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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
先日イエレン米財務長官が報道番組のインタビューに答える形で米国経済の行く先について触れていました。
いわく、
「アメリカ経済は広範の視点ではリセッション(景気後退)に陥っている兆しは見られない」
とのこと。
⇒ 未だに労働市場は非常に強い
⇒ 1カ月当たり40万人近くの雇用創出が続いている
ゆえに
「この状況はリセッション(景気後退)ではない」
というのがイエレン米財務長官の見解です。
財務長官の立場から
「リセッション(景気後退)です」
と言えるか言えないかは横において、事実だけを見ると
このように本年第2四半期から第3四半期にかけても雇用が伸び続けているのは事実です。
アメリカで暮らす人々は誰もが気づいていると思いますが、私(佐藤)の近所でもアルバイト募集の張り紙は
「最低賃金$17.50から」
「最低賃金$19.50から」
と、次々と最低賃金が引き上げられる様子がリアルタイムに伺えます。
今の円との為替レートでいえば軽く2,600円を超える最低賃金です。
私(佐藤)が日本で暮らしていた頃の最低賃金が時給1,000円を超えることはさほどなく、それどころか地方都市では
時給700円
時給800円
等も普通にありましたので、当時の日本のそれと比べると最低賃金が4倍近いことになります。
もちろん両国に物価の違いはあり、かつたった今でも急激なインフレと共に
モノとサービス
の価格が激しく上昇中ですが、それでも
「給与も上がりつつ、物価指数にくらいついている」
そんな印象はあります。
全体としては米国でも先を警戒して
「買い控え」
の傾向は見られるものの、その気構えも功を奏して物価高に耐え得る雰囲気は確かにあるのではないでしょうか。
これがもしも給与は全く上がらないとなればそれこそ全米各地で暴動が起こりそうなものですが、今のところは米国民は楽とは言わずとも
「乗り越えていける」
と考える人々の方が多いように思います。
とはいえ、ここから先もイエレン米財務長官が述べるように
「リセッション(景気後退)ではない」
と言える状態が続くのかは分かりません。
今のアメリカ経済にはそれなりの底力を見るところですが、それは本年残りの政策金利の段階引き上げと共に先の様子がよりハッキリと見えてくるのでしょうし、年末までにはその展望がかなりぼ明らかになるように思います。
ちなみにアメリカ不動産市場については
「必ず大暴落する!」
と見る人々の予想とは裏腹に、多少の価格調整は起こり得るにしても2008年以降の規模な大暴落が起こるような様子は見受けられません。
それでなくともモーゲージ金利の上昇を受けて静観したい人々も多くいますが、同時に
「物件価格が暴落したら購入しよう」
と考える人々は、自分が望むレベルにまで市場価格が下がってくるかは不透明です。
その意味では価格が下がろうが高止まりしようが影響のないように
「然るべきディール物件を安く購入する」
というどの経済サイクルにも通用する手法で攻め続ければよいでしょうし、それほどのディールが
「毎日毎日、ポコポコ出てくる」
というわけではありませんから、金融知識に対する知力を蓄えつつディール探しそのものは継続するスタンスが良いと思うのです。
そこで本シリーズではセルフフリップにあたりその良し悪しを
「数字で判断する」
視点で一つひとつの定義を確認していきます。
投資の世界では聞き慣れた
Cash on Cash(キャッシュ・オン・キャッシュ)を
Cash on Cash Plus(キャッシュ・オン・キャッシュ プラス)
と名付け、
Actual Cash on Cash(実質キャッシュ・オン・キャッシュ)リターン
Project Cash on Cash(見込みキャッシュ・オン・キャッシュ)リターン
の2つの切り口でそれぞれの意味合いと使い方を見ていきましょう。
Actual Cash on Cash(実質キャッシュ・オン・キャッシュ)とは
Actual Cash on Cash(実質キャッシュ・オン・キャッシュ)
とは
「自分の手元から実際に出資された現金に対し、実際に手元に戻ってきた現金の割合」
です。
不動産投資の典型例として
「セルフフリップでその後に物件を売却する場合」
で見てみましょう。
例えば平均的には$150,000の価値と思われる物件が実際にはボロボロで、その物件を
$120,000
で現金購入したとしましょう。
ここにリノベーション費用として
$20,000
をかけ、結果として価値が平均以上の$170,000に高まったとします。
そこで売却額はそのまま$170,000とした場合、実際に$170,000が懐に入るかといえば現実にはそうはいきません。
ここは
Actual Cash on Cash(実質キャッシュ・オン・キャッシュ)
で考えていますのでより現実的にいきますが、例えば売却にあたり
- 仲介手数料
- マーケティング費用
- クロージングコスト
- セルフフリップ後にかかった維持費
等を厳密に見て、$10,000の費用が発生したとしましょう。
すると実際に懐に入るのは
$16,000($170,000 - $10,000)
です。
購入とリノベーションに費やした自己資金の総額は
$140,000($120,000 + $20,000)
ですから、売却までの費用を踏まえて$16,000が手元に残ったのならば
$20,000($16,000 - $140,000)
になります。
するとこの場合は
「購入とリノベーションに$140,000かけた上の利益が$20,000」
ですから、この場合のキャッシュ・オン・キャッシュリターン(現金の上に現れる現金)は
14.2%($20,000 / $140,000)
です。
見方を変えると
「$140,000を銀行に預けて$20,000の利息がついた」
と同じ話になります。
このように
Actual Cash on Cash(実質キャッシュ・オン・キャッシュ)
とはそのまま
「実際に投じた金額に対する、実際に生まれた利益の割合」
であり、この例で言う14.2%とは決して悪くありません。
ところがです。
セルフフリップは不動産投資の中でリターンが最も大きいと同時にリスクも大きくなりますが、この
Actual Cash on Cash(実質キャッシュ・オン・キャッシュ)
そのものはセルフフリップには適せず、
「未知のプロジェクトに対して数字をもってリスクコントロールを実施する」
という意味では
Project Cash on Cash(見込みキャッシュ・オン・キャッシュ)リターン
の方が適性があります。
詳細について、明日に続けます。
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