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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日まではSさんにご紹介したテネシー州メンフィス市のとあるスイートスポットに位置する物件について、当時の外観と屋内の様子をお伝えしました。
凡そアメリカ不動産投資で最も大きなリターンを目指せるのはこのような
「治安は問題ない」
「けれども学区はそこそこ」
というエリアで
1.ボロボロの物件を購入
2.フルリノベーションでピカピカに仕上げる
3.物件価値を高める
4.テナントをつける
という手順で投資を行う場合です。
そしてこの流れの終点で「自己資金を減らさない」ことを目的にするのであれば、「4」の後にファイナンシングして物件価値を担保にキャッシュアウトする必要があります。
ここで注意したいのが、「1」の一番最初のボロボロの物件を購入する段階で最初からファイナンシングをしないことです。
基本的に物件価値を担保に融資が実行される場合はその融資額は
「物件価値の75%~80%」
程度に収まることになります。
すなわち「1」の段階で融資を受けるということは
「修繕前のボロボロの物件の価値に対して75%~80%」
が融資額上限ということになりますから、そうすると残り
- 頭金の20%~25%
- リノベーション費用
これらを自分で出資するという考え方もあると思いますが、それでは投資効率の最大化とは言えません。
ましてや物件はフルリノベーション前の状態ですから、融資審査過程で
「いや、このレベルへの出資はさすがにちょっと。。」
或いは
「貸せても50%程度ですね。」
ということもあり得るわけです。
そこでキャッシュフロー型投資で自己資金に対するリターンを最大化させるには、手順としては
1.ボロボロの物件を現金購入
2.フルリノベーションでピカピカに仕上げる
3.物件価値を高める
4.テナントをつける
5.ファイナンシングする(← ここ)
と、テナントをつけた後に初めてファイナンシングを申し込んだ方がよいです。
その時点では
⇒ フルリノベーションで物件価値は市場平均価値以上に高まっている
⇒ すでに家賃収入もある
という状態ですから、「1」のボロボロな状態の物件に対して融資を受けるよりも遥かに大きい金額の融資を受けられることになります。
ましてやその価値が
「1」 + 「2」 < 修繕後の物件価値
だったとすればどうでしょうか。
最初に物件購入と修繕用に現金を搬出するものの、最後のキャッシュアウトで自己資本の大部分、場合によっては全額を回収しても余ることもあり得るのです。
そして実をいうと、このSさんにご紹介した案件はまさに
「完成後にファイナンシングすると、購入と修繕にかかった以上のキャッシュアウトが可能」
なレベルの物件でした。
数字を見立てる
そこで本物件を検証するにあたり、ここからは数字を見ていきましょう。
下記は現地ブローカーから送られてきた情報の一部です。
It needs a $30k to $40k rehab
Post rehab value of $120,000 to $140,000
Rent Range: $995 to $1,095 monthly
Taxes: $1,100 annual
(日本語意訳)
リノベーションコストは3~4万ドル ~
リノベーション後の価値は$120,000 to $140,000と予想 ~
想定家賃範囲は$995から$1,095の間 ~
固定資産税は年間$1,100 ~
とのこと。
ちなみに現地ブローカーから情報が届いた時点の同物件のzillow.com上の価値は
$81,400.00
でした。
これらの数字を
- 収入
- 支出
- 純収入
の順番に並べてみます。
収入
年間家賃:$12,540($1,045 X 12ヶ月)
空室率(4%):$501.60($12,540 X 4%)
収入合計:$12,038.40($12,540 - $501.60)
支出
年間管理費(8%):$963.07($12,038.40 X 8%)
固定資産税:$1,100
保険:$600
修繕維持費:$1,200
支出合計:$3,863.07
純収入
$8,175.33($12,038.40 - $3,863.07)
補足
年間家賃:試算する上で当時の想定家賃の真ん中を取って$1,045を使います。
空室率(4%):空室率はこの一帯で使える4%(住人入れ替わりが2年に1度あるかないか)を使います。
管理費(8%):中西部の管理会社は管理費が家賃8%~12%の割合が最も多いのですが、この物件は家賃8%で管理可能です。
固定資産税:ここは地元ブローカーからの情報をそのまま使います。
保険:このあたりの地域の同様の面積を持つ物件の平均保険料をとります。
修繕維持費:フルリノベーション直後の修繕はそう大きなものは出ないはずですが、物件面積を加味して初年度は月に$100、年間$1,200で予想してみます。
そこで純収入としては$8,175.33ですから、仮に当時のzillow.comの見立てどおり$81,400.00を物件価値として計算すると運用後はリノベーション費用を抜くと
10%($8,175.33 / $81,400.00)
丁度、10%の利回りということになります。
けれども先に答えをいえば、最終的にSさんがこの物件を購入した金額は
$72,000
でした。
そうするとリノベーション費用を抜いた初年度利回りは11.3%と予想されます。
ここから、今度は修繕費も全て加味した「キャッシュ・オン・キャッシュリターン」の観点で利回りを考察してみましょう。
明日に続けます。
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