昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
2011年、南カリフォルニアで一大事がテレビやラジオで連日報道される出来事がありました。
Carmageddon(カーマゲドン)
と呼ばれる、南カリフォルニアの主要なフリーウェイの一つ
「フリーウェイ405号線」
の大工事です。
Carmageddon(カーマゲドン)
とは1998年に公開された映画
Armageddon(アルマゲドン)
を最初の頭文字を「A」から「C」に代えたもので、アルマゲドンとはもともと新約聖書「ヨハネの黙示録」に記述された終末に行われる大規模な戦争として知られていますが、要は
「未曽有の大渋滞が引き起こす大混乱」
という意味でCarmageddon(カーマゲドン)とメディア各社に呼ばれたのです。
このフリーウェイ405号線は米国の中で「最も交通量が多いフリーウェイ」とされており、
- 通勤
- 運搬
- 旅行
- 買い物
とありとあらゆる目的で相当な数の車両が昼夜を問わず行き来しています。
2011年夏のある週末、一部老朽化した箇所の大規模工事の為にこのフリーウェイ405を約10マイルに渡ってほぼ完全に遮断する必要があったのです。
10マイルもの距離を工事するということは、その一帯ではかなりの大渋滞が予想されます。
大量の車が迂回すればフリーウェイそばの一般道路は混雑し、地域周辺が大変な混乱となることが容易に想像できたのです。
この工事は比較的交通量が少ない週末2日間に予定されたものの、それでも相当な渋滞となり得る為に地元の
- テレビ
- ラジオ
- チラシ
等、総勢6000以上のメディア媒体が協力し合って
「この週末はフリーウェイ405を使わないように」
と南カリフォルニア全体に呼びかけが行われました。
結果はどうだったかと言えば、実は私(佐藤)はどうしてもフリーウェイ405を使わねばならない用事があり工事対象区域の手前までフリーウェイ405を使ったのですが、当日は信じられないくらいフリーウェイはガランとしていて過去に見たことのない静けさでした。
後に
「Carmageddon(カーマゲドン)は回避されました。ご協力ありがとうございました。」
と改めてお礼の報道がなされましたが、南カリフォルニア地域の人々は事の重大さをよく理解して前代未聞の大渋滞は避けたのです。
フリップ工程をスケジュール通りに行う
このCarmageddon(カーマゲドン)は地元住民の協力により回避されたわけですが、けれどもここにはメディアが報じない事実があったと思います。
不動産業界に携わる者としてどうしてもそのあたりを考えてしまうのですが、
「10マイルにも及ぶ距離の道路の大工事が、週末の2日間で完了した」
これは驚嘆するべき事実です。
特に米国(もしくは他の国でも)で業者に施工を依頼した経験がある方はここで佐藤の言わんとすることを分かって頂けると思いますが、凡そ日本国内で体験する商習慣に慣れている方は少なからず米国の業者の対応とスピードに驚く体験をしたことがあると思います。
妙な差別意識など全くありませんが工期がずれ込んでしまうなどは当たり前ですし、過去に大型商業物件のリノベーションプロジェクトにおいても契約で交わしたはずの完成時期が、後の追加契約書の中ではしれっと2カ月間後に書き換えらていたこともありました。
平等にモノをいうのであれば、現場で作業する立場からいえば予定通りにいかない事情は次々と出てきます。
特に物価上昇が顕著な昨今は材料の供給そのものに影響が出て、それでなくともサプライヤーの都合で予定どおりにいかないものです。
けれども前述のCarmageddon(カーマゲドン)ではなぜ週末のたった2日で工事が完了したのでしょうか。
請負業者は
- 政府委託の仕事であること
- 尋常ではない交通量から工期を守ることは絶対
ここに責任感をもって全力を尽くした、、、
と考えたいところですが、このようなパターンでは十中八九
「依頼者(この場合は政府)による成功報酬によるインセンティブ」
はほぼ確実にあります。
この時のフリーウェイ工事の契約内容はもちろん公に開示されることはありませんが、これだけの大工事をきっちり2日間でやり切るのに
「〇〇の計画で2日間で仕上げたら報酬は$〇〇〇〇アップ」
この手の契約が存在しないことはありません。
そしてこのことは多分にセルフフリップの時にも同じことが言えます。
特に
1.ボロボロな物件を手直しする
2.フルリノベーションで価値を上げる
3.テナントをつける
4.リファイナンスする
の順番で効率よくスピードをあげていくには
「請け負う業者がスケジュール通りにリノベーションを完了してくれること」
が必須条件となります。
特に
1~4
の工程において
- 物件購入費用
- フルリノベーション費用
の費用の一部でも他から借用している場合、とりわけハードマネーのような高金利で借用している場合は
「工期が伸びれば伸びるほどリスクが高まる」
事態になりますから、依頼する者としてはきっちり約束通りの期日までに工事を完了して欲しいのです。
そこで自分のセルフフリップ計画において、
「特に自分は借金はなく、ゆっくり時間をかけてもいい」
という場合以外は
「〇月〇日までに仕上がったら、報酬は〇%増しで」
等の条件をつけるのが有効です。
反対に
「〇月〇日までに仕上がらないと報酬は〇%減」
等の意見を聞くこともありますが、現実にはその条件ではモチベーションを大きく下げてしまいますし
「そんな条件ならば引き受けられない」
となる場合がほとんどです。
人の心理として減点主義ではなく加点主義の方が良いに決まっていますし、
「ここまでに仕上げれれば、〇%増しの報酬がある」
この方が遥かに約束の工期で仕上がる可能性は高まると思います。
セルフフリップにおいてはそんな、業者の心理を掴む交渉も大切なのです。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。