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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
本年最初のシリーズとして
Shadow Banks(シャドーバンク)
についてお伝えしています。
新年冒頭のシリーズとしては直接的に米国不動産市場の話ではありませんが、不動産業界にも大きく影響し得る話です。
旧年中にお伝えしたとおり、本年の米国不動産市場の動きとして最も私(佐藤)が注視しているのは
「Affordability(値ごろ感)の変化」
であり、この点は不動産物件そのものの値動きに影響される話ですから不動産市場にとっては「内部要因」と言えます。
けれどもその内部要因以上に気になっているのが外部要因からの米国不動産への影響であり、単刀直入にいえば
「Shadow Banks(シャドーバンク)による世界経済へのマイナス影響」
を懸念しています。
Shadow Banks(シャドーバンク)の定義については昨日からお伝えしている通り、
「伝統的な銀行業務の規制外で活動する金融機関」
です。
米国で言えば、FRS(連邦準備制度)に加盟する銀行はその業務がFRB(連邦準備制度理事会)の傘下である連邦準備銀行によって規制されています。
各国の紙幣はいわば血液のような存在であり、人の体では血液が十分に循環することで健康な状態を維持できるのと同様に、お金も世界中の経済を巡り巡ることで世の生産活動は健全に回り続けています。
そして血液であれお金であれ、そこには規則正しい流れが求められることになります。
お金の場合、銀行本来の主な業務としては
1.カスタマーからお金を預かる
2.預かったお金を融資に回す
3.貸出金を回収すると同時に利息で稼ぐ
という融資事業があります。
FRBの監視下にあるこのお金の動きでは、一般消費者がお金を預ける時にもその預り金には(建前上は)保証がつけられているものです。
具体的には、加盟銀行にお金を預ける時、その預け金はFDIC(Federal Deposit Insurance Corporation:連邦預金保険公社)により有事には$250,000まで保証される建前になっています。
伝統的な銀行が相手なら、預ける立場の米国消費者にしてみれば一定の保証があるわけです。
けれども良くも悪くも伝統的な銀行は過度なリスクを背負うことは許されず、反対に言えば、借りる債務者側にとっては「融資を受けるにはハードルが高い」場面が出てくることもしばしばです。
そこでこの伝統的な銀行では請け負ってもらえない貸金業務を行っているのが、Shadow Banks(シャドーバンク)という存在になります。
Shadow Banks(シャドーバンク)の例
少なくともFRS(連邦準備制度)に加盟する銀行であればFRB(連邦準備制度理事会)がその実態を把握すると同時に細かい数字まで把握していますから、国の銀行業務全体を統括しやすい状況にあります。
ところがShadow Banks(シャドーバンク)の場合、FRB(連邦準備制度理事会)ですらその実態すべてを把握しきれていないのが実情です。
実態をつかめないだけにその正確な数字は誰にも見えませんが、ざっくりと見た概算でも現在のShadow Banks(シャドーバンク)は米国を中心に世界中で展開されており、その規模は
「世界経済の融資事業のほぼ半分はShadow Banks(シャドーバンク)が手掛けるもの」
と言われているほどです。
すなわち米国のみならず、世界規模の金融システムのほぼ半分が
「目に見えないShadow Banks(シャドーバンク)に握られている」
わけですから、世界経済に大きなインパクトを与え得るShadow Banks(シャドーバンク)は
「FRB(連邦準備制度理事会)もコントロールが出来ない」
という実情があります。
ときに、昨年からFRB(連邦準備制度理事会)は米国経済内でテーパリングを開始して段階的に量的緩和政策を収束させていく方針が進行中です。
金利に至っては本年3回利上げするだろうとの予告。
これらのニュースを見て世界各国の経済が反応していることは事実ですが、現実には世界経済を動かすのはFRB(連邦準備制度理事会)のみならず、或いはそれ以上に実態が目に見えないShadow Banks(シャドーバンク)の存在を無視することはできません。
そこで伝統的な銀行の規制を受けないShadow Banks(シャドーバンク)の例を上げてみると
- プライベート・エクイティ・ファンド
- ヘッジファンド
- 保険会社
- モーゲージ会社
- 投資銀行
がその代表として挙げられます。
その活動によるマイナス影響の実例として、私達の記憶に最も新しいのは2007年から本格化し始めたアメリカ不動産価格の大暴落です。
あの時期に世の中の多くの人々が初めて目にした
「サブプライムローン」
という言葉はかなり審査甘々で頭金ゼロも可能なモーゲージローンでした。
このサブプライムローンの多くもまさに、ここでいうShadow Banks(シャドーバンク)に相当する金融機関から貸し出されたものが大分部を占めていました。
2018年9月には「リーマンショック」として知られるリーマン・ブラザーズの破綻がありましたが、このリーマン・ブラザーズも投資銀行としてShadow Banks(シャドーバンク)の一つだったわけです。
その意味では、あの時の世界金融危機はShadow Banks(シャドーバンク)が引き金を引いたといっても過言ではないかもしれません。
Shadow Banks(シャドーバンク) について、明日に続けます。
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