昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ不動産投資でより良い物件管理を実現するべく、物件構造についてお伝えしています。
Structure(ストラクチャー:構造)
Function(ファンクション:機能)
Finish(フィニッシュ:仕上げ)
の中でFunction(ファンクション:機能)について、本日も続けます。
Function(ファンクション:機能)
Plumbing(プラミング:配管)
Plumbing(配管)は物件のFunction(機能)の中でもかなり重要な部分ですので、やや細かくいきたいと思います。
人の生活にとって「水」は必要不可欠であり、およそ住居物件であれば屋内に水の流れを起こすPlumbing(配管)が備わっていないことはありません。
そしてFunction(機能)として物件内に水の流れを起す時、その役割を果たすのは
Supply Line(サプライ・ライン:給水管)
Drain Line(ドレイン・ライン:排水管)
の2種類のPlumbing(配管)です。
前提として水の流れの順番は
1.Supply Line(給水管)から屋内に新しい水を送る
2.生活水として使用する
3.Drain Line(排水管)から使用後の水を屋外に排水する
になります。
この「2」で使用する水量が水道料金として課金されるわけで、その前後には性質の異なる2種類のPlumbing(配管)が存在することになります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
Supply Line(サプライ・ライン:給水管)
通常、住居物件にはその一つ一つに対してSupply Line(給水管)が屋外から伸びています。
このSupply Line(給水管)は地域に水を供給する大きな配管に繋がっており、大抵は家の前の土中に「メインバルブ(上の写真)」が隠れており、この調節バルブは90度に動きます。
このバルブが配管に沿って下(上)を向いている場合は全開で屋内に通じるSupply Line(給水管)に流れ込んでおり、バルブが90度に右(左)を向いている場合は水の流れが完全にストップするのです。
そこで水道業者が物件の水回りの修繕を行う場合、この大元の調整バルブを90度横にして屋内に流れ込む水を完全にストップさせることになります。
このSupply Line(給水管)が故障するパターンは極めて稀ですが、年代物の配管である場合は注意が必要です。
アメリカの物件で使用されるPlumbing(配管)素材は時代と共に移り変わっており、恐らくは最も最初に使われたのは
Galvanized Pipe(ガルバナイズド・パイプ:亜鉛メッキパイプ)
で、仮に年代物の物件でGalvanized Pipe(亜鉛メッキパイプ)を使用している場合、破損の可能性は低くないと思います。
その後にGalvanized Pipe(亜鉛メッキパイプ)に代わって使用されるようになった素材がCopper Plumbing(銅製配管)です。
Copper Plumbing(銅製配管)は現在も使われており、恐らく使用率では近年はこのCopper Plumbing(銅製配管)が最も高い割合を占めていると思います。
そして近年使われ始めたPlumbing(配管)素材でその割合が広まりつつあるのはPEX(ペックス)と呼ばれる素材です。
PEX(ペックス)は
- 設置しやすい(ホースに近い動き)
- 強度が高い
という特徴があり、業者にとっても使いやすいことからその使用率が高まっています。
特に興味深いのが、PEX(ペックス)の「膨張する」という性質です。
この点はピンとくるかもしれませんが、特に真冬の寒さが厳しい地域では冬の凍てつく寒さの中では
1.Plumbing(配管)内の水が凍って膨張する
2.Plumbing(配管)が破裂する
という現象が起こり得ます。
この為、冬の寒さが厳しい地域ではPlumbing(配管)内の水が凍らないように「チョロチョロ」と僅かな水の流れを継続させるのが一般的です。
けれどもPEX(ペックス)素材の場合、水が凍って膨張したとしてもPEX(ペックス)素材も一緒に膨張する為に破裂が起こらないのです。
そこで購入する物件がPEX(ペックス)素材のPlumbing(配管)を使用している場合、最も安心出来ると思います。
Drain Line(ドレイン・ライン:排水管)
Drain Line(排水管)は別名
Sewer(シーワー)
とも呼ばれており、おそらく物件管理の側面で耳にする呼称としてはこのSewer(シーワー)の方が遥かに多いと思います。
いわゆる屋内で使用した水を屋外に戻す為の排水管になりますが、前述のSupply Line(給水管)との違いは
Supply Line(給水管)… 外からの供給の為に常に給水管に圧力がかかっている
Drain Line(排水管)… 使用時の排水のみのため排水管に圧力はかかっていない
です。
このためDrain Line(排水管)の修繕が必要となる場合は圧力がありませんから
「汚水が吹き出し続ける」
ということはなく、せいぜいその箇所に貯まった汚水が最初に吹き出してくる程度です。
そしてDrain Line(排水管)に使われる素材も時代によって違いがあり、昔から使われているのは
Iron(鉄製)
Lead(鉛製)
の配管です。
通常、これらの配管素材の耐用年数は100年と考えても差し支えないものですが、あまりにも古い物件だと考えものです。
これに代わり現代ではPVC(ポリ塩化ビニル)という素材が一般的になっており、特に新しい物件の場合はPVC(ポリ塩化ビニル)素材であるパターンが多いと思います。
そこで中古物件を購入する場合は逐数十年でも問題はありませんが、仮に100年を超える物件の場合は
「定期点検で不具合に注意しておく」
というよりも、購入前に
「Drain Line(排水管)素材は新品に交換してあるか」
を確認した方が無難だと思います。
Plumbing(配管)そのものは通常、物件構造としては床のPlywood(合板)下に隠れるように設置されています。
このPlumbing(配管)を丸ごと交換するとなるとかなりの金額になりますので、100年以上経過している物件であれば
「購入後に自分でリノベーションする」
という選択肢は避けておいた方がよいと思います。
明日に続けます。
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