こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
DTI(Debt-to-Income Ratio:収入に対する借金の割合)
の分子と分母の双方にテコ入れをすることで、DTIを小さくする方法についてお伝えしています。
「私は借金を返済できる能力が十分にあります」
それを証明するには数字として
「DTI(収入に対する借金の割合)を43%以下に抑える」
ことが絶対条件となります。
DTIが43%以下であれば融資期間にとっては「許容範囲」とみなされ、反対に43%以上であれば「融資は不可」と判断されてしまう可能性が高いことになります。
そこでDTIを改善するには
分子:借金の総額を減らす
分母:収入を増やす
の2つに働きかけることが有効であり、昨日はこの分母の「収入」に注目して金融機関が最も信頼するのは
「Form W-2 (日本の源泉徴収票に相当)」
であることをお伝えしました。
融資を申し込む本人ではなく、信頼と実績のある第三者(勤務先)から安定した収入があることが金融機関にとっては一番の安心材料です。
そこでローン審査の最後には金融機関の担当者から勤務先に連絡を入れ、収入証明なるものに記入して署名を求めることまで行われるのです。
この点は
- 自分で暮らす住居物件を購入する時
- 投資用の住居物件を購入する時
のいずれでも同じであり、自宅以外の投資用物件を購入にあたり融資を検討する方はW-2を収入証明に使う場合は
「勤務先の誰に連絡を入れてもらうか」
は先に検討しておかれるとよいと思います。
かくして金融機関としてはこのW-2を最重要視している為、
「過去2年間のForm W-2」
は大抵のローン審査で求められることになります。
ちなみに実際に会社勤めしていたとしても、過去2年間のForm W-2が提出できないのが
「新卒者」
です。
大学を卒業して就職したての新卒の場合はForm W-2を提出しようにも職歴そのものがありません。
けれどもそれではアメリカの新卒は物件購入を諦めなければならないかと言えばそんなことはなく、実を言うと新卒は唯一
「過去2年間の収入は不問とされ、たった今のPaystubs(給与明細)の提出だけでOK」
とされる存在です。
その意味では新卒は人生の不動産投資にスタートダッシュをかけられるゴールタイムですから、アメリカで新卒の方々はこのあたりを意識されるとよいかもしれません。
もしも私(佐藤)が新卒の立場なら間違いなくPaystubsだけの提出でFour-plex(4戸)を購入し、その1戸に暮らして残り3戸から家賃収入を入れることでフリーハウスを手に入れてスタートダッシュをかけると思います。
Form W-2がない場合

そこでDTIの分母として金融機関を最も安心させるのはForm W-2ですが、Form W-2のない自営業者の場合はどうすればよいのでしょうか。
私(佐藤)自身もリアルターの立場としては「自営業者」になります。
すなわち自分自身で収入を証明することはできませんから、このままでは基本的に「融資は受けられない」とされてしまいます。
このような場合はどうやってローン審査を通過することが出来るのでしょうか。
この点はケースバイケースで方法は様々ですが、もしも
「不動産をしてポートフォリオを拡大していきたい」
という計画があるのなら、どこかの時点で会社を設立するのが最も有効です。
すなわちそれまでの
自営業者(Sole Proprietor)
ではなく
ビジネスオーナー(Business Owner)
として会社を設立するのが早道だと思います。
自営業者(Sole Proprietor)はどこまでも自己責任100%の商売であり、金融機関にしてみれば他に保証がないことになりますから原則として融資は行えません。
けれどもビジネスオーナー(Business Owner)であれば、そこには自分とは別の法人格がそこにあります。
自分の存在とは別の法人があり、その法人から自分に給与を入れるわけです。
そうすることで自分の会社からW-2が発行されますから、法的に「第三者からの収入」があることになります。
ただし、より厳密にいえばローン審査を行う側も
「この会社は融資申請者が所有する会社だ」
と
申請者 ≒ 申請者の会社
の関係で見ることになりますら、純粋なサラリーマンとしてのForm W-2よりは信用度は低いものです。
そこでこの場合はW-2のみならず、会社そのものの「間近2年間のTax return」も提出を求められることになります。
かくして自分の会社から自分に支払う給料の総決算である
- Form W-2
- Tax return
のそれぞれ過去2年分を提出することで、金融機関にとってはそれらが審査対象の材料となり得るのです。
そうするとDTIを改善する上で分母を大きくする為の答えは
「稼ぐ」
しかないことになります。
かなり以前の話ですが、投資用住居用物件のローンを組むにあたり
「融資を受けられる軒数を増やしていくにはどうすればいいか?」
と尋ねたところ、実に単純明快な答えでした。
「稼ぐしかないよ」
この答えは至言でしょうし、事実、数字で語るのであればDTIを改善するには自分の会社で稼ぎを大きくするしかないことになります。
かくして
⇒ 自分に支払う給与額を増やす
⇒ 会社そのものの経営を安定させる
この2つのレベルが高まれば高まるほど金融機関にとっても安心材料となり、会社勤めではない方々でもポートフォリオを拡大する道が開けることになるのです。
ここから、DTIの分母改善についてもう少し深く見ていきましょう。
明日に続けます。
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