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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
先だって、
Affordability(アフォーダビリティ)
についてやや掘り下げてお伝えしました。
その時々のローン審査通過基準に対してどれだけの所得が(余裕が)あるのかを表す指数がAffordability(アフォーダビリティ)であり、今の数値が示すのは
「2021年以降、指数は100に近づきつつある」
「今のペースでいけば、2023年末までには極めて100に近い水準に至る」
という現実です。
概ね、本年のアメリカ不動産投資の傾向として
「金利上昇による駆け込み需要」
をもって出始めこそ勢いがやや保たれるものの、後半になると金利上昇と物件価格高騰による買い控えの力学の方が強くなり
「物件価格上昇率はパンデミック以前のそれに戻ってくる年になりそう」
との趣旨で昨年末からお伝えしていました。
不動産物件は現物のハコモノであり、
- 資材
- 工賃
という要素が絡む以上は間接的にもインフレの影響を受けることになります。
そうすると基本、アメリカ不動産は米ドルに対して上昇基調にならざるを得ないわけです。
かくして本年は1年を通して物件価格上昇率が落ち着いてくるものと予想していますが、たった今は早速
「駆け込み需要」
なるものが落ち着き始めている様子。
ここは心理的に考えれば誰もがたやすく想像出来ると思いますが、
1.金利上昇が始まるとの噂
2.金利上昇が確定
3.金利上昇が始まる
この3つのステップの中で、駆け込み需要なるものが最も激しいのが「2」のステージです。
そして今はすでに「3」の時期に入っていますから、駆け込み需要としては勢いが落ちて需要そのものが下がり始める時期に入っていることになります。
実際にそのことを裏付ける数字が発表されていますので、今の時期の需要の変化を押さえておきましょう。
リファイナンスで大きくキャッシュアウト
新規のモーゲージ申込み
既存モーゲージのリファイナンス
この双方を見る時、その勢いが顕著に変化するのはリファイナンスの方です。
リファイナンスは既存のモーゲージをもって
「今の物件価値もしくは元本残高をもって査定し直し、ローンを組みなおす」
行為です。
その中でもパンデミック以前から物件を所有していた人々の場合は高い確率で2020年以降に
⇛ 所有する物件の価値が高まる
⇛ モーゲージを組んだ当時よりも金利が大きく下がる
という状況になっていたはずですから、高まった価値をもって再査定してモーゲージを組み直すことで
「キャッシュアウト出来る」
ということになります。
例えばある物件を
- 2008年築
- 物件価格:$250,000
- 頭金:20%
- 30年固定金利:6.5%
の条件で購入したとしましょう。
この時の融資額は
$200,000($250,000 X 80%)
であり、金利を掛けると毎月のモーゲージ返済額は
$1,264.14
です。
そして今日までこのモーゲージを返済し続けていたとすると、融資元本は2021年に
$155,430.52
あたりまで減少しています。
そこでこの物件の価値が2021年の段階で
$370,000
まで上昇していたとしましょう。
この価値の80%で昨年までの低金利の
固定金利3.5%
で融資が可能だったとすると、
$296,000($370,000 X 80%)
この融資額に金利を掛けると毎月の返済は
$ 1,329.17
になります。
結果として毎月の返済額そのものは
$65.03($1,329.17 - $1,264.14)
だけ高くなりますが、その代わりに
$140,569.48($296,000 - $155,430.52)
これだけのキャッシュアウトが可能になるわけです。
実際はここにリファイナンスのクロージングコストがかかりますが、それを差し引いても十分な現金を手にすることになります。
これは一種の錬金術であり、
「毎月の支払いが$65.03増額するけれども、$140,000近くキャッシュアウト出来る」
というのであれば、それを実行する人々は結構な数になるわけです。
事実、昨今までの物件売買の裏で既存オーナーによるこの手のリファイナンスはかなり盛り上がっていた向きがありました。
そしてこのリファイナンスが盛り上がった動機は紛れもなく
「購入時よりも金利が大きく下がったこと」
です。
リファイナンス申込み数が激減
ところが、今回の金利上昇によりこのリファイナンス申込み数が激減し始めています。
リファイナンスそのものが行われる目的は大抵
「毎月の返済額を下げたい」
「キャッシュアウトしたい」
この2つのうちどちらかですが、キャッシュアウト派の場合は
「購入した当初よりも金利が下がる」
からこそ効果があるものであり、実際に先月までは昨今の低金利を受けて多くの人々がリファイナンスに動いた背景がありました。
ところが本年3月末、すなわち政策金利の上昇が実施されてからはリファイナンス申込者数は
「3月末に前週から75%減少」
と発表されています。
それまでに100あった申込みが、なんと25まで減少したというのです。
リファイナンスそのものは既存物件オーナーのみが持つ選択であり、リファイナンスを実施するか否かは本人次第。
実施しないならしないで、機会損失にはなれども現状の返済が苦しい世帯以外は懐のお金が失われるわけではありませんから痛みはありません。
けれども歴史的な低金利を受けて
「この時期を逃すまい」
とリファイナンスに動いた流れが一気に引き始め、急激にその勢いを失っていることになります。
本年3月のこのリファイナンス申込み激減は一つのターニングポイントとして覚えておきましょう。
恐らくは3月中旬までのリファイナンスの勢いは早々に戻ることはなく、ここからの金利上昇に伴ってリファイナンス申込みは減少し続けるのではないでしょうか。
金利の影響について、明日に続けます。
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