こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
先だって、とある著名なアメリカ人不動産投資家から初心者の頃の体験を聞く機会がありました。
今ではミリオン単位に積み上げた資産を更に拡大し続ける彼ですが、当初は
「いかに自分のポートフォリオを拡大していくか」
「いかに借入金を増やしていくか」
に躍起になって動いており、特に資金調達のリサーチにかなりの時間を費やしローンオフィサーと打ち合わせを繰り返したのだとか。
その際に当時の収入証明を見せて借入金の相談をした際、ローンオフィサーから借り入れの限度を伝えられたそうです。
この点、初心者の方々からも
「借り入れが出来るのは3軒までと聞きますが本当でしょうか?」
「それ以降はどうやって借り入れるべきでしょうか?」
等の質問をよく頂くことがありますが、モーゲージローンの借入に限度が出てくるのは事実です。
そこで彼の場合もローンオフィサーから借入れ限度を聞かされてしばらく呆然とし、
「今のままでは借り入れが十分に出来ず、自分の目標に到達できない」
ことに気づきます。
そこで気を取り直して
「じゃあ、今の限度を超えてさらに借り入れるにはどうすればいいんだ?」
と聞いたところローンオフィサーは一言、
「今よりも稼ぐしかない」
と答えだったとのこと。
ここはかなり重要な部分なのであえて取り上げますが、
「今よりも稼ぐ」
これは当たり前に聞こえますが、現実にはここを強調して教えてくれる場面にはさほどお目にかからないものです。
「〇〇の株は今後伸びる見込み」
「〇〇の市場で不動産を購入するとよい」
「あれがいいし、これもいい」
「こんなテクニックがある」
そんな投資情報は巷に溢れています。
それらの投資情報の真偽は横に、少なくとも不動産投資の場合(のみならず恐らく全ての投資において)は投資情報やテクニックの話よりも以前に
「今よりも収入を増やす」
ここが最もキモになることは間違いありません。
1.収入を増やす
2.生活費以外の余った分を投資に回す。
3.結果として資産が殖える
4.ある地点まで到達すると資産が資産を殖やす
この流れは誰もが理解しているところですし、
「それはそうだよね」
と思える話です。
けれども実際のところ、
「(投資に回せる)収入を増やす」
この一番最初の前提はほとんど語られないものです。
収入の増やし方は千差万別ですし語りようがない部分でもありますが、それでもあえて現実を語れば
「Scalable Job(スケーラブル・ジョブ:収入規模を拡大し得る仕事の意)」
は資産構築においては一番最初に向き合う場面になると思ます。
アメリカ不動産投資の場合

そこで実際にアメリカ不動産投資の場合、どれくらいのボリュームを目指していけばよいものでしょうか。
Scalable Job(スケーラブル・ジョブ)とはいえ上を見ればキリがなく、
「自分が目指したい投資収入の目標金額」
を定めた後で、初めて収入を増やす目標も定まってきます。
初心者の方々から質問を受ける時、キャッシュフローの目標として最も多く伺う目標目安が
「アメリカ不動産投資から毎月$10,000のキャッシュフロー」
です。
この場合は
キャッシュフロー = 当月の家賃合計 - 当月の支出合計
ですが、固定資産税等の年に一度の支出を踏まえて年間で考えても
「年間$120,000のキャッシュフロー」
が必要となります。
そこで不動産投資の場合、目標を立てる時の軸は私(佐藤)自身は
- ユニット数
- ユニット単位のキャッシュフロー
の2つで考えています。
ここでいうユニットとは戸数のことで、
- 一戸建て物件
- 複数世帯物件
のいずれにせよそれは戸の集まりですから、例えば
- 一戸建て物件を2軒所有
- フォープレックス(4戸入っている)物件を1軒所有
ということであれば、この場合は合計が
「6ユニットを所有している」
ことになるわけです。
より厳密にいえば、ユニット単位のキャッシュフローは複数世帯の方が有利になってきます。
家賃そのものは
Living Space(リビングスペース:屋内で人が暮らせる面積)
あたりの単価で決まるものですが、複数世帯の方が面積に対するキャッシュフローが大きくなるのです。
ここでは細かい部分は横に置き、ざっくりとでも
「自分は6ユニット所有している」
ということであれば、
純利益 =(6ユニット × 月間キャッシュフロー)
の式で純利益を見ていくのです(諸経費により家賃収入に対し税金はかからない前提)。
そこでユニット単位のキャッシュフローはどれくらいが適切かと言えば、
「モーゲージローンを組める」
という前提であれば、今の市場であれば$150,000以下の物件であれば
「当月ローン返済後の月間キャッシュフローが$400」
であれば成功の部類に入ると思います。
すると単純に
「毎月$10,000のキャッシュフロー」
という目標であれば
25($10,000 / $400)
で25ユニットが必要になる計算です。
もちろんキャッシュフロー成績は物件タイプやロケーションによって違ってきますので一概には語れませんが、少なくとも
「毎月$10,000のキャッシュフローが欲しい」
と思うのであれば、それぞれが借金をして購入したパターンだといくつの物件が必要かはより具体的に見えてくるのではないでしょうか。
するとそこから逆算して
「25ユニット所有するには毎年〇軒のペースで購入」
「毎年〇軒購入するには、$〇〇〇〇の収入増が必要」
「毎年$〇〇〇〇の収入を実現する」
と考え、Scalable Job(スケーラブル・ジョブ)として最低でもどのレベルの収入が必要か見えてくるわけです。
米国のみならず日本でも物価上昇による先の懸念を多く聞くこの頃、個人で資産運用を意識する人々がより増えています。
この年末により具体的に2022年からの資産運用計画を立てる上でアメリカ不動産投資をポートフォリオの一つに加えるのであれば
「ユニット単位で考える」
「それを実現できるScalable Job(スケーラブル・ジョブ)を検討する」
というアプローチも有効な考え方ではないでしょうか。