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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
不動産ローンの
「Prepayment Penalty(プリペイメントペナルティ:前倒し返済に対するペナルティ)」
についてお伝えしています。
ほとんどの住居用不動産ローンは前倒し返済に対するペナルティが発生しない一方で、商業用不動産ローンの場合は大抵ペナルティが発生することになります。
住居用はあくまでも
「世帯の暮しに使われる物件のローン」
であり、政府方針も手伝って各種ローンは少しでも有利になるように組まれていますし、同時に前倒し返済を実行してもペナルティが発生することはありません。
これに対し商業用不動産ローンはそもそもが
「利益を出すこと」
を前提に運用される商業物件に対してローンが組まれており、融資元としても遠慮なく
「この融資からのリターンを最大化する」
という目的の元に融資を組むことになります。
そこで商業用不動産ローンの場合は一度融資が組まれると途中で前倒し返済が実行される際にはペナルティが発生することなりますが、そのペナルティにはいくつかのパターンがあります。
本シリーズの最後として、商用不動産ローンの前倒し返済の典型的なパターンを見ていきましょう。
Lockout Period(ロックアウト・ピリオド)
まずは最初のポイントとして覚えておきたいのが、商用不動産ローンの場合は前倒し返済が可能となるまでの
「前倒し返済が一切許されない期間」
があります。
この期間は
Lockout Period(ロックアウト・ピリオド)
と呼ばれ、いかなる場合でもこのロックアウト・ピリオドが過ぎるまでは前倒し返済は出来ませんので、商用不動産ローンを組む場合はまずこのロックアウト・ピリオドに注意を払うようにしましょう。
Fixed Prepayment Penalties(フィックスド・プリペイメント・ペナルティ)
そこでこのロックアウト・ピリオドが過ぎてしまえば、融資返済期間の満期前であっても前倒し返済が許されることになります。
ここからいくつかのパターンを見ていきますが、まず代表的なものが
Fixed Prepayment Penalties(フィックスド・プリペイメント・ペナルティ)
です。
ここでのFixed(フィックスド)とは「固定」の意味になり、要はフィックスド・プリペイメントの場合は
「前倒し返済が発生した場合、その時点の元本残高に対して固定された一定割合をペナルティ料金とする」
という考え方となります。
例えば10年の融資期間においてロックアウト・ピリオドを過ぎて前倒し返済を実行する際の元本残高が
$800,000
だったとします。
そして契約時のフィックスド・プリペイメント・ペナルティの割合が3%だったとすると
$24,000($800,000 × 3%)
と2万4千ドルがペナルティとなるわけです。
Step-Down Prepayment Penalties(ステップダウン・プリペイメント・ペナルティ)
その次に知っておきたいのが
Step-Down Prepayment Penalties(ステップダウン・プリペイメント・ペナルティ)
です。
前述のフィックスド・プリペイメント・ペナルティとの言葉の違いは
「フィックスド」
が
「ステップダウン」
になっている点ですが、ここで言うステップダウンとはその言葉のとおり
「階段を降りるがごとく、徐々に割合が下がってくるペナルティ」
のことを言います。
例えばステップダウン・プリペイメント・ペナルティを目にするだろう典型的なローンプログラムに
「223(F) マルチファミリー商業用不動産ローン」
と呼ばれる政府主導の商用不動産ローンプログラムがあります。
この223(F)の場合は前倒し返済が発生すると、その時の元本残高に対して
初年度は10%のペナルティ
2年目は9%のペナルティ
3年目は8%のペナルティ
。。。
と毎年1%ずつペナルティの割合がステップダウンしていくことになり、11年目以降は
「前倒し返済してもペナルティは発生しない」
となるのです。
Defeasance Prepayment Penalties(ディフィーサンス・プリペイメント・ペナルティ)
最後に予備知識として知っておきたいのが
Defeasance Prepayment Penalties(ディフィーサンス・プリペイメント・ペナルティ)
です。
通常の不動産投資活動ではディフィーサンス・プリペイメント・ペナルティのオプションはほとんど目にしないと思いますが、一言でいえば
「前倒し返済を実行する代わりに、債務者は他の債権を購入して債権者に渡さねばならない」
というルールです。
その趣旨としては
「この前倒し返済により融資元は受け取れるはずだった利息からのリターンを受け取れなくなる」
「支払い予定表に記載される利息を計算すると、その損失は明らか」
「この受取るはずだった残りの利息を満足させる債権を購入すること」
これがディフィーサンス・プリペイメント・ペナルティです。
融資元も商売ですから、
- 融資を組む際の手数料
- その後に続く利息からのリターン
で利益を上げていくことになります。
けれどもせっかく融資を組んで(融資元にとっては)利息でリターンを得る機会になっていたのに、債務者が前倒し返済してしまうとそのモーゲージはそこで終了して利益を得られなくなってしまいます。
そこでその埋め合わせとして前倒し返済を実行する債務者が債権を購入して差し渡すことで、ローンを解消出来るわけです。
この新たな債権としては主に
Commercial mortgage-backed securities(コマーシャル・モーゲージバックド・セキュリティ)
と呼ばれる、モーゲージが担保となる商業不動産証券がその対象になります。
この手続きはかなり複雑な為、実行する場合は
- CPA
- 不動産弁護士
- 不動産コンサルタント
等の複数の専門家が関わることになるのが通常です。
そこまでして前倒し返済を実行した方が理に適うと判断されるパターンですから、相当な規模の商用不動産ローンの取引で使われる、それなりに珍しいパターンになります。
。。。。
数日にわたり商業用不動産ローンに焦点を当ててその一部を見ていきました。
このあたりは慣れの問題でもありますが、商業不動産ローンは5戸以上の商業物件レベルへと進む上では誰もがぶつかるだろう壁であり、それなりの時間をかけて取り組むことが大切です。
最初は小難しく感じるものですが、こういった専門知識が要求されるレベルのローンに取り組む中で必ず自分自身の金融知識も深まっていくことになります。
それは紛れもなく
「リスクコントロール力が高まってくる」
ことに他ならず、リスクをコントロールする力が高まれば高まるほど
お金に惑わされない人生
お金には苦労しない人生
お金が応援してくれる人生
へと徐々に昇華していくはずですから、商業不動産ローンのレベルにまできたら喜んでその詳細に取り組んでいきましょう。
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