昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ不動産業界の年間サイクルの中で今はピークタイムの時期です。
米国の年度初めは9月ですが、子供たちが夏休みに入る6月あたりから引越しの動きが活発になり、たった今も佐藤のご近所でも引越しが頻繁に見受けられます。
日々のニュースでは「先の暗雲たる景気後退」を暗示するかのような記事をよく目にしますが、そんな不景気の動きは忘れてしまうかのように慌ただしい毎日です。
そして私(佐藤)自身も6月あたりからメール登録頂いている方々に向けて投資案件を送る頻度を高めています。
高めているというよりも、日ごろから
「この案件は安全度が高い」
「数字として十分に回る」
という案件に限定してお流ししているつもりですが、先を憂える世の風潮とは正反対に良質な案件が増えているのです。
そのほとんどはオフマーケット案件となりますが、佐藤の視点でいえば紛れもなくここからはオフマーケットは好機に入りつつあります。
オフマーケットは常々有利に進められるきらいがありますが、売り手市場へと移行し始めた今、有利な案件が増えてきているのです。
たった今の時期にzillow.com等の一般MLSで物件を選ぶことはトップマーケットで高めの物件を掴んでしまう可能性も否めない為に推奨していませんが、その一方でオフマーケットには一般MLS以上に
「多分に売主の心理を反映する物件」
が出てきやすい傾向があります。
zillow.com等の表に見える市場ではトップマーケットの様相となる中で、オフマーケットという水面下では正反対の様子が顕著になり始めているわけです。
そしてオフマーケット案件は本来、おしなべて
「価値を高めることで収入そのものが上昇する」
というパターンが多く、ここにオフマーケットの強さがあります。
1.安く購入
2.修繕をかける
3.物件価値を高める
4.期待できる家賃を高める
という式で進めることで、トップマーケットに出ている物件よりもリターンそのものが高くなる傾向があるのです。
この手のオフマーケット物件でも私自身は
「バイアンドホールド」
の姿勢でいますが、前提が手ごろな価格で購入していることから先に価格調整が発生したとしても十分に吸収できるのです。
そしてオフマーケットの優位性は物件状態に大きく依存することになりますが、そのオフマーケットをより魅力的なものに際立たせる市場が
「家賃上昇率の高い市場」
であり、全体的に家賃上昇の傾向が見受けられるのが本シリーズでご紹介している地域市場です。
これらの地域は全米の中でも家賃上昇率がトップ10に入っており、ということは表に出ている物件でキャップレートが低めの物件だったとしても、運用期間中の家賃上昇率により年々その運用が楽になることが期待できます。
家賃上昇率が高めの地域市場について、本日も続けます。
アイダホ州ボイシ(Boise, Idaho)
![](https://wedgerc.com/wp-content/uploads/2022/07/shutterstock_1793203321.jpg)
ボイシ市場についてはパンデミックの最中に当ブログでも上げましたが、当地の家賃事情は2019年あたりから連続的に高めの上昇が続いています。
2021年のボイシは全米の中でも不動産市場の成長率がけたたましいレベルにあり、当地の強い経済力も手伝って家賃価格が上昇を続けてきました。
⇒ 力強く成長し続ける地元経済
⇒ 雇用機会の拡充
⇒ 低いモーゲージ金利
これらがプラス要素となり、コロナ禍にも関わらず物件価格が激しく上昇を続けてきたのです。
本年半ばの時点でボイシの物件価格平均は$425,000と、昨年2021年との比較で28%以上ととんでもない上昇ぶりです。
賃貸市場については平均$1,574となっていますが、平均家賃そのものは過去3年の間に50%以上も上昇しています。
その家賃の変化を示すグラフは下記のとおりです。
![](https://wedgerc.com/wp-content/uploads/2022/07/image-2.png)
ここから先の景気後退の中ではその家賃価格の推移が注目されるところですが、市場の将来性は疑いようがありません。
また当地に物件を賃貸物件と自宅物件に分けると
テナント入居中の賃貸物件 … 43%
オーナー居住の自宅物件 … 56%
と、賃貸物件の割合は半分とはいかずとも高い水準にあります。
恐らくは現在の物件価格推移がそのまま続いていくと賃貸物件が全体を占める割合が減少することは考えにくく、その意味では
- 家賃上昇率
- 賃貸需要
の双方で考えた時に非常に安定した運用が期待できることが分かります。
ノースカロライナ州ローリー、ダーラム(Raleigh / Durham, North Carolina)
![](https://wedgerc.com/wp-content/uploads/2022/07/shutterstock_409313440.jpg)
ノースカロライナ州のローリーやダーラムは
「米国で投資を検討したい市場」
としてその地名が上がってくる常連です。
このあたりの地域市場が非常に安定している理由の一つに
「学園都市」
であることがあげられます。
- デューク大学
- ノースカロライナ大学
- ノースカロライナ大学チャペルヒル校
等周辺は常に学生で溢れ、常に賃貸物件に対する需要が絶えないエリアなのです。
当地の家賃価格は
![](https://wedgerc.com/wp-content/uploads/2022/07/image-3.png)
![](https://wedgerc.com/wp-content/uploads/2022/07/image-4.png)
このように推移しており、やはり2021年3月あたりから一気に家賃が上昇してきた経緯があります。
また当地の現時点の物件平均価格は$405,000となっており、昨年比で22%以上の上昇です。
その一方で平均家賃は$1,522まで上昇してきており、キャピタルゲイン狙いで購入する場合はキャッシュフローの割合が低くなるのが常ですが、ここまでに上昇してきた家賃価格がそれをカバーする傾向が出てきます。
かくして、このノースカロライナ州ローリー近辺は間違いなく東海岸では有望な投資対象市場であり続けるのではないでしょうか。
明日に続けます。
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