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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ不動産市場に大きく影響し得る不安要素として
「シャドーバンクによるモーゲージ市場の拡大」
についてお伝えしています。
事の始まりは2008年9月のリーマン・ショックの引き金となった、サブプライムローンに端を発するアメリカ不動産の大暴落です。
この時の経験からアメリカ大手金融機関のモーゲージ部門は政府指導により融資基準を厳しくすることを余儀なくされました。
この時に基準を厳しくしたことが、皮肉にもモーゲージ市場の力関係を一気に逆転させた経緯があります。
昨日までにお伝えしたこの時の出来事を時系列に並べると、
1.サブプライムローンをきっかけにアメリカ不動産価格が大暴落
2.リーマン・ショックから世界金融危機に
3.米国政府が大手金融機関複数をBail out(ベイルアウト)により救済
4.その後にモーゲージ審査基準を引き上げた結果、簡単には住宅購入に融資を受けれなくなった
5.政府規制を受けないノンバンクが台頭し、更にデジタル完結型のモーゲージシステムが勢いを後押し
6.今ではモーゲージ市場の主流はノンバンクに
という流れが起こり、実際に米国内では大手三行によるモーゲージ市場の2割強まで低下しておりノンバンクがモーゲージ市場のほとんどを占めています。
一番の問題は、これらノンバンクの場合は融資業務の実態が十分に可視化されていないことです。
連邦政府でもその実態を正確には把握できず、結果として今日までに
「連邦政府の力が及ばないモーゲージ市場の領域」
が広がり続けてきたことになります。
そして不安を助長させる要素はノンバンクの競争力にあります。
ノンバンクが現在のレベルまでモーゲージ市場でその勢力を広げることが出来た理由は
⇒ 融資条件が緩い
⇒ 手続きがオンラインのみで解決する
という要素が大きく、今もなお着実にDigital-only Bank(デジタル完結型の銀行)の利用が広がっているのです。
一部の識者は
「すでに経営がひっ迫しているノンバンクも多いのではないか」
と指摘しますが、その実際の数字は分からないものの確実に言えることは
「ノンバンクの拡大はもはや止まらない」
ということです。
恐らく昨今のパンデミック下の金余り現象で更に資金は大きくノンバンクに流れているはずですし、サブプライムローンレベルとは言いすぎでもそれに近い緩い審査基準のもとに次々と貸し出されていたとしたら、将来に対し大きな不安が残ることになります。
ここから参考までに、ノンバンクの代表格を見ていきましょう。
ノンバンクの代表格 – Quicken Loans(クイッケン・ローンズ)
米国モーゲージ市場を代表するノンバンクにあげられるのは間違いなく
Quicken Loans(クイッケン・ローンズ)
です。
Quicken Loans(クイッケン・ローンズ)そのものは
Rock Financial(ロック・ファイナンシャル)
の法人名で1985年にスタートしています。
当初から「モーゲージ専門会社」としてサービスを開始していますが、その方向性を大きく転換したのは1990年代。
90年代と言えば米国ではITバブルが世界に先駆けて起こり、タケノコのようにIT関連のサービスが立ち上がった時期でもあります。
実に、現在のオンライン完結型のサービスは90年代にすでにその芽が出始めていたわけです。
そして1999年12月にRock Financial(ロック・ファイナンシャル)は財務管理サービスを提供するグローバル企業、Intuit Inc(インテュイット)に買収され、その時に社名を「Quicken Loans(クイッケン・ローンズ)」に変更しています。
そこから同社は成長を続け、次の大きな転換点となったのが2015年に開始された
「Rocket Mortgage(ロケットモーゲージ)」
です。
Rocket Mortgage(ロケットモーゲージ)は全米50州の中で初めて「オンライン完結型のモーゲージサービス」として登場し、このサービスが爆発的に受けて急成長を実現するきっかけとなりました。
革新的なモーゲージサービス
Rocket Mortgage(ロケットモーゲージ)が爆発的に市場で優位性を占めることが出来た理由は何よりもその利便性にあります。
デジタル完結型により
- 便利
- 簡単
- スピードが早い
この三拍子が揃っているとなれば大抵の人々はそこに流れていくものですし、
「Rocket Mortgage(ロケットモーゲージ)はバンクなのか、ノンバンクなのか」
など気にする人などいるはずもなく、その利用者を着実に増やしてきました。
このRocket Mortgage(ロケットモーゲージ)の一番の特徴は
「ローン審査の早さ」
にあります。
従来の伝統来なモーゲージ申込みのプロセスでは
1.ローンオフィサーと話す(オンラインで申し込んでもその後に通話が必要)
2.複数の書類を提出する(追加書類を後日提出する必要も)
というプロセスで非常に手間がかかるものでした。
けれどもRocket Mortgage(ロケットモーゲージ)の場合は高度セキュリティシステムの下に個人の口座情報に入り、これら「1」「2」のプロセスを省いて瞬く間に審査がオンラインで完結してしまいます。
こうなると
「ローンオフィサーといちいち顔を合わせたくない」
「電話でのやりとりが億劫」
「必要書類を集めるのが面倒くさい(時間がない)」
という人々に受け入れられないはずがなく、Rocket(ロケット)という名の通りに
「オンラインでの申し込みからローン可否がすぐに分かる」
というスピード感も手伝って市場に歓迎されることとなりました。
かくしてRocket Mortgage(ロケットモーゲージ)もノンバンクであることから、政府規制を受けずにより柔軟なサービスを提供し続けていることになります。
明日はRocket Mortgage(ロケットモーゲージ)の審査条件を含め、そのインパクトを見ていきましょう。
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