昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
時折、
「事業はあくまでもビジネス。そこに私情を入れてはいけない」
「お客の心内を見ない無感情な商売では客が離れていく」
とする正反対の意見を聞く(読む)ことがあります。
これは時代を問わずに語られる部分で、事実、世の商売ではこのいずれかに属する人々をよく見るものです。
実際のところ、私(佐藤)は駆け出しの頃はこのあたりはほとんど意識することがありませんでした。
日々の仕事で向き合うのは直接的には顧客ではなく、あくまでもシステム構築やメンテナンスばかりだったからです。
けれどもキャリアがアメリカ不動産業界にステージが変わり、特に自分自身で商売を始めてからはそうはいきません。
立ち上げ当初は全く不慣れながらも、それこそ不動産のような高額商品の場合は顧客との関りは必須です。
とどのつまり、自分自身で開業して始めて
「ビジネスはビジネス。顧客と馴れ合いになるのはご法度である。」
「いかなる場合も私情は入れず、契約内容に沿って物事を進めていかねばならない。」
或いは
「いやいや、人には感情があるのだ。」
「信頼関係が築けてこそ、不動産業は続くのだ。」
このどちらが正しいのか、自問自答をするようになったのでした。
結論から言えば、少なくとも自身の軌跡から率直に
「そのどちらも大切」
「ビジネスライクさと寄り添う姿勢の両立は基本中の基本」
そんな風に考えています(佐藤個人の考えです)。
ちなみにその真偽は知りませんが、日本で不動産というと
「終始不動産業者には疑ってかかるべき」
「契約内容に騙しがないか、繰り返し注意を払うべき」
という、どちらかと言えばマイナスの印象が強いのだとか。
アメリカ不動産の場合、騙すも何も取引の流れが法律で縛られているのみならず、契約書も各州の不動産協会が出しているテンプレートを使うのであればそこに心配はありません(それでも契約内容の読み込みと理解は必要です)。
とはいえ、不動産取引についてはおそらく世界でもかなり安全な部類に入るだろうアメリカ不動産であったとしても
「契約に基づいてシビアに進める」
のみならず、
「お客様の立場に立って、寄り添って一緒に考え抜く」
という姿勢は大切なように思います。
もちろん
「契約の範囲を逸脱してでもお客を助ける」
というのは違いますし、ルールを逸してはお互いが不幸になります。
それ以前に、契約を逸脱して助けてあげねばならない状況させてしまう時点で商売人としては失格なはずです。
商売の節度というもの
この
⇒ 冷徹なビジネスライクの姿勢
⇒ 感情を込めたお客への寄り添い
の両立ということについて、過去に知り合いから話を聞いて
「なるほど、やっぱりそうだよね。」
と膝を打ったことがありました。
分野は違う実話の例ですが、話してくれたのはとあるホストの男性です。
私(佐藤)自身は残念ながら(?)縁のない世界ですが、夜のお店であればそこにお金を落としに来るのは
「ある種の癒しを求める人たち」
なのだとか。
「はい、これが料金です」
「お支払いありがとうございましたー。」
「またどうぞ。」
それだけのビジネスライクな対応では、特にホストのような世界では顧客も付きようがないかもしれません。
それどころか、少なくともお客視点でいえば
「感情、感性での満足感120%」
がなければ満足するはずがなく、感情面の満足があればこそ顧客はリピーターになってくれるはずです。
ところがです。
そんな感情・感性の発露全開なはずの夜の世界でも
「ホストと遊ぶのにもルールがある」
「そのルールを理解していない客はアウト」
だというのです。
当然ながら(その賛否両論は横に)ホストもまた一つの商売であり、可視化されていないだけでホストにもお店との契約事項があります。
そして分かっていないお客には(やんわりとでも)伝えなければならないルールがあるのだそう。
反対に不動産業の場合、感情を全面に出して接客しているとそれこそ「不動産詐欺」を疑われてしまうかもしれませんが、ホスト業とはその割合は大きく違うとも不動産はとてつもない高額商品だからこそ
「終始クライアントに寄り添う案内」
は極めて大切でしょうし、けれどもそこには
「リアルターと顧客、お互いが守るべきルール」
があるのも確かです。
そしてリアルター側が下手に感情のみでご案内していると、本当に稀ですが
「シレっと、無料でサービスを次々と求めてくるクライアント」
もいらっしゃるものです。
もちろんそこはクライアントを責める話ではなく、自分自身の接客の仕方が未熟だからクライアントに一線を越えさせてしまうことになります。
高額商品なだけに、中途半端なコミュニケーションでは取り返しのつかない誤解を生じてしまうことも起こり得るわけです。
その意味では全ての手続きにおいて「口約束」はご法度であり、クライアントに寄り添いながらもお互いがルールを守れるように終始させる水先案内の姿勢が大切。
「事業はあくまでもビジネス。そこに私情を入れてはいけない」
「お客の心内を見ない無感情な商売では客が離れていく」
この一見矛盾する姿勢の真ん中を取り続ける努力を継続することは、不動産業においてもキモ中のキモだろうと考えています。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。