが、けれどもその結果を知れば誰もが強制退去が最善の解決方法であることに気づきます。
物件オーナーにしてみれば家賃収入がほぼ唯一の収入になりますが、家賃収入がなかったとしても
- 管理料
- 固定資産税
- 保険料
等の支払いは待ってくれることはありません。
家賃収入がないのであれば自分のポッケからこれらの支払いをするしかなく、最悪の場合は物件を手放さねばならなくなるのです。
またテナントの方はよほどシリアスな問題であり、
「過去数カ月家賃を滞納している」
という状態のテナントが過去の滞納分をまとめて支払えることはまず期待できないと思います。
そうすると強制退去は決して冷遇の類ではなく、テナントにいち早く行動を起こしてもらうためのきっかけになり得るのです。
もちろん強制退去の手続きを受けるテナントとしては相当な不安を覚えることは間違いありません。
先に書いた物件のグレードを落とさざるを得ないことへの残念さもさることながら、過去には支払えた家賃が支払えないことはある意味
「社会で生きていく力が否定された」
という感情も働きますし、何よりも自分の経済状況に大きく不安を覚えます。
けれども実際には必ずしも個人の能力に帰結するわけではなく、今回のようなパンデミックの影響下であれば時の運も大いに影響してきますし、テナントに対しては少しでも早く再スタートを切らせてあげることが、本当の愛情だと思うのです。
この強制退去については賛否両論あろうかと思いますが、7月1日以降は躊躇なく強制退去の手続きを開始した方が結果として双方にとって良好な結果になるだろうと思います。
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