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お金の知識を学ぶ前に

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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

とある20代前半、学生の女の子から相談を受ける機会がありました。

いわく、

「どうやったらお金を稼げるのですか?」

との実にストレートな質問。

「お金を稼ぎたくて仕方がないんです」

「その為にはどんなことでもやります。」

と気合十分。

男性でも女性でも、このくらいの学生あるいは学生上がりの若者でやる気に満ち溢れたその表情には輝きすら見えます。

思い返せば、私(佐藤)自身もこのくらいの頃には朝起きて夜布団に入るまで何かに集中していましたし、将来は明るい未来になることを信じて疑いませんでした。

けれども、よく考えてみるとお金に対してはさほどガツガツしていなかったかも。

もちろんお金を稼ぐことの必要性は認識していましたが、けれども

「何としてもお金を稼ぎたい」

とは考えず、それよりも

「自分は将来に向けてどんな技量を身につけられるか」

だけに意識を置いていたような気がします。

さておき、この女性の場合はとにかくお金を稼ぎたくて仕方がないとのこと。

かなりおおっぴろげにストレートな質問ですのでこちらからも遠慮なく

「なんでお金が欲しいの?」

「ブランド物でも買いたいの?」

と聞いたところ、別に買いたいものがあるわけではないとのこと。

「じゃあなんでそこまで?」

と聞くと

「もともとお金をきちんと管理するのが好きなんです」

「どんどん貯めて、老後に対して安心感を得たいんです」

「口座にお金があると、なんとなく心が安心しますし」

との答え。

世代間の違いを持ち出すわけでも是非を問うわけでもないのですが、お金をどんどん貯めて安心したい、そんな風に学生の身分から考える答えにはある意味新鮮な印象を受けました。

とりわけ将来が不透明な今の時代に若い頃から将来を見据えて動く気概はもちろん大切だと思いますし、実際に行動を起こすのは結構なことだと思います。

けれども将来に備える方法の理解が

⇒ 生きていくにはお金が必要

⇒ 老後に困らない為には多額の貯蓄が必要

⇒ だから銀行口座にお金をどんどん貯める必要がある

この認識で止まってしまうのは、まさに教育の弊害です。

正確には弊害というよりも

「お金に関する教育」

が欠けている今教育カリキュラムに問題があるという方が正しいかもしれません。

残念ながら世の学校教育ではお金の知識に関する授業はほとんどありませんし、それは現代社会を原始時代にたとえるなら

「狩りに必要な道具の必要性と使い方」

を何も教えられずに未知の森に出かけてしまうようなもの。

やみくもに武器を森で振り回すことは危険ですらあります。

そこでこの子の為を思えばこそ、

「銀行口座に貯蓄し続けるのは一番危険だよ」

「私(佐藤)は口座にはほとんど貯金していないよ」

と伝えると、瞬間、体を後ろに仰け反らせて驚いていました。

彼女に伝えたことに噓偽りはなく、キャッシュが貯まる度に資産に入れていますから手元(口座)にキャッシュが残るはずがありません。

「老後の安心をつくるには、キャッシュを銀行口座に置かないこと」

およそ彼女がこれまでの20年の人生で知り得ただろう

「老後の為に銀行口座にお金をどんどん貯金する必要がある」

との理解と正反対のことを言われたのでは困惑して当然です。

ほっぺたをひっ叩かれたような表情の後にはやる気の目が現れ、

「それはなぜですか?」

と聞いてきます。

間違いなく、この女性にはこのタイミングでお金の教育が必要でした。

お金の知識を身につける前に

とはいえ、若手からお金の質問をされる時には必ず伝えていることがあります。

若い時からお金に向き合う姿勢は素晴らしいと思いますし、彼女のようにブランドに走るではなく将来に備えたいのなら、そのやる気にこちらも嬉しくなってしまうものです。

けれどもお金に対する気負いが十分だからこそ、お金の知識について教える前に矯めておくべく部分があります。

彼女に伝えたのは、

「お金の知識を知るよりも前に、お金の感性を身につける方が先だよ」

ということでした。

このあたりは本田健氏の著作

「お金のIQ お金のEQ(お薦め本)」

に書かれてあるどおりで、

お金の知性

お金の感性

この両方のバランスが何よりも大切だと思います。

そしておそらく、両者のうち身につけるのが難しいのは後者のお金に対する感性の方ではないでしょうか。

そもそもが今の学校教育ではお金についての授業はほとんどありませんが、教育課程を終えた後にお金の知識を深めるには

  • 仕事を通して学ぶ
  • 独学で学ぶ
  • メンターに学ぶ

等のパターンが考えられます。

けれども社会人となってお金について理解を深める機会はあったとしても、

「お金の感性について学ぶ機会」

これは極端に少ないものです。

けれどもおそらくお金の感性ほど大切な教育はなく、お金の感性を身につけないままでお金の知識が先行してしまうと結構な確率で

「お金に操られる人生」

になるものだと思います。

  • オレオレ詐欺
  • ポンジスキーム
  • 地面師

等、世の中には数えきれないお金にまつわる不正があります。

元ナスダック会長のバーナード・マドフ氏ほどの金融知識があるはずの人が150年の禁固刑に処されたのは、お金に対する知識以前にお金の感性を身につけていなかったことも否定できないように思います(マドフ氏は本年4月に服役中に他界しています)。

「どうやったらお金を稼げるのですか?」

「お金を稼ぎたくて仕方がないんです」

そう意気込む若い彼女には、お金の知識よりも先にお金の感性について教えていくつもりです。

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